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無様な恰好でもとにかく走りださなければならないときは今かな ~黒田官兵衛~
完璧主義というんでしょうね。
武将の逸話を取り上げるnoteを始めようとしたんですが、ちゃんとしたものを書かねばならない。ちゃんと準備してから書かなければならない。
いつものように考えすぎて始められませんでした。
草履、片々 木履、片々
ふと、この言葉が思い浮かびました。
黒田如水(大河ドラマ『軍師官兵衛』でV6岡田くんが演じていたので黒田官兵衛という呼び名が有名かもしれません)が晩年、息子の長政に語ったとされる話にでてくる言葉です。
準備が万全でなく、たとえ片方が草履、もう片方が木履(下駄)という無様な恰好でも人は戦わなければならないときがある。走りださなければならないときがある。
織田信長が家臣 明智光秀に討たれた本能寺の変が起きた時、官兵衛は羽柴秀吉の配下として備中高松城(岡山県)を水攻めで囲み毛利軍と対峙していました。
変の知らせが届き動揺する秀吉。このままでは毛利と明智に挟まれかねない状況です。この状況で官兵衛は秀吉に向かって、信長の跡を継いで天下を取るチャンスが巡ってきたのだと冷静に話したという逸話が残っています。
まさにこの時、官兵衛にとっても秀吉にとっても、迷っている時間はない。とにかく動き出せというときだったんでしょうね。
官兵衛の言葉で我を取り戻した秀吉はここから大急ぎで毛利と和議を結びます。草履と下駄だったかどうかはわかりませんが、秀吉軍はとにかく走りに走ります。中国大返しといわれる驚異的なスピードで駆け戻り、山崎の戦いで光秀を討った秀吉はここから天下人への階段を一気に登っていきます。
草履、片々 木履、片々…とにかく書けと軍師官兵衛に背中を押されたような気がして書いてみました。