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クリスチャン生活初日

朝起きるとピアニストのY君から
「今日ドライブ行かない」
という誘いの連絡があった。

僕にしては、珍しく決められた予定があった。北朝鮮を脱北したクリスチャンの方の講演フォーラム。飢餓支援対策団体の代表から誘いの連絡を頂いていた。

新宿での講演会。
想像絶する北朝鮮の現状。

金総書記の銅像を400カ所以上において、日々、国民全体に強制的に拝ませる。 
核兵器に莫大な投資をしてるその中で、飢えに苦しむ人は一千万人にいる。

講演が終わって散歩してると、お母さんと遊ぶ日本の子供達を見かける。飢餓で成長が止まってしまった北朝鮮の子供達が浮かぶ。
祈ることしかできないけど、
しかし経験上祈りは必ず何かしら届くと信じてる。

気分はドライブどころじゃなくなった。
そんな風におもってたら
Y君から
「お店の営業時間が短いからまた今度にしよう」
と連絡が届いていた。

ちょっとラッキー
だけど予定がなくなり時間は空いた。

なんせクリスチャンライフ初日なのだ。
こんな時は、神様に、キリストに祈って
気分を落ち着ける。

公園で祈ってると自分の胸の痛みも苦しみも負い目も贖い、何をすればよいか示してくれる。まるで貯金もない自分にできること、それは、忘れないこと、誰かに伝えること、祈ること、そんな思いが湧いてくる。
そして今日の予定が空いてしまって暇なので、今日の糧をやることを与えてくださいと抜け目なく、自分のお願い事もする。

祈り終わると、金なし収入なしの僕だし、歩いて家に帰ろうという発想になる。

歩いたら15キロくらいありそうだけど、幼稚園の頃からお空をみて歩くのが好きなのは変わらない。

地図も見ないで、大体の方向で歩いて帰ろうとする。でも方向音痴なので、ただ彷徨ってるだけ。昔から自然を見かけると大体そっちに釣られて歩く習性が僕にはある。

そんなお散歩中に、シャーマンみたいなドレッドの人がチャリを前から走らせてくる。

あれこの人、って思ったら、以前の放浪中に、福岡ゲストハウスで出会ったダイチさんだった。

久々の再会に意気投合して、ダイチさんの実家の方面まで歩いてついて行くことにした。

こういう偶然の出会いには意味がある。
ダイチさんは、
「インドから帰ってきたばかり、感覚が研ぎ澄まされてるんですよ。今日偶然出会ったのは2人目です。」

ドレッドだけどやたら丁寧に話す。
ダイチさんの魅力はそこにある。

「自分も昨日洗礼を受けて、感覚が研ぎ澄まされています。」
月曜日の日中、浮世離れした話で盛り上がる。

聞けば、ダイチさんは、ヴィーガンに近いベジタリアンをやってるらしい。
僕も以前ヴィーガンを短期間試してた時は、確かに身体は軽かった。聖書を読んでいても旧約のユダヤ人は、豚肉食べないし、控える生活を試してみるのも面白いと考えていた。

ダイチさんと自分を合わせた偶然の再会。
神様からの、メッセージは豚肉を取らないことなのかなとか、考える。

一時間以上話ながら歩き、池袋あたりでお別れした。

その後歩き疲れて、たまたま訪れたマンションの敷地に可愛い猫をみかけた。
大変人懐っこい。
僕の今日2人目はこの子かもしれない。しばらく遊んでた。

日が暮れて寒くなってくると
なんか今日はもう一人くらいばったり会える気がする。
猫にもキリストからの祝福があるように祈りながら愛でてバイバイする。

さすがに遊びすぎた。
寒くなり、近くのドンキホーテで暖をとる。

暖まるともう電車で帰ろうという気分になって、北池袋駅方面に歩いてると

頭に声がした。
後ろに向かって歩きなさい。
そうしたら会えるから。

北池袋の方に進路を進めていた僕は、引き戻した。

後ろに歩くこと三十秒、高校の近くを通ると、大学時代のゼミのマドンナがいた。
自分が休学して以来あってない、五年ぶり再会だった。

向こうが先に気がついてくれた。
マドンナさんは先生になっていて、部活の帰りだった。

お互いびっくりで
駅まで帰る中、僕は
「偶然には意味があるんだよ。」
なんてひたすらカッコつけて語った。

神様の采配はアンビリーバブルだった。

マドンナ先生に、キリストの話をしてみた。
「昨日クリスチャンになったので祈りますね。」
ギャグっぽく言ったけど、本気です。

本当はもっと神様っているんだよって話をしてみたかった。

放浪してから地元の友達にも誰にも会ってない。久々の再会は胸躍る。

帰り道、また神様の声が聞こえた。
中村橋で降りなさい。

ホントかよって思ったけど
中村橋で降りた。歩いて帰ろうとしたら、そば屋に行きなさい。それは高校時代、毎日のように居候してた同級生の店。なんとなく気が引けたが門を叩いた。

まともに話したのは高校卒業以来。  

彼は結婚して跡取りのようになっていた。

「社会人になれなくて放浪してた。」
って自分のこと伝えると、
「おめぇ、ゆたぽんみてな人生送ってんな」
と笑われた。

ゆたぼんのこと笑えない。
むしろ、僕より稼いでいて、社会的なことしてる。

ただ、青年革命家なんて言いたくないが、そんな生き方になってしまってる僕にとって、今日はハートフルな一日だった。

そば屋には、母校の高校生がアルバイトで働いていたけど、変わり者っぽい。

自分と似てる匂いがした。

もし将来悩んだら相談ください。
僕も悩みましたから。

昔よく食べさせてもらっていたカレーを注文して、懐かしくて夢中で食べる。

そのカレーには豚肉が入ってたのだけど
久々の再会に胸躍ってて、もちろん忘れてる。

ニャンダフルな一日。

主よ、明日もそのお声に従いますから日中何をしたらよいか導いてください。

エレミア書 7・23わたしは次のことを彼らに命じた。「わたしの声に聞き従え。そうすれば、わたしはあなたたちの神となり、あなたたちはわたしの民となる。わたしが命じる道にのみ歩むならば、あなたたちは幸いを得る。」

アーメン

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