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Ep.3 Istanbul

寒暖差が激しかった11月。まもなく深夜を迎える空港に僕はいた。11月18日。僕はスペインへと旅立つ。
スペインには彼女の実家があり、友達がおり、彼女自身は1ヶ月ほど前から里帰りしていた。世界中で人の動きが緩和されていく中、僕はラッシュに巻き込まれたくなかったので、人の出がピークに達する前に一足先に海外に出ることにした。
残念ながら?僕は会社員なので使える休みは少ないがどうにか10日間の休みを作った。

今回使うのはトルコ航空。サービスが良いともっぱら評判で、中継地でもあるイスタンブールでトランジット利用客専用のツアーの参加も可能とのことなので選んだ。結論から言うと、もうヨーロッパに行くのにトルコ航空以外の選択肢は僕には無くなった。

早朝のイスタンブール空港に到着した。元々アジアとヨーロッパを繋ぐ巨大なハブ空港としてアタチュルク空港があったが、収容能力の問題で新空港設立として2019年にイスタンブール空港として全面開港された。
イスタンブール出発時にゆっくり見て回る時間があったが、新空港だけあり、豪華な内装だった。

神戸とかにもあるアルファベットのモニュメント。
自分は結構好き。色んな言語で世界中でもっと流行って欲しい。
長い通路の両サイドにお土産屋やブティックが立ち並ぶ

ツアーの申込みは事前ではなく当日に行う。パスポートコントロールを通過し到着ゲートを出て右手方向に向かうとトルコ航空のデスクがある。そこで申込みを行う。

ツアーが始まりバスはイスタンブール市内へと走り出す。バスで隣に座った男性は気さくな人で、素敵な出会いだった。彼はポルトガルから来た大学教授で専攻は自分と同じコンピューターサイエンス。それ以上詳しくは突っ込んで聞かなかったが、シンガポールでの学会の帰りらしく、自分と同じようにワザとトランジット時間を長く取りツアーに参加した口らしい。
時に沈黙を挟みながらのんびりとお喋りしているとバスが最初の目的地に到着した。

お土産屋

店内はきらびやかな装飾で色とりどりのお菓子やお茶、スパイスが置かれていた。正に自分が思い描いていたようなイスラミックのようなアジアンのような雰囲気だった。

ロクム(Turkish Delight)と呼ばれるトルコの定番のお菓子
伝統的なフレーバーからオレオ味等の現代的なフレーバーまで
すべて揃っている
様々なスパイスがそのまま陳列されている

ツアー客が皆店内に入るとお店のスタッフが歓迎してくれると同時にお土産の説明をしてくれた。ハッカ飴のように飲んだあとにスースーするお茶を試飲させてくれたり、ロクムをたくさん切って試食をさせてくれた。お茶の名前は完全に忘れてしまったが、長距離ドライブの時など気付け薬的な物として飲むこともあるらしい。

試飲から流れるように商品説明が始まる
キラキラした店内

折角イスタンブールに来たのだからと結局ロクムを4本購入してしまった。これが中々良いお値段で、日本円だと4000円ぐらいだった。ゴマ味、ピスタチオ味、ベリー味、ココナッツ味の4本を購入した。基本的に和菓子のような優しい甘みではあったが、ココナッツ味だけ油がまわっているのか個人的にはリピートは無いという感じだった。

バスは次の目的地に向かう。

ガラタ橋

イスタンブールはアジアとヨーロッパが交差する地政学的にも宗教的にも特異な地であるのは明らかである。ガラタ橋は特異点であるイスタンブールの旧市街地と新市街地を結ぶ、住民にとって大切な橋である。
橋は二階建てになっており、下にはレストランがあるらしい。サバサンドと言うものが有名とのこと。僕が到着したのはまだまだ朝の10時とかだったので人出はそこまで多くなかったが、たくさんの釣り人が橋から釣り糸を垂らしていた。
フィルムカメラを手に、シャッターを切る。

朝のガラタ橋
遠くに見えるのは有名なモスクらしい
慣れた手付きで獲物を待つ
フィルムのSSの設定は難しい
朝という時間帯はその土地の人達の過ごし方がよくわかるので好きだ
たくさんの船が橋の下をくぐり抜けていく
巨大なタンカーが足元を抜けていく様子は圧巻だ

ドルマバフチェ宮殿

次の目的地がツアーの終点。ボスポラス海峡沿いにあるドルマバフチェ宮殿だ。ドルマバフチェ宮殿はオスマン様式とヨーロッパから取り入れたバロック様式を組み合わせた宮殿とのこと。オスマン帝国の王宮として使用されてきた。
僕は世界史の知識は高校一年生止まりなので、この宮殿についての知識は全く無く、先に述べた情報もガイドのお兄さんとWikipediaから引っ張ってきたものだ。
とにかく人が多く、たくさんの人がゲートをくぐり宮殿の中へ入っていった。僕たちは時間が限られているので40分程宮殿の敷地内をブラブラとし、ボスポラス海峡を眺めながらコーヒーを飲んだりした。

敷地内で働く人達だろうか。朝のコーヒーを楽しんでいる。
敷地内にあるカフェ。コーヒーを注文した。
ボスポラス海峡を臨みながらの忙しない朝
立派な塔。当時のまま残っている。
敷地内のカフェから見えるボスポラス海峡


タクシーを待つ青年

マドリードへ

約3時間のツアーが終わる。空港に戻ってくると皆、各々の用事を済ましに空港の雑踏の中へと消えていく。皆どこかの国からここイスタンブールに降り立ち、共に数時間を過ごし、そして赤の他人へと戻っていく。サバンナを移動する象の群れが別の群れと挨拶だけしてすれ違っていく映像を何故か思い出した。

トルコに来たからにはこれらは食べなければならない
フムスは絶対に外せない


さぁマドリードへ

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