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「大事なこと」だから何回も言う。

「大事なことだから1回しか言わないよ!」


人に何かを教えるとき、リーダーが部下に何かを伝えるとき、こういったフレーズを耳にする。

恐らく「1回しか言わない」ということで、その1回に集中させてちゃんと聞かせるという意味を持つんだと思う。そういった用途であれば「大事なことだから1回しか言わない」作戦は全然ありだと思う。


でも個人的な意見としては「大事なことこそ何度も言いたい」と思っている。

何度も何度も。丁寧に。

大事なことってきっと自分が伝えたいことだ。
伝えたいということは、正しい解釈で伝わってほしいということでもあると思う。

そんなに大事なことが、たった1度伝えただけで自分の想い通り相手に伝わっていたとしたら、それは自分がよっぽど説明が上手なのか、もしくは相手がよっぽど優秀な受け取り師なのか、だ。


私たちは人に何かを教えて、それを相手が忘れてしまったとき、ついつい口にしてしまうフレーズがある。

「前も言ったよね」

確かに一度教えたはずのことを、正しく相手が理解できていなかったらそのフレーズが出てくるのはわかる。そして恐らくこの後に続くフレーズは、

「だからちゃんと聞いておいてって言ったよね」
「メモしておいた方がいいって言ったよね」

と続く気がする。

このフレーズの連鎖は至極当然だと思っている。何も間違っていない。

だけどきっと相手も前も言われたということは覚えている。実際にメモもしてあったかもしれない。それでもわからないことってある。

「前も言ったよね」で相手を突き放すことは、何の解決にもつながらない。

そもそもよく考えてみたい。

”自分の伝え方にダメだったところはなかったのか”

ちゃんと聞けなかった/理解していなかった相手にも非があるかもしれないが、じゃあ自分はちゃんと伝えられていたのかということにも目を向けたい。もしちゃんと伝えられていたとしても、じゃあもっと上手く伝えられなかったのか/わかりやすく伝えられなかったのかに目を向けたい。

もしくはどうすれば一度聞いた話を理解することが出来るか、その方法を伝えてあげたい。もしかしたら相手は受け取り方が上手くないだけかもしれない。受け取る方法を知らないだけかもしれない。



きっと「前も言ったよね」とプレッシャーを掛けるだけでは、同じことをまた繰り返す。

そしていずれ聞き返すことが怖くなって、知ったかぶりをして、取り返しのつかないことになってしまいかねない。


そこまでのスケールの話じゃないんだけど、普段の就労支援の現場でも似たような境遇って多々ある。

昨日教えたはずのことがすっかり忘れている、メモをとったはずのことが実行できない。

これに対して「理解できないあなたが悪い」と突き放すのは簡単だし、楽だが、そんなのもってのほかだ。むしろきっと本人たちもそういった部分に課題があることはわかっている。わかっているけど、そうなってしまう。だから苦しんでいる。

我々がそこを見放したら誰がそこに気づきを与えることが出来るのか。
だからこそ真摯に向き合っている。

真摯に向き合うということは「甘やかす」ということとも違う
ちゃんと「昨日も言いましたが、、」という事実を伝える。事実を伝える中で「どの部分がわからないですか」とヒアリングをする。「次はこうやって覚えてみますか」と提案をする

そしてそれをとにかく繰り返す。
繰り返しながら、昨日より出来ている部分に対しては積極的に承認を行う。

そうやって一緒に壁を乗り越えていく。
自分の中での「今」の正解はこれだ。


わからない、もっと知識がついて経験が増してきたら、さらに違うアプローチが出来るのかもしれない。

でも今の自分が出来ることで、自分にしか出来ないことはそうやって一緒になって乗り越えていくことだと思っている。

絶対に独りにはさせない、って。


なんか冒頭の話から逸れてしまった。

要は、大事なことは何度も何度も繰り返して言いたい。言葉を変えて。伝えたい想いは変えないで

きっとnoteやTwitterでも、「またこのこと言ってるよ」と思うこともあるかもしれない。そんなときは温かく見守ってほしい(笑)



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塩浦良太
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