バイク紹介(MTB編)

今更感もありますが、今年使っている機材の紹介です。
今回はMTB。その他グラベル系やウェア関係はまた改めて。
普段僕はクロスカントリーオリンピック(XCO)やクロスカントリーショートトラック(XCC)という競技に出場していて、競技時間はXCCが約20分、XCOは1時間強という感じなので、それに最適化された自転車に乗っています。
機材の中にはサポートしていただいているものもありますが、気に入ったものだけをお願いする形で使わせてもらっています。

バイクはCannondale Scalpel Hi-mod。身長は180cmで、Lサイズ。
広島のGoodspeed井原自転車店さん(http://www.goodspeed-bike.com)で、XCで速く走れるやつを!ってことでお話しすると、これをおすすめしてもらいました。井原さん本人がMTBやグラベルといったオフロードからトラック競技まで幅広く走っているので、本当に走るバイク、パーツを提案してくれるんですよね。

2024年のXCO世界チャンピオン(は新型だけど。)も乗っているCannondaleのスカルペル。僕が乗っているのは前後100mmストロークのモデルです。120mmストロークのものもあります。
上りも下りもスイスイ進む超おすすめバイク。
このHi-modグレードのフレームは本来日本には入ってこないモデルですが、運良く手に入りました。さすが井原さん。

パーツ構成はざっとこんな感じ。
ホイール:完成車についてきたものをハブを鬼ベアリング仕様に
タイヤ: pirelli Sporpion XC RC 2.4 Lite
クランク: Rotor Kapic 170mm 34 or 36t
ハンドル幅710mm,ステム:80mm
コンポ: Sramの無線のやつ
ボトルケージ: Supacaz Fly Cage Anodized
グリップ: Supacaz Grizip
ケミカル系: Mac-Off
サドル: 家にあったやつ

サスペンションはフロントはエア圧110psiを基本に、今はエアボリュームスペーサーを2段、リバウンドはコースに合わせて7-9位で調整、コンプレッションは基本的に全開放で使っています。
リアは150psiを基本にしてリバウンド8前後。

互換性問題

キャノンデールといえば、オリジナルパーツと規格を取り入れまくっていて、他社との互換性が全然無いことで有名ですね。
ただ、このフレームは他のスカルペルとちょっと違っていて、キャノンデールのオフロード系によく採用されているAiオフセットは使われておらず、なんとリアホイールは普通のホイールが使えます。いやそれが普通なんだけど。。。
なのでクランクもなんと普通のクランクが使えます。僕はRotorのKapicクランク(170mm)とスパイダーアームタイプのパワーメーターを組み合わせて使っています。
エンドはUDH規格で、将来的に現行SramのTransmissionも運用可能です。
普通のリア周りのこのフレームをメインに売った方が良さそうですけど、なぜか日本にはこのモデルを入れていないんですよね。

互換性問題から話がそれますが、Rotorのクランクは、ロードでも使っていますがクランクそのものの性能が高い以外にも、3ピース構造で、クランクアーム、スピンドルそれぞれ交換できます。ダイレクトマウントなのでパワーメータ部だけ交換もできます。クランク長を変えたいとか、フレームを変えてスピンドル長だけ変えたいとか、本気で1年くらい使ったらスピンドルが摩耗するので変えたり、あとはパワーメーターだけ修理したいとかに対応できるので結果的に経済的だしおすすめです。
ロードの方で使わせてもらっていて気に入ったので、MTB用は今年になって買いました。

そして、見ての通りフロントサスペンションは特徴的な片持ちフォークLeftyで専用ハブのホイールなので他とは互換性なし!

📷Sumpu Photo

ホイールの取り外しは簡単ですしメンテナンス頻度も他ブランドのフォークと大差ないので問題ありませんが、他の選手とのスペアの共有等は当然ながらできません。
ただ、サスペンションとしての性能はとても高く、ホイールを含めたシステム全体の重量はとても軽く、動きは本当にスムーズです。ストロークしていくと奥の方で踏ん張る感じでとても使いやすいです。120mmストロークもラインナップにあります。
時々、ベアリングリセットという作業をしないといけないのと、フロントハブのベアリングは左側はほぼ剥き出しなのでメンテ頻度高めです。

タイヤ

タイヤはピレリのサポートを受けていてScorpion XCシリーズを使っています。テストで使わせてもらったタイヤがめっちゃ良くて一昨年から使わせてもらっています。
ちなみに、昨年まではロードのみ別ブランドを使っていましたが、今年から全てのバイクのタイヤをピレリに統一しました。先日新発売になったロード用タイヤのP Zero Race RSをはじめとして、モータースポーツ譲りの開発スピードでどんどん良いタイヤが出てくるので驚いてます。
あと、カタログ上のスペックには表れませんが、タイヤの精度がものすごく高いです。重量バランスや真円度がすごく高いので、高速でもブレません。

ピレリのオフロード系タイヤは、グリップが必要な順にS→M→HとF1のタイヤのソフト/ミディアム/ハードみたいにわかりやすくなっていて、そこに加えてレース用な位置付けのXC RC、リア専用のRというタイヤがあります。
僕の場合は、参戦しているレースの9割くらいはScorpion XC RCの2.4幅で走ってます。よほど雨でなければこれ1択です。よっぽどルーズな場面や雨が降ったらSですね。ただ、スペアホイールの方には一番オールラウンドなMをつけています。
XC RCが一番速く走れて、W杯を回っているピレリサポートチーム(TrekやBMC)の選手もみんなこのタイヤを使っていますね。
同じようにノブの低いドライ向けのXC Hというタイヤもありますが、あちらもノブの形が均一なのでクセがなくて使いやすいタイヤだと思います。
空気圧は、1.1-1.3barの間で調整しています。

ケーシングはLiteとサイド強化版のProWallがあって、シーズン序盤はProWallを使っていましたが、日本のコースでは正直なところオーバースペックと感じていてLiteにしました。こちらの方が軽くてしなやかです。
ProWallの方は逆にタイヤ剛性が高くて踏ん張りが効くので、ジャンプの着地やハイスピードのバームでは安定するので、速度域が高かったり体重が重い人はProWallおすすめです。ワールドカップを走っている選手たちは、あっちのコースはロックセクションも激しいし日本のコースよりスピード域も速いのでProWallの方を使っているみたいですね。

バルブはMac-offのバルブです。かなり軽量なバルブです。僕は入れていませんが、タイヤインサートにも対応しています。このバルブはグラベルバイクにも使っています。

ハンドル周りその他

グリップはSupacazのGrizip。グリップ力抜群で汗や泥でも全然滑らないので、めちゃおすすめ。ステムは80mm/10°の一般的なもの。ハンドル幅は710mm。

ボトルケージはSupacazのFly Cage Anodized。振動でボトルが落ちることはまず無いし、アルミ製なのにめちゃくちゃ軽くてお気に入り。スパカズっぽいオイルスリックカラーがめっちゃ綺麗。
フルサスでボトル上部のスペースが狭いので以前はサイドから取り出せるタイプのボトルケージを使っていたましたが、それだと左右どちらかからしか取り出せないし、僕の場合はレース中は状況によって左右どちらからでも取り出すことがあるので、今は普通のタイプにしてます。

チェーンオイルはMac-offのLudicrous AFを使っています。少し値段は張りますが泥レースでも最後まで油膜が切れないので超おすすめ。世界最速を謳っています。
レース以外の普段は、もう少し低めの価格帯のMac-offのC3 lube Dry を使っています。

あと、前後のホイールは鬼ベアリング仕様になっています。
元々昨年まで所属していたロードチームのマトリックスパワータグにスポンサーとしてついていたので使わせてもらっていたのですが、チームを離れるタイミングで挨拶に伺って、ベアリング本当に良いですよねって話からオフロードでのテストをという話になり7月の全日本選手権のタイミングから使わせてもらっています。
ベアリング交換でこんな変わるんだってくらい。特に大きな荷重がかかった場面で失速しないので、下りではブレーキングのタイミングが変わるほど。慣れないと思ったところで止まれません笑
激坂で思いっきりトルクをかける場面でも有効です。
人間、楽な方向にはすぐ慣れるのでずっと使っていると抵抗の無さにも慣れてきちゃいますが、ベアリングを変えていないホイールと比較するといつの間にかラップタイムが速くなってます。
気になる耐久性も今のところ問題はありません。引き続きテストしていきます。

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