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「桃源郷通行許可証」に行ってきた〜自由なテーマに発見と想像がたくさん〜

タイトルの展覧会を見に,埼玉県立近代美術館に行ってきました.

古今東西の芸術作品を鑑賞するということは、私たちが今立つ地点から遠く離れた時間や空間を経験するということでもあります。現実の奥深くに、現在の時空間から解放された「桃源郷」があるとすれば、芸術作品は「桃源郷」への扉を開くための「通行許可証」のようなものであるといえるでしょう。

https://pref.spec.ed.jp/momas/2022tougenkyo

もう,このコンセプト文がまずグッときますね.芸術作品は桃源郷への通行許可証…この表現を考えた方はすごいなあと思います.

埼玉県立近代美術館

早速ですが,一番見応えがあったのは,こちらの大きな作品,松井智恵さんの「青蓮丸,西へ」です.壁を2面使った迫力のある展示でした.

壁2面の展示

全体の美しさを楽しんだ後で,細かく観ていくと,桃源郷を思わせる細かな描写が散りばめられていて,あっちこっちと目をやりながら5分くらいかけて鑑賞しました.

舟で桃源郷にたどり着いた?
リラックスした動物たちがかわいい

桃源郷って,少なくとも日本人にとってはなんとなくイメージできて,でも厳密に何が描かれていないと…っていうことも無いので,適度に想像力を働らかせつつ自由に鑑賞できて,すごくいい題材だなと思いました.
(これって,欧米人が宗教画を見るときの感覚と近いのかな…と思ったり)

そのほか,常設展(MOMASコレクション展)も含め,印象的だった作品の写真です.

・文谷有佳里さんの「drawing」作品群

不規則なようで,よく見ると似たような形の集合で,音楽的だなあと思いました

・ポール・デルヴォーの「森」

なんとなくディズニーを連想する画風

秋岡美帆さんの「ゆれるかげ」

こういうシンプルな絵って,頭を空にして眺められるのが好きです

・マルク・シャガールの「白い裸婦」

大好きなシャガールはいつ観ても非常によい

・斎藤豊作さんの「残れる光」

タイトルにもある光のくっきりとした描写が綺麗だなあと思いました

・クロード・モネの「ジヴェルニーの積みわら」

こんなにシンプルなのに惹きつけられるのはなんでだろう,と観ながら考えてました

展覧会のタイトルだけだと,なかなか展示内容が想像できず,観に行くのに若干不安もありましたが,とても満足できました.

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