トンダカラ3rd Flight 〜あらすじが全く明かされていない舞台の話〜
新型のウイルスが猛威をふるっておりますが、皆様お元気でしょうか?
感染者が増える中、まだまだ通常通りの生活をするには予断を許さない中、舞台を仕事とする方並びに舞台が好きな方々は、歯痒い思いをしていらっしゃると思います。
そんな、少しふさぎがちなご時世ですが、劇場から2人芝居を無観客配信している演劇ユニットがございます。
こちら……
演劇ユニット名が『トンダカラ』
配信する演劇名が『トンダカラ3rd Flight』
と申します。
そしてご覧の通り、フライヤー的な告知画像にも、演者や脚本家、音楽担当の名前は載っていますが、それのみ。
ほう。
えっ、あらすじは???
そう思った皆さん。私も同じ事を思いました。
きっと、演者二人の演技が素晴らしいんだろうなぁー。
いい舞台なんだろうなぁーー。
なんて想像はついたので、物語に関して何の情報も持ち合わせていないまま取り敢えず、配信チケットを買いました。
結果、私は舞台が始まるその時まで、今から見る物語が、コメディーなのか、戦争ものなのか、SFなのか。それこそ、日本の話なのか、ヨーロッパの話なのかすらわかっていない状態でした。
いや、よく買ったな。チケット。
過去作を見てもあらすじは一切公開されていないのでトンダカラはあらすじを公開しないというのがセオリーらしいのですが……
この舞台。滅茶苦茶よかったんです!!!!
いや、本当に。
取り敢えず1公演だけ買ってみようと思ったチケットが、今のところ3公演分になってて、多分あと1公演は見るな!可能なら2公演追加だな!ってなる位には良かったのです。
今回は配信なのでチケットが売り切れる事は無い!
つまり、公演3分前に見たいと思っても(ネット環境が整っていれば)見れる!!!
しかし!!!
トンダカラ初心者に布教するにはあまりにも情報が少ない!!!!
こんなにもいい舞台なのに、トンダカラ初心者には!少しだけ!ハードルが高い!!!
という事で、ネタバレにならない程度にあらすじを書いていきたいと思いますが、そもそも何の情報も提示されていない舞台の情報なんて、基本どんな事を書いてもネタバレです。
なので、あぁ、何となくこんな雰囲気なのねーー。と、思ってくだされば幸いです。
秀才でだけどいじめられっ子。役者を夢見る演劇少年のタイラ(演・原田優一)と、頭は少し弱いけど、やんちゃで元気いっぱいなダニー(演・鯨井康介)
高校生の二人は親友で、大学進学の為にダニーがタイラに勉強を教わったり、タイラの芝居をダニーが見に行くような、親友関係だった。
大学進学と共に故郷を出たダニーは、数年振りに故郷に帰り、タイラのもとを訪ねる。
高校卒業から約15年会っていなかった二人は思い出話に花を咲かせるが、ダニーが刑事をやっているという話から、思い出話が不穏な空気に包まれる。
実は、ダニーが街に戻ってきたのは、単なる里帰りではなく、刑事としての仕事の一環だったのだ。
……いや、あらすじ書くの難しいな。
この2人芝居、本編が約65分という長さなんですが、基本伏線だらけですし、最後に「マジかー。そっかーー!」というお話なので全てが言っちゃダメな気がして、当たり障りのない事しか書けない!
いや、多分文才の問題なんでしょうが。
見て!取り敢えず見て!としか言えないのが悔しい。
あっ、でもこれだけは……!
高校生パートは少しだけコメディーチックに、大人パートは、シリアスにカッコよく。
とてもバランスよく、見ていて疲れないけど、十分満足出来る素敵なバランスとなってるので、舞台初心者の方でも、上級者の方でも見やすいのではないでしょうか?
また、演技の素晴らしさは勿論ですが、2人芝居ならではのセットの組み方。
ソーシャルディスタンスに配慮した舞台構成もとても自然で素晴らしいので、ぜひご覧ください。
親の意思を引き継ぐという事。
守りたいものを守る方法。
思春期に、親友がお互いに与える影響。
この舞台を見終わった後、色々な事を考えさせられました。
特にこのご時世だからでしょうか?
[守る]という事について、ふと考えてみたくなりました。
誰かを守る為と言う大義名分を使って、自分を正当化していないか?
それは、本当に正しい選択なのか。
色々な情報が飛び交う世の中だからこそ、自分を、自分の大事な人を守る為の選択を間違えないように[生きて]いきたいですね。
さて、ここまで長々とお付き合いありがとうございました。
ネタバレをしていいのであれば言いたい事は沢山あるのですが、どうか配信で楽しんで頂ければと思います。
この素敵な演劇が、1人でも多くの方に試聴されますように。
そして、今回は配信となりましたが、いつか舞台でトンダカラ 4th Flightが見られますように!
P.S
(この舞台。本編後のアフタートーク(と言う名の物販宣伝トーク)がとても面白いので、是非ご視聴のうえ物販をご購入ください。貴方の物販が!演者2人の生活を支えるんダカラ!)
りょう