「29歳の教科書」を読んで
まだ若手と呼ばれていた自分が29歳の頃、何を考えながら仕事をしていただろうか、そして、今の29歳(若手)に自分は何を伝えられるだろうかと考えながら、この本を読みました。
私が就職した約20年前は新規採用者が少ない時代(いわゆる「団塊の世代」が現役バリバリ)でしたので、最初の職場では多くの先輩方に囲まれてのんびり過ごしていました。しかし、二つ目の職場では優秀な先輩方に囲まれ、これといった成果も達成感もなく、目の前の仕事をこなすことで精一杯でした。
この本は、変化をしないことが最大のリスク、現在の延長線上に未来はないことを教えてくれます。新しいテクノロジーによって、これまで存在している組織間の壁、業界の壁、世界の壁が益々薄くなっていく。そして、今まで以上に変化が加速するこれからの時代を乗り越えていくために必要なスキルを具体的に提示しています。
成長意欲を持ち、自らのキャリアを自分で切り開いていく、そのためには学び続ける姿勢が必要となります。知識の習得だけが学びではなく、仕事や生活の中で得られた経験を定期的に振り返り、次の行動につなげていくアウトプットも大切です。
若手の頃の自分は、せっかく日ごろの仕事の中で多くの貴重な失敗や経験を積んでいたにもかかわらず、それを次の仕事に生かすための意識や意欲、具体的な行動が足りなかった、仕事の「復習」が足りなかったのではないかと、今振り返って思います。
これまでの時代は、ベテランが若手に対してできる事といえば「自分の経験を伝えていく」ことがメインだったかもしれません。しかし、これまでの経験すら新しいテクノロジーによって代替されてしまうのであれば、これからは、ベテランも若手も「未知のものに対して共に学び、共に成長していく」ということが大切になっていくのではないでしょうか。
私自身としては、何歳になっても好奇心を持ち続け、多くの世代の方々と一緒に、ワクワクしながら新しいことにチャレンジしていくような人間になっていきたいと思っています。
まずは、一日一つ、小さなことでも何でも良いので「新しいこと」にチャレンジして、チャレンジした自分を褒めてあげたいと思います。