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財団の助成に落ちました。NPOで生きるって難しい。

※今回の記事はほとんどただの愚痴です。あらかじめご了承ください。

こんにちは。
子ども向けのキャリア教育をやっております、(非営利型)一般社団法人Nancyの住田です。

かれこれ5年間、「ぎふマーブルタウン」という失敗と挑戦が許容された仮想都市で小学生の主体性・協調性・創造性を育む事業をやっております。

ぎふマーブルタウン2018新年原本-2

年に3回やっているのですが、昨年2月24日の「ぎふマーブルタウン2020春」中止から早1年。どうしても密が生まれるイベントなので、結局1回も開催できていません。

子どもが主体的に仮想の街を創っていくイベントは通称「こどものまち」と呼ばれていて、多くはドイツの「ミニ・ミュンヘン」を参考にした取り組み。

日本には名前だけで見ると300もの「こどものまち」があるそうですが、そのうち8〜9割は存続されずに終わってしまったと言われています。


ほとんどの「こどものまち」は参加費無料で行われており、僕たちの「ぎふマーブルタウン」も無償提供です。

理由をよく聞かれるのですが、例え100円でも参加費を取ると子どもたちは親にお伺いを立てる必要が出ます。

「子どもの主体性を伸ばしたいイベントなのに、子どもの意志だけで参加できない。」となると矛盾を感じてしまうため僕たちは無償にしていますね。(もちろん有償で提供している「こどものまち」もありますし、それがダメと言うつもりは全くありません。一番大事なのは継続することだと思いますし。)

で、参加費を無償にしながらどう事業を継続していこう?と考えたときに、僕は「どういう手段を取るにしてもまず実績がないと話にならない」と考えて突き進んできました。

ぎふマーブルタウン参加者数.001

結果として、多いときには1日(5時間のイベント)で791名の小学生が参加してくれるように。

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そして国(経済産業省)から「キャリア教育アワード」という表彰をいただくまでにも。

でも僕は心のどこかで「実績を積んでいけば自然と支援が集まるようになる」と思っていました。それは勘違いでした。

「やることを頑張っていればそれを見ている誰かが助けてくれる」なんていうのはただの甘えで。助けてほしいなら声を上げないといけないし、願いは自分から動いて掴みにいかないといけない。

僕は、「日本の子どもたちが諸外国で最も将来に夢や希望を持てず失敗を恐れて挑戦できない」状況を変えていきたい。それに集中したい。


そのためには最低限、自分一人が生きていける収入だけでも集められるようにならないといけません。給料には社会保険料がかかってくるので、自分1人を雇用して事業に集中できるようにするだけでも年間300万円ほどかかります。

だからこそマンスリーサポーターを始めとして様々な道を模索して動いてきました。

これまで20万円規模の助成金は申請を出したことはあったのですが、人件費もOKの助成金は出したことがなくて、いろいろな縁をいただいて今回初めて出しました。(だからこそ余計に、不採択になってしまった不甲斐なさやら申し訳なさやらがつらい、、)

参加費を無償でやっている「こどものまち」の多くは、行政委託や補助金・助成金によって運営されているのですが、補助金や助成金って3年ぐらいで切れることが多いです。

前述した「『こどものまち』の8〜9割はもう残っていない」というのは、実は補助金や助成金が切れるタイミングで終わってしまうものが多いそうです。

おそらく数百万円かけて企画・運営していたのが資金ゼロになり、どうにもならなくなったのかなと想像しています。水準を一度上げてしまうと下げづらいですからね。。

だからこそ僕たちは、補助金や助成金に頼らず運営できるように事業にかかるお金を最大限まで切り詰めて運営してきました。

例えば会場は(本当にありがたいことに)7階建ての「ドリームシアター岐阜」さんが共催を結ぶことで無償で提供してくださっています。

チラシは普通のコピー用紙に2色刷りでやっています。

月1MTGに参加してくださるコアスタッフや当日ボランティアさん、保護者向けコンテンツを提供してくださる講師の皆様に、交通費や昼食代を出せたこともありません。(本当に申し訳なく感じています)

そして今回、人件費もOKな助成金の申請結果が届きました。不採択でした。

「事業自体にはものすごく共感しました。でも人件費の割合が大きかったため不採択」だそうです。

人件費の割合を下げるということは、事業自体にかかる予算を増やすということです。

大きくて豪華な会場を有料で借りれば良かったんでしょうか?

質の良い印刷紙にフルカラーで豪華なチラシを作れば良かったんでしょうか?

100人を超えるボランティアスタッフさんに交通費を出せば良かったんでしょうか?

そんなにも多額の予算で運営したら、助成が終了した後もその水準を保つためのファンドレイジングをするハードルはものすごく上がってしまいます。

これはファンドレイジングに精通する知人に聞いた話ですが「え、こんなよく分からん事業に5,000万も助成が出てるの??」と思うものも世の中には多くあるそうです。(今回出した財団さんの助成とは関係ない話です)

僕たちにもし5,000万円があれば、ファンドレイジングの活動を全くしなくても10数年間は運営し続けられます。
そして10数年間もあれば流石に、年間300万円程度の収入を安定的に集められるようになる可能性は高いでしょう。

持続性を考えて事業費をギリギリに抑えたら助成が出なくて、持続性とか考えずにたっぷり事業費を使う事業には助成が出るとしたら、世の中ってよく分からないもんですね。

こういう記事を書くと「参加費取ればいいのに」とか「収益事業すればいいのに」とか言われるんですけど、最初から収益事業にするつもりだったなら最初から株式で立ち上げています。(とはいえ収益事業も立ち上げているところではありますが)

「就職すれば?」と言われることも多いんですけど、1度しかない人生を後悔しないためにもやっぱり自分の実現したい世界に集中したいんです。(Nancyの立ち上げ初年度は大学の研究と被っていたんですが、恐ろしいぐらい動けなかったので、就職しながらだとNancyを発展させていくのは難しいと思ってます)

長々と愚痴ってしまいましたが、NPOで生きていくってとても難しいですね。


それでも。

自分が実現したい世界のために、懲りずにどんどん試せることは試していきたいと思います。では。

住田涼

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https://drive.google.com/file/d/1HlllvHsRrXSBj7oQR-GzyQI2FSl81Kte/view?usp=sharing

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