見出し画像

【漢舞18代目引退演舞〜何度でも立ち上がれ〜 】

 11月3日(日)関西大学統一学園祭において、18代目(3回生)の引退演舞の披露。
彼らと泣き笑いを共に経験した17代目(4回生)はもちろんの事だが、社会人になったOBGの多さには、驚いた。16・15・14・13・12・11・10代目(恐らくさらに上の代まで同じ空間に居合わせたと考えられる)までのOBGが、18代目の終わりを見納めに来た。
 これは、今年度作品「八興」の大健闘も理由の一つであるが、大きな試練を乗り越え、チームを立て直した彼らの”強さ”に惚れ込んだ人間の数であろう。

 座席が埋まるのはもちろん、後方やスターバックス前のスロープでの立ち見客、石畳に座り込む人など、関西大学悠久の庭は、大量のオーディエンスで包まれた。

画像1

 代表、高田大地による最後の円陣を終え、ついに18代目が最後の舞台に立つ。
1曲目は、毎年恒例となっている「南中ソーラン」の披露。漢舞を知らなくても、南中ソーランならわかる!といったお客さんにとっては、掴みとして優秀な演舞である。
 ここで私は、去年の学園祭での事を思い出した。諸般の事情による活動休止後、再開後初の演舞となったのが、学園祭での引退演舞であり、最初の曲は同じく「南中ソーラン」であった。自分の立ち位置に着き、イントロが流れた直後、自然と涙が込み上げてきたのを今でも鮮明に覚えている。隣を見ると仲間がいて、客席を見るとお世話になった諸先輩方がいて、頭の中には学園祭には参加できなかったメンバーの姿があった。18歳で漢舞に所属して以降、当たり前と思っていた景色が、あまりにも幸せに感じた。と、そんな自分にとっても感慨深い「南中ソーラン」が始まった。

画像2

代表をセンターに、優しく、暖かみのある笑顔と、オーディエンスに伝播する程の活力で、悠久の庭を一気に”漢舞色”に染め上げる。

 2曲目に披露されたのは、16年度演舞「音頭れ」。沸いた。とにかく会場が沸いた。”本気を楽しめ”がテーマであるこの演舞であるが、彼らは体現者として、あまりにも優秀すぎた。
 OPの厳かな雰囲気から、"すいた祭り"を体現した活気溢れる勢いのあるパート、死ぬ気で地車を引き回す漢達の姿まで、全てが彼らによって忠実に再現されていた。地車特殊、盆女など次々と現れる特殊陣には常に、大好きな後輩達の個人名ラッシュ(由莉は何故、盆女をする事を教えてくれなかったのか...)で溢れかえり、演舞もガヤも全てがまさに"祭り"であった。
 この段階で17代目の玉置宏行は号泣していた...。笑

画像3

画像4

続いて披露されたのは、17年度演舞の「大一番」。当時1回生だった18代目とたくさんの悔しい想いをした、私たち4回生を中心に制作された作品である。
 OPの隊列を見て、私は目を疑った。踊り苦手仲間だと思っていた芦田(18代目)がセンターで力士特殊をしていたのである。意味わからん。なんでなん。ここで一度席を立ち、帰宅するか考えたほどには懐疑的な隊列であった(嘘です大好きな後輩です)。

画像5

OP幕が上がると、当時の法被を纏ったメンバーたちが勢いよく飛び出てくる。特に印象的であったのは、柔パート(女性パート)の3トップに小倉りな、岸本かりん、田中あさみの18代目トリオがいた事、傘には当時からの傘隊である江崎陽太郎がいた事、そして思わず隣の森田雅生(17代目)が「これは感慨深いなぁ」と声を漏らした”パート毎に入れ替わる”18代目の力士特殊たち、更には当時自分が握っていたマイクを18代目曲班の中島ほのかが持っていた事などが挙げられる(もうちょっと抜粋しろ自分)。 
 そして何より、17代目のメンバーは、扇や座布団など当時の道具が勢ぞろいしていたことには、興奮を隠しきれなかっただろう。

 続いて披露されたのは、18年度演舞「いざ、」である。当時のメインMCである田内よしきと檞あつしがマイクを握ると、オーディエンスは静まりかえった。誰もが当時(活動休止)を頭に思い浮かべた。そして何より、漢舞関係者ではないはずのお客さんまで、まるでメンバーの気持ちを理解したかのように、静かにステージを見届けた。
 豊臣秀頼特殊を務めるのは、もちろん18代目代表の高田大地。さらに、OBGを沸かせたのは、その両脇に副代表である江崎陽太郎と山田彩人が勇み立っていたことである。今年度の躍進と、漢舞の再建は彼らなしには、今後語られることはないだろう。私たちOBGにとっても、3人は宝のような存在である。

画像6

「たとえ願わぬ明日なれど 今ここに命を燃やす さぁ挑め迷いなく 信じた道を 仲間といざ、」
 まさにこの歌詞の通り、私たち漢舞は、挑み続けた。願わぬ明日でも、仲間との日々を信じ、命を燃やし、日々を過ごし、復活を待ち続けた。無力ながら引退をしてしまった我々の尻拭いをするかのように、いつかの豊臣軍のように、18代目は、「いざ、」は、関西大学学生チーム"漢舞"を再建した。

 ありがとう 「いざ、」。
いつまで経っても自分にとってのNO.1です。

画像7

 最後に披露されたのは、19年度演舞「八興」。誰も否定することはないだろうが、あえて言う。歴代最強の作品であることに、異論は認めない。
 15年度作品"鬨"以降、YOSAKOI界の時代の流れに苦しみ、そして大きな壁に打ち当たり、なかなか結果を出すことのできなかった漢舞に希望の光をさした作品である。
 「何度でも立ち上がる」というどストレートなメッセージ性に、達磨に願いを込め、苦難・葛藤を乗り越えるという、現在の漢舞を投影するかのような演舞は、その作品性はもちろんの事、死ぬ気で演舞する彼らの魅せる姿により、多くの高評価を得た。

 立ち位置に着くと、涙を堪えきれなくなる、後輩たちの姿が印象的であった。

画像8

画像9

 夢追い特殊の山田彩人が達磨を掲げ、曲が始まる。半年間自分たちを見守ってくれた達磨を称え、感謝し、そしてこれからの漢舞の健闘を願い、託すかのように。その光景はまさに、箕面市にある勝尾寺に参拝する夢追いの姿であった。

画像10

 演舞が始まると...ごめんなさい。ここから正直、記憶がない。
3分半の演舞が一瞬に感じるというのは、これのことか。
嘘じゃなくて、本当に記憶がないのです。笑

最後は、写真と動画でおたのしみください..!

画像11

画像12

※動画は12代目漢舞のムニさんのものを掲載させていただいております。

最後に
18代目漢舞のみんな、たくさんの感動を、興奮を、ほんまにありがとう。
皆んなが魅せてくれた景色、皆んなが見た景色、全てが皆んな自身の、私たちOBGの、そして漢舞にとっての財産です。
これからの残りの大学生活、そして社会人になっても漢舞での活動を誇りに思って過ごしてください...! 愛してるよ18代目!!!!!!

#関西大学 #統一学園祭 #漢舞 #YOSAKOI #18代目 #引退 #おめでとう

2019年10月28日にnoteを開始。 現在は、実践あるのみで試行錯誤の文章を展開しております。 何か、"気持ちひとつ"でも共有できるプラットフォームがあれば気が楽になるのにと思っていた自分が出会ったのがnoteです。 お手柔らかに。