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【2020年ベストバイ】今年買って良かったモノ

有名ファッションメディアの人気企画、今年買って良かったモノが大好きな僕の2020年ベストバイ10選。

1.Maison Margiela x Mackintosh Trench coat

まず1つ目は大好きなマルジェラから。去年もMargielaとのコラボのグレーのステンカラーを買い完全にはまっているMackintoshのゴム引きコート。ALYXとのコラボ、KIKOKOSTADINOVのコラボと合わせて4着目。2枚の生地に天然ゴムを塗り、圧着させて世界初の防水布を発明した歴史もグッとくるポイント。特殊な生地故に日本で洗濯できるのは一箇所のみ。汚してしまったら終わりですがあまり気にせずガシガシ着ている笑。

一見普通のこのコート、マルジェラらしさは細部に。マルジェラがエルメスのデザイナーを務めていた時、エルメスの頭文字を取ったHのボタンホールのボタンを作ったのは有名な話。芸が細かいなーという感じですが、普通の4つ穴ボタンと異なり、穴が6つあるこのボタンは機械縫いでなく手縫いじゃないと付けられない。ちょっとした遊び心の為に生産性を度外視してしまう。一流のブランドたる拘り様。このコートはその歴史を汲み取りボタンホールがマルジェラのMの頭文字に。このコート以外にこのディティールを採用しているのは見たことないのでテンションが上がるポイント。

2.MASU ARGILE SHIRT

これはコレクションを見て完全に一目惚れしたもの。毎シーズン発表を楽しみにしているMASUの19-20awシーズンのシャツ。毛足のあるフロッキープリントで表現したアーガイル柄をストーンウォッシュであたりを付け、くるみボタンも同生地で包む気の利いた作りがイイ。

19awが個人的にはツボにはまってパジャマパンツやら、アンティークのコインネックスも購入。どこのショップも同じようなものばかりセレクトしているからルックで欲しかった物がどこにも売っていないことが多々あるのがたまに傷。だけど一捻り加えたデザインとヴィンテージライクな雰囲気が今の気分にドンピシャで次のシーズンもライトアウターを買おうかなと思ったり。

3.AUBERGE CLOWD FOODIE

テキスタイルのこだわりが半端ないAUBERGEのフーディが3着目。100年前のフランスのテキスタイルを現在の技術で再現したり、セザンヌがアトリエで着ていたシャツを細部まで再現したりと服へのこだわりが尋常じゃない。youtubeで自社の商品開発ヒストリーを話しているんですが、デザイナーの方がめちゃくちゃ楽しそうに解説する姿がたまらない笑。こういう人が作る変態的な服を着れるのは楽しいし、つい自分も語りたくなる。最近思っているのはブランドの本質はデザインではなく思想への共感にあるということ。AUBERGEはまさにそれを体現していてこれからも買い続けたいという思いになる。

このフーディについて触れて置くとスウェットで有名なLoopwheelerと同じく和歌山の吊り編み機でゆっくり織ることで生地と生地の間に空気が入りCHAMPIONのスウェットを織るような高速織機で織られた生地とは比べ物にならないくらい生地がふっくらする。先日一宮で吊り編み機を動かしている工場に織っている所を見せてもらったんですが、まあ遅い。完全に非効率で非合理的。でも合理化の波に乗らなかったからこそ表現できる物があり、それを守り続ける職人さんの姿に感動した。そうした人たちの存在に気づくと買うものが変わって来る。実直に愛情がある人が作った物を買いたいと思うようになった思い出深い服。

4.LOEWE FISHERMAN PANTS CHINO

LOEWEのフィッシャーマンはもともとデニムを持っていてこれは2本目。ブラウンはあまり自分のカラーパレットに無かった色だったけど、これを買ってから意外と合わせやすいと気づき今シーズンはやたら茶色を買った気がする。 

LOEWEはメゾンブランドの中でも大好きなブランド。LOEWEが好きというかデザイナーのジョナサン・アンダーソンが好き。アート、工芸に造詣が深く、それを洋服にリミックスする感覚も他のブランドよりも先鋭的。クラフトが根幹にあるブランドの技術を活かしながらデザインによりプロスペクティブに改革を行うジョナサンはデザイナーでありながら、理想的なリーダだなあと思う。

5.BOTTEGA VENETA PAPER NYLON BAG

ダニエル・リーにデザイナーが変わってからエレガントと抜け感のバランスが気に入っているボッテガ。イントレチャートの編み込みのざっくりさがポップで気に入り購入したペーパーナイロン素材のバッグ。海外のスナップでよく見るレザーのやつも良かったけど夏頃に買ったこともあって軽めの素材にした事が大正解。ヘビーな生地を着ることが多い冬になっても素材の変化を着けやすいから重宝している、むしろ去年はこれしかバッグは必要なかったくらい。タフで見た目の割にキャパもありいいお供になってくれた。

ボッテガは最近インスタの投稿を全部消したり、コレクションをwardrobe01という名前で発表し、切り替わりの早いファッション業界へアンチテーゼを示しているように思う。自分自身流行を意味するファッション、モードよりも最近はスタイルだったりワードローブのような考えで洋服と付き合うようになったように思う。いい服を長く。単純な言葉だけどこれがすごい難しい。高い服は長持ちするという言葉はまやかしで、高い服の方が繊細な素材を使っている分寿命は丁寧に扱わないと短くなる。少し扱いづらくて、手がかかる洋服と長く付き合っていきたい。

6.KIKO KOSTADINOV x ASICS GEL-Kiril

2018年からコラボがスタートしたキココスタディノフとアシックスとのコラボ。一番最初のシーズンのものが欲しかったけど抽選で外れて買えず、その後もピンと来るものが無い中、これはコレクションを見て絶対買おうと決めていた。スポーツブランドのロゴがデカデカと入ってるものはあまり好みじゃないけどハイテクなスニーカーを履きたいというハードルをやすやすと超えてくれた。日本が好きなキコらしく本来アシックスのロゴが入っているサイド部分には日本の市松模様が。ミニマルだけど、デザインが効いている所はワークウェアをアップデートするキコらしいなと思う。

キコとアシックスのコラボが先シーズンで終了のニュースがあった時はめちゃくちゃショックだったけど、どうやらコラボという形では無く、インハウスのデザインディレクターになるという事らしい。キコはデザイナーに珍しく彼自身もかなりのおしゃれでセンスがある。最近流行っている(流石にもう買えない)HOKAONEONEもキコが自分自身で履いており、ファーストコレクションで起用したことから火がついた。他にも、エルサ・ペレッティがデザインしたティファニーのボーンカフの昔のモデルを付けていたり。アウトプットと彼自身のスタイルがリンクしていて説得力のある所がKIKO KOSTADINOVというブランドの人気の理由な気がする。

7. SUICOKE x 2G HOTO-SCab BLACK

2020年一番足を運び、一番買ったと言っても過言ではないアートギャラリー・セレクトショップ・アートトイショップの機能を集結させた渋谷パルコにある2GとSUICOKEのコラボサンダル。夏でも長ズボンでスニーカーを履くのは流石に暑すぎてサンダルが欲しかったここ数年。カジュアルになり過ぎるのが嫌で二の足を踏み続けていた中で完全にハマるものが見つかって速攻買いに行き、毎日のように履いていた。サンダルの快適さがわかったら夏にクソ暑いスニーカーなんてもう履けない。今年もサンダルだけど気の抜け過ぎていないJUTTA NEUMANNやらF.LLI GIACOMETTIを狙おうかなーと思ったり。

2Gの話に戻り、ここの洋服のセレクトをしているのは大好きな小木 基史、通称ポギーさん。夏でもクラシックなつば広ハットとジャケットを身につけインナーはBULLSのジャージという真逆の物を良くもこう上手くミックスするなあという人。ポギーさんはまさにスタイルの人。モノとアイデンティティが強固に結びついている。即ち、変えていいモノと変えてはいけないモノもよく理解している。僕は服だったり髪型は割とコロコロ変えるけど香水だけは6年ぐらいCHANELのEGOISTplatinumしかつけてない。たまに浮気したくなるけどこれだけは変えない。この匂い=自分にしたいので。オシャレはシャレだとポギーさんが講演で言ってたのがすごい心に残っていて、このシャレが突飛なものになるかシャレになるかはスタイルがあるかに終始する気がする。

8.DANIEL ARSHAM x NEWERA CAP

先日UNIQLOとコラボしたと言えばおそらくピンとくる人も多いんじゃないかと思うアメリカの現代アーティスト、ダニエル・アーシャム。「Fictional Archeology」をテーマに1000年後の3020年の考古学者が現代のプロダクトを発掘したらというコンセプトで作品を作っている。最近ではUNIQLOもそうだし、DiorだったりPorscheともコラボして現代アートのメインストリームに駆け上がっているダニエル。

このキャップはイギリスのSelfridgesというデパート限定で発売されたlimitedなもの。ダニエルが好きな帆布の生地を使ったキャップは日光が当たる所が色あせてきていい味がでてきている。砂漠や化石を連想させるカラーリングと、風化を思わせる経年劣化の様相は彼の作風と上手くリンクしている気がする。アートが好きだからスタイリングのどこかに上手く差し込みたいのだが、夏はTシャツで簡単に拾えるが秋冬はなかなか難しい。そんな中ファッションとアートの境目にあるこのキャップは都合のいいアイテムだなぁと思う。

9.市松 シルバー3連リング(M)

エルメスのブレスレット、バングルとGabyのリングを買ってここ最近アクセサリー欲が無い中、これはと思って買った市松の3連リング。槌目模様が美しいこのリングはシルバー980、ほぼ純銀を刀を鍛えるようにハンマーで何度も打ち込むことで作られている。シルバーは金属としては柔らかく、通常シルバーと言うと925、つまり92.5%の純度で作ることが多い。それを根気強く手仕事で鍛えられたリングは輝きが別格。しかもリングはひとつずつオーダー。時間帯による人の手のむくみ方も計算した上でサイズ調整して貰えて、その丁寧な接客に感動した。オフラインで買う理由は結局ロケーションやセレクトではなく、人にあると思った。接客を担当して貰った方とはそれ以降良くして頂いていて新しく桐生に国の有形文化財に指定された洋館に手を加えてお店を作られたそうでいま1番行くのが楽しみなお店。

モノのクオリティの高さもそうだが、とにかく接客。ハイブランドの接客が霞むくらい人間らしく丁寧な接客を体感して欲しいなと思う。

10.Tory Leather BRIDLE LEATHER HOOF PICK BELT

夏は大体大きめのTシャツをタックインする事が多いからバックルにアクセントがあるベルト無いかなーと思って探していた矢先に見つけたこのベルト。トリーレザーというアメリカの馬具を作っている工場のファクトリーブランドで、アイコニックなこのバックルの方は馬の蹄に詰まった土を落とす道具の形から来ているそうで、昔エルメスも販売していたらしい。

フープに引っ掛ける機能と形態の合理性、太さ、タフなレザーどれをとっても完璧なこのベルトを超える物がなかなか見つからないが、最近JABETZ CLIFFというこれまたイギリスの馬具メーカーが出しているベルトが気になっている。かなりシンプルな見た目だが、トリーレザー同様ブライドルレザーで各穴のところにナンバリングがされている。思えばエルメスのバッグで同じようなナンバリングが持ち手の所にされている物を見たことがあるがこれも馬具に実際にあるディティールなのかな。

2021年買いたいモノ

最後に気になっているブランドやらモノやらを書いて締めたいと思う。ブランドで言うとpostelegantやnicenessが気になる。postelegantはデザイナーの方の出身が岐阜で使っている生地も尾州で織られている。上品で完成度の高いプロダクトで自分の生まれた所で作られた生地を使っていると言われるとつい欲しくなってしまう。レディースブランドだからサイズだけが心配ポイント。ナイスネスもかなりエレガントなプロダクトが多いけどその中にスポーツっぽい要素も入っていて肩肘張りすぎていない所がかなり気分にあっているかなと思う。他にもsoumo、kapital、kuon、nezu yohintenと気になるブランドは沢山あるけど長くなりすぎてしまったのでこの辺で留めておくことにします。

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