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145テーマ曲外注編b:ラフ第1稿から決定までの「リテイク工程」すべて見せます!【美しょゲを作ろう】

美少女ゲーム制作日誌、
#美しょゲを作ろう

作曲者からの許可もゲットしたので、ラフの第1稿から完成までの工程……すべてをお見せします!
(私が出した指示もほぼ全公開です)

※あ、あと今回から改行調整して、どうすれば読みやすくなるか試していきまする。

《第1稿が生まれた日》

仕様書渡すところまでは、前回の記事をご覧くださいまし。

仕様書を渡してから1ヶ月半くらい後の2月下旬、作曲者のGKからラフの第1稿が届きました。

最初に話をしたのが12月だから、思ってたよりも早く作業に入ってくれてます。ここのスケジュール感は相手の仕事量とタイミングによるので、今回は運も味方してくれたね。

そうしてやってきたラフがこちら↓

……めっちゃいいやんけ!
というのが初めて聴いた時の感想です。

外注していると「いや、そうじゃないんだよ……」と思うことに直面することもあるんだけど、あまりにもバッチリでテンション上がったね。

こうなったのも、依頼時に「企画でやりたいこと」「テーマ曲でやりたいこと」を通話で打ち合わせしたからという理由が大きかったりします。


やはり仕事において事前に認識が合っているかを確認するのは重要

しかしこの企画の外注で、音声通話を使って打ち合わせしたのは実は初だったりします。今回はGKの方から「通話で打ち合わせしよう!」と来たのでありがたい限りだね。

打ち合わせはこちらから働きかけるべきか迷うんだよね……企画や仕様見せても、全然違う認識しちゃう人もいるし。

チャットと通話の有意義な使い分けについては今後も考えていきたいところです。


《リテイクを出そう!》

っと、話がズレてしまった。
ラフの第1稿が来てからのお話を続けましょう。

ほとんどリテイクすることないなと感じつつ、
仕様書を見ながら何度か聴き込みました。
(自分がどんな仕様にしたか忘れてるので)

そこで思ったのは「もうちょいAメロを暗くしたいな」というもの。作品ジャンルが悲恋ということもあり、グッと悲しみを見せないと雰囲気がズレるように感じたんだ。

そこだけ調整してもらおうと思い、私が送ったチャットがこちら!

あー死ぬほどいい。アニソン感もしっかりあって、最高っす!
調整してほしい点は1つだけで、後は問題ないです!

■Aメロの前半に「もう会えない」という位の悲しみ、暗さが欲しい

ゲーム上だとヒロインとお別れした後に流れるので、Aメロはもっと暗くしてエンド後の余韻に繋げたいなと。
メロの音数も少し減らして、悲しさを噛み締める感じに出来ればと思ったんだけど、作曲側としてはどうだろう?

※なおイントロは憧憬な感じがあり、間奏部分もストリングスがいい味出してるので問題ないかなと思います!

リテイクの基本は褒めです。おだてるのではなく心の底から感情込めて言えるものを伝えるようにしてます。

なお友人ということもあり口調は死ぬほどくずしてます。普通はもうちょい敬語織り混ぜながら指示出しをしてるかな。

しかしニュアンスをしっかり理解したいGKからの提案で、通話でリテイクに関して軽く打ち合わせすることに。こういう判断は非常に助かるし、参考にしたいムーヴだ。


《第2稿から微調整のリテイクへ》

方向性の相談をしてから調整してもらって……

この第2稿がやってきました。

雰囲気はイメージ通りで合ってたんだけど、肝心の「暗さ・悲しさ」がしっかり見えてこない。なので自分なりの提案を交えながら再リテイクを出します。

ここも自分の返信をガッツリ見せちゃおう。

お早い対応ありがたい!
コードとか変わったお陰で、雰囲気はイメージに近づいた!

でもせやなあ、「悲しみ」までは見えないように感じちゃったかも。
悲しみより、美しさみたいなイメージを受けてます。

対策としてありそうなのは……
間奏の終わりが良い感じにフレーズ降りてきてるので、Aメロの頭はその流れでピアノを低い音から入るとか?
あとやっぱりメロの軽快さが明るい雰囲気を作っちゃってるような気もします。(Aメロ前半だけ長音気味にするとか)

コードは今みたいな雰囲気で良さげな気がするので、明るさを削る方向で舵を切ってもらいたい!
(音楽の言語化難しすぎる)

創作って意外と細かい部分が重要になってくるから、割とこういう微調整のリテイクがあるんだよね。

こういう時にしっかり楽しくコミュニケーションを取れるかが重要になるので、やり取りが始まった時には「なるべく明るく、気楽に話せるように」を心掛けておきたいね!


そうして再調整をしてもらって……

こちらの第3稿が届きました。
ここから調整部分の前後だけ切り抜いてくれてるので、確認が楽になってありがたい。

「暗さ・悲しさ」は遂にイメージ通りに! しかし調整をしていくと、必ずと言っていいほどに他部分の調整が必要になってくるんだよね……

シナリオもそうだけど、どこかを変えたら別のどこかに影響が出ちゃうものなんです。


今回は「前奏→Aメロ」という繋ぎが唐突に感じたので、そこだけ最後に決めておきたいと考えました。

深夜テンションすぎる私の返信がこちら。

暗さ丁度いいっす!(あと切り抜いてくれてありがとう)
雰囲気とかも超良くて、Aメロ後半への変化がかなり効果的になってる気がする。

ただあれですな。変化具合がでかいから、間奏の終わりにキッカケが
欲しい(途中で送信してしまったごめんなさい)
Aメロの唐突感を「Aメロへのキッカケ(予兆)」か「Aメロ冒頭を滑らかに繋ぐ」かで調和したら完璧な気がする。
それ以外は雰囲気バッチリで最高なので、最後にこの調整をお願いできれば。何度もリテイクさせてすまぬ……

途中で間違って普通にエンターを押してしまい、3回もメッセージを送ってしまった……

誤送信によってやや冷静さを取り戻し、謝罪しながらリテイク。同じ箇所はなるべく少ない調整回数にしたいところだから、もっとディレクション技術を向上せねば


《遂にラフ完成へ……》

そしてやってきた最終稿より一個手前。

ここでビシッとハマった。
これなら行けると大枠は決まりつつも、もう一歩自然さを作り込みたい。

そう思った私は、アイデアが1つあったので実例を用いつつ最後の調整を行いました。

これだわ、これが俺たちの正解……

あ、Aメロ頭でストリングスを薄く長く伸ばして余韻出してほしいっす。
クラムボンのyetみたいな感じで。

多分それでリテイク終わり!

方向性がバッチリ決まったのもあり、お互いにノリノリでチャットをしています。

そうして遂に……

こちらのラフが完成しました。
第1稿から2日の間の出来事です。


《今日のまとめ》

普通は見られないリテイク作業の裏側はこんな感じになっております。

信頼関係があるとスムーズに進んでヨシ!
まだ構築出来てない場合は、他愛のない話とかも挟んで人となりを知っていくのも重要かな。

ただお互いに歩み寄ることが必要なので、依頼する側も受ける側も「楽しく良い仕事をしよう」と考えて進められると嬉しいね。

という所で、テーマ曲編は一旦終わり!
また進捗があったら記事にします~

次回は再びシナリオ編に戻って、新たなバッドエンドを書いていこう。

では、また次回お会いしましょう。

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恒石涼平@ゲームシナリオライター
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