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小学校の休校はいつまで続くのか〜今、小1の親として想うこと〜

先日、Twitterで現在自宅で子供を保育している保護者向けに以下のようなアンケートを取ったところ、思いの外回答数が伸びたので、これについて考えたことを残しておきたいと思います。

今、保護者が感じていること・望んでいること

終わりの見えないコロナウィルスの猛威。
そして休校・休園による終わりの見えない自宅保育。
我が家も新小1になる娘と年中の息子がおり、「いつまで続くの?この状況…」と思わない日はないです。

そんな自分の予想通り「休校・休園により1学期はなくなる」と考えている保護者が過半数でした。
それ以上と回答した人を含めると回答者の92%はこの状況が長期化することを覚悟しています。
政府の緊急事態宣言は期限は5/6のGWいっぱいとなっていますが、まず間違いなく延長されるでしょう。

そこで先が見えない中で保護者の皆さんが望んでいることは何なのか?というアンケートも併せて実施しました。

「代替手段の早期整備」が過半数でしたが、他の選択肢にもある程度票数が入っています。
今は非常事態ということで国民全体が”気が張って”いますが、徐々に先行きの見えない状況が保護者や子供のメンタルや自宅での養育環境に影響を及ぼすと僕は考えています。
代替手段の整備も急がれますが、長引くなら長引くで心身や物資の面でのケアが重要になってくるだろうということは行政の皆さんには改めて伝えておきたいです。

子育てとーさんさんのツイート。
ソフト面のケアは経済対策のように一律配れば良いものでもないですね。
必要性・緊急度に差が出るので、問題視されにくく先送りにされてしまいそうで懸念しています。

「休校・休園」とともに喪われているもの

この休校・休園の期間、僕は自宅でリモートワークしながら子供を見ています。
もちろん子供と四六時中一緒というのは育休以来なので楽しくもあるが、正直なところ「喪われている」ものへの不安の方が大きいです。

僕が喪われていると感じるものは大きく3つあります。

1つ目はこの期間に子供たちが身につけるはずだった「知識」。
教育のプロ(教師・幼稚園教諭・保育士等)による授業なしに”自宅学習”のみで身に付けられる知識には限界があるでしょう。
それに加え、多くの「知識」がより基礎的な知識の上に積み重なって身に付くであろうことを考えると授業から長く離れることで、前年度までに身に付けた知識が薄れてしまうことは授業再開後にも長く尾を引く問題になると思っています。
おそらくコロナ休校による学力への影響は新小1に留まらず、それ以上の学年でも現れるのではないでしょうか。

2つ目は子供たちの「情操面での成長」。
親元に、それもSTAY HOMEの状態で長くいることは間違いなく子供たちの世界を狭めてしまいます。
結果、特に他者とのコミュニケーションの面で、親以外の大人(教師や保育士)との関係が希薄になることや、集団での生活で得る「ルールを守る」などの道徳的な成長が遅くなってしまうのではないかと懸念しています。

どれだけ親が教師の代わりになって知識を教え、ルールを守らせても、それは学校など「社会」で得られる経験とはやはり違うものだと思います。
親は教師でも保育士でもありません(たとえ職業が教師であってもその子供からすれば、「先生」ではなく「パパ」「ママ」です)。

ぐでちちさんのツイート。

親は先生の代わりにはなれないし、なる必要もない、なってはいけない

本当にその通りだと思います。

3つ目は自宅で保育しながら働いている保護者の仕事のパフォーマンスです。
これは本筋と関係ないので軽くにしますが、自宅で子供を見ながらいつも通りのパフォーマンスを出すのは不可能です
大事なのでもう一度書きますが、「自宅で」「子供を見ながら」「いつも通りのパフォーマンスを出す」のは不可能です!
各企業の管理職の皆さんはこれを肝に銘じて部下の管理にあたってください。
なお、介護でも同じだと思います。デイサービスが使えず、自宅介護になっているケースは影響が出ていると思います。


とにかく今はSTAY HOME…と「喪失」へのケアの準備を!

とはいえ、現状ではSTAY HOMEが最も優先されるのは間違いありません。
命あっての物種です。
でも、子供の成長に関しては落ち着いてから「さぁ、じゃあどんな影響が出たか考えてケアしていきましょうかね。」じゃ遅すぎると思うんです。

既に1ヶ月が喪われましたが、大人の1ヶ月と子供の1ヶ月はその個人に与える影響を考えると全く違います。
大人なら「たかが1ヶ月」で済むことも子供にとっては「取り返せない1ヶ月」になるかもしれません
自分の子供たちを見ていても入学・進級したという自覚は皆無ですし、知識面での上積みも正しくできているのか怪しいです。

これが2ヶ月、3ヶ月と延び延びになってしまえば、もはや1年では取り戻せないくらいの喪失になってしまうのではないでしょうか。

だから行政にはウィズコロナの今、オンライン教育などの代替手段を用意するだけでなく、アフターコロナを考えてその時が来たらすぐに動けるようにしておいて欲しいのです。

保護者の不安は現在だけでなく、未来に対しての不安もあるのだと知って欲しい。
そしてそこに正しい対策を打って欲しいです。

なぜ経済ばかり?教育への優先順位が低くないか

そうした「対策」について考えた時、毎日毎日「10万円給付」や「中小企業への支援策」の話ばかりが話題に上がりますが、子供たちへの「対策」がほとんど聞こえていないことに僕は怒りすら感じています。

極論、「生活」「経済」に関しては個々人でどれだけの準備をしてきたか?といういわゆる「自己責任論」を持ち出すこともできると思いますが、「教育を受ける機会を喪った子供たちには何ら「自己責任」はありません

子供たちは弱者であり、圧倒的に被害者です。
なのにいまだに目に見えて効果のありそうな対策は打ち出されず、その被害をどれだけ小さく食い止められるかは自宅で教育する環境を整える保護者にかかっているような状態です。

教育に関しては文科省が「子供の学び応援サイト」で情報を発信してくれていますが、その実施については各家庭に任せられており、十分とは言えないと思います。

僕自身は子供たちに「NHK for School」のアプリで生活科や道徳の番組を見せ、
チャレンジ1年生」で国語や算数の知識を身につけさせ、
思考のトレーニングとして「Wonder Box」をやらせるなど対策をとっています。

ただ、それは僕が幸いにもタブレットを用意したり通信教育にお金をかけられたり、そうした情報を集められるリテラシーを持っているからできることであり、全ての子供がウチの子供たちと同じ環境を用意できるわけではありません(逆にもっと良い環境にいる子供たちもいるでしょう)。

そこには「格差」が生まれ、休校期間が長引けば長引くほどその「格差」はどんどん広がります。
それは間違いなく良いことではないでしょう。

日本の政治・行政の動きが遅いことはもう慣れっこ(今や地方自治体の方が機動的に対策を打っているような状況ですね)ですが、そのしわ寄せが子供に向かっている現状には次の選挙でNOを突きつけなければならないと僕は心に誓っています。

最後に〜実はおもしろくなるかも知れないコロナ世代〜

これは割と希望的な観測として考えていることなのですが、この4月に環境が変わるはずだった世代はそれが先送りになって「モラトリアム」を得ました。
この期間に例えば自分の興味のあること(ウチの娘は歌うこととお絵かきに一心不乱に取り組んでます)に徹底的に打ち込む経験をすることで、すごく多様でおもしろい世代になるんじゃないかなーと少し期待しています。
それを考えれば、この休校・休園期間も悪いことだけじゃないと思えます。

とにかく今はSTAY HOME。
僕らは親としてもビジネスパーソンとしても、やれることをやるしかない。

以上

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