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学びの相互関係
今日、移行支援での訓練の1つで「価値観リスト」というものを使った。
「価値観リスト」、調べると1年前ほどメンタリストのDaiGoさんが紹介していたものらしく、
「自己分析にうってつけじゃん!」
と思い取り入れた。
流れとしてはまず80ある価値観の中から、自分が共感できるものをいくつか選んでもらう。その中で特に大事だと思うものを3つ選んでもらって、最終的にどうしてその3つを選んだのか理由を書いてもらう。そしてそれをペアになって発表しあってもらう。
私がイメージした目的として3つ。
1つは、自分自身と向き合ってほしいということ。
価値観はいわば「自分が大切にしているもの」。自分と向き合うことができないと相手の気持ちを考えることはさらに難しい。何より自己分析の最初のステップだ。
2つ目は、自分が大切にしているものを自分の言葉で説明できるようになってほしいということ。
自分でわかっていても、それが相手に伝わらなかったら溝が生まれる。自分の思いを、自分の言葉で語れるって社会に出ていくうえで欠かせない力だと思っている。自戒も込めて。
そして3つ目は、相手が大切にしている価値観も知るということ。
きっと3種類誰かと全く同じ価値観を選ぶケースってなかなかないと思う。80種類の価値観があればなおさら。100歩譲って同じだったとしても、それを選んだ理由まで一言一句同じなことってきっとない。社会に出ると自分とは違う価値観の人であふれている。それに100%共感する必要はないと思っているが、「自分とは違うことを大切にしている人がいる」ということを知ってほしい思いもあった。
だからこれを集団プログラムとして取り入れたのだが、正直なところ最初は不安もあった。
利用者さん方の現状の能力は様々だ。
もちろんこの訓練が簡単な人もいれば、まず文章の意味を理解することが難しい人、それを文章にして書き起こすことが難しい人などなど。
一斉に「はい、どうぞ!」とやって成立するか。。。
だけどその心配は杞憂だった。
もちろん頭を抱えながら取り組んでいる方もいる。支援員のサポートを受けながら取り組んでいる方もいる。意図を理解して取り組んでいる方もいる。
ただ総じて言えることは、全員一生懸命目の前の課題に取り組んで、文章を作成しようとしてくれていた。
その姿を見てハッとした。
「あ、、、これまで自分たちの勝手な解釈で、一人一人の方の可能性の芽を摘んでいなかっただろうか」
と。
「この方にはまだこれは難しいだろう」「大変なんじゃないだろうか」などなど。だけどそれらはこっちの勝手な解釈であるということも忘れちゃいけない。
自分で自分を守るわけじゃないが、解釈だってそれなりの根拠を持ったうえでの解釈だ。だがそれが事実であるとは限らない。やっぱり事実はやってみないとわからない。
やってみて、それが本当に難しかったら「あ、これはまだ難しいんだな」とわかるし、本人も気づくだろうし、もしかしたら「これはまだ難しいけど、ここまでならできる!」という発見があるかもしれないし。
そういった意味で解釈、仮説はもちろん大切だけど、そこで満足せずにしっかり検証までやらんとな、と思った今日この頃。そして何より皆さんの取り組みに心打たれた今日この頃である。
名目上「支援」をする側でありながら、同じくらい皆さんから学ぶことがあるこの仕事。
とても面白いし、成長できる環境だなと改めて思った。
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