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PID制御の作法 part1
制御工学においてまず基本は何かと聞かれたとき
PID制御と答える人が多いと思います。
いわゆる古典制御と呼ばれるものであり
現在も、食品、化学、製造プラント・自動車・電車などに幅広く使われている制御方式であり、未だに色褪せません。
PID制御といっても、何個か種類があり今回は3種類のPID制御方式を紹介しようと思います。
1.PID制御
制御工学を学んでいるとまず教えられるのがPID制御です。
$${u=K_p(x_t-x)+K_i\int(x_t-x)+K_d(\dot{x_t}-\dot{x})}$$
ここでの$${u}$$は制御対象の入力、$${x_t}$$は目標値
$${x}$$は状態(制御したい位置情報や速度情報)になります。
これは基本中の基本ですが、制御したいシステムによっては$${\dot{x_t}}$$が敏感に働き、ゲイン設定を間違えるとオーバーシュートする可能性が高くなり少しだけ扱いづらいです。
2.微分先行型PID制御
オーバーシュートを抑制するために、目標値の微分項だけを抜いたものになります。
$${u=K_p(x_t-x)+K_i\int(x_t-x)-K_d\dot{x}}$$
これはオーバーシュートを抑制できるため、割とよく使われるPID制御方式です。
3.比例・微分先行型PID制御
微分先行型PID制御でもシステムによってはまだオーバーシュートが発生する可能性があります。そのときは、目標値の比例項も抜いてしまうことで多くのシステムがバターワース特性となり、オーバーシュートをなくすことができます。
$${u=-K_px+K_i\int(x_t-x)-K_d\dot{x}}$$
ただし、この制御方式は応答性が極端に悪くなるという弱点があるため、ゆっくり制御してもよく、オーバーシュートなく目標に追従させたい場合に使用されます。
今回は3つのPID制御について紹介しました。