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満月が一瞬で三日月になった
前回、ミュージカルにハマった経緯を書いたので、そのきっかけとなったミュージカル「リトルマーメイド」から考察をしてみたいと思います。
今回は月についてです。
前回の記事は以下より。
夢中になりすぎて
前回の記事を同僚の気象予報士にも読んでいただけたのですが、そのうちの1人、TJさんから、「リトルマーメイド」の話は知らないけど興味が湧いたと感想をいただきました。
広島でもRCCイマナマの女性スタッフさんから、リトルマーメイドの話自体を知らないと言われたことがあります。
なるほど、リトルマーメイドは共通で認識している話ではないのだ、と気づいた訳です。白雪姫やシンデレラに相当するくらい認知度が高い話かと思っていたのですが、リトルマーメイドは少し違うのだと知りました。
リトルマーメイドは、ディズニーアニメーションが舞台化されたものではありますが、原作といえば童話「人魚姫」。むしろ、私は人魚姫の方が話の詳細がピンと来ないです笑
本当にざっくり言えば、人魚のアリエルが王子に恋して足を手に入れて結ばれる話です。
それくらいは知っているわ!と怒られそうですね。
劇団四季のプログラムや、ここ最近実写化された映画のあらすじから、私が伝えたい点に焦点を当ててまとめると、このような感じです。
あらすじ
美しい歌声を持ち、人間の世界に憧れている人魚アリエルは、ある日、嵐で船が難破し、荒れた海に放り出された人間の若者エリック王子(20)を助ける。若くハンサムなエリック王子に一目惚れしたアリエルは、彼と一緒に自分の足で歩きたいと願う。
助けられたエリックも、意識が半ば薄れる中で聴いたアリエルの美しい歌声が忘れられず、命の恩人を探し出そうと決意する。その王子を見かねた執事グリムスビーは、もうすぐやって来る王子の21歳の誕生日前夜に盛大なパーティーを開くことを提案する。(※1)
アリエルの前に現れた海の魔女アースラは、恐ろしい取引を申し出る。それは、美しい声と引き替えに、魔法の力で3日間だけ人間にしてやるというもの。その取引によってアリエルは魔法で人間の足を手に入れる。
そのまま浜辺に上がったアリエルはエリック王子と再会する。ただ、声を奪われた彼女は、自分がエリックを救い、彼が憧れる声の持ち主であることを伝えることができない。誠実なエリックは、うまく歩けないアリエルを抱き上げ、お城に連れて帰るのだった。
その後もエリックは彼女をディナーに誘ったり、翌日には彼女と共にボートで海に漕ぎ出したりしたが、2人の恋は一向に進展する気配がない。(※2)
そしていよいよ3日目。王子がお妃を決める運命のコンテストが幕を開け、アースラとの契約の期限は刻々と迫ってくる。果たして彼女の愛の結末は…。
以上。
私の一番好きなナンバー「アンダー・ザ・シー」について、今回のあらすじからはバッサリとカットしています笑
(TJさんへ、伝わっていましたら幸いです。)
ミュージカル上のエリックは20歳ですが、アリエルは作品によって18歳、16歳とあるようです。要はティーンエイジャー。
リトルマーメイドは海上や浜辺など屋外の場面が多めなので、空の描写が多いです。
アリエルやエリックの最初の登場シーンは、太陽が空高く上った日中、昼間。
逆に、エリックがアリエルのことを想い、浜辺で歌う「あの声」のシーン(※1)や、アリエルとエリックがボートで海に漕ぎ出しデートをする「キス・ザ・ガール」(※2)のナンバーは夜になります。
今回は月に焦点を当てたいと思うので、この夜の2つシーンについて考えたことを書き連ねていこうと思います。
エリックの歌う「あの声」
あらすじ(※1)でのエリック王子は、夜の浜辺でアリエルの想いを歌います。
本番中はカメラで撮影できないので(当たり前)、そのシーンをイラストにするとこのような感じ。
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実際のエリックはここまで坊ちゃまというよりカッコいい王子ですが。
「あの声」を歌い終わると、執事のグリムスビーが現れ、エリック王子の21歳の誕生日前夜に盛大なパーティーを開くことを提案するのです。国中から声のキレイな女性を招いてコンテストを催せば、尋ねる美しい声の相手が見つかるだろうとのこと。そして、その娘と誕生日の日没までに結婚するようにという提案にエリックも賛成します。
ロマンチックなムード「キス・ザ・ガール」
話の終盤、エリックは浜辺に上がったアリエルと出会った翌日、ボートで一緒に海へ漕ぎ出します。そこでムード作りに躍起になるカニのセバスチャン。動物たちが奏でるパーカッションやコーラス、風の音、そして月明かりで雰囲気は完璧に。
草木が生い茂っている中をボートで漕いでいたので、池や湖のほとりを想像していたのですが、プログラムの記載によると海とのことです。だいぶ潮に強い植物なのでしょう笑
舞台の情景の記憶をイラストにすると、このような感じです。
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曲の最後で2人はキスをしようとしますが、寸前のところで邪魔が入って計画は失敗。
この2つのシーンにおいて注目したいのが月の形です。
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そうなのです。
「あの声」の場面では、満月だったのに対し、「キス・ザ・ガール」では三日月になっているのです。あれれ、と。
初回の観劇では気付かずにスルーしていましたが、何回も見ているうちに周りの人物や状況にも目が行くようになり気付いたのです。
ここで、「細かい奴だな〜」と引かないでくださいね笑
そうなると、ここで話が終わってしまいますので。
月の満ち欠けの一周する期間(朔望月)は約29.5日、大体1ヶ月前後ということで、毎月1回ほどは満月を迎えます。
さあ、ここで時の流れについて整理して考えてみたいと思います。
エリックが歌う「あの声」と、アリエルが足を手に入れてからの3日間を合わせてみると、
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舞台上では全てが短期間で行われていると思いきや、エリックが砂浜で歌ってから、アリエルが足を手に入れてコンテストが開催されるまでは、少し期間が空いているということになります。
ざっくり計算すると、満月から三日月まで、約18日といったところでしょうか。
そうなれば、執事がコンテストの開催を提案してから準備、本番といった時間が現実的になりそうです。
月の視点から時間を読み解く、このような推察もいかがでしょうか。
次のリトルマーメイドの公演が楽しみです。いつか分かりませんが、、、
余談
ディズニーアニメーションでは、「あの声」の場面はカットされていて、「キス・ザ・ガール」の場面が満月になっています。こちらでは、そもそもコンテストは開かれていないので、全てが短期決戦の恋愛だったのでしょう。
また、舞台を観劇する際、アニメのストーリーは忘れていたのですが、舞台のシナリオだと、魔女アースラがアリエルの声に固執する意味が理解できなかったのですよね。そこまでアリエルの声は必要ないのではないかと。
ただ、アニメ版を見ると理由に納得。アリエルと同時期にアースラ自らも人間になり、もらったアリエルの声を使ってエリックに近寄り、結婚まで結びつけるという計算高さ。
しかし、こちらだと、アリエルが期限を守らずにキスできなかった際、アースラのもとで一生しもべになるという設定が矛盾するのですよね。アースラはエリックと結婚しているので地上で生活しているのですから笑
みたいな屁理屈はここまでにしておこうと思います。
このような、天気の視点の考察をマイペースに書いていこうと思います。
今後も、お付き合いいただけると嬉しいです。
長々と失礼しました。