何事もない、って特別
何か問題が起こったとき、ピンチになったとき、
その問題を対処した人はヒーローとなる。
ヒーローは、大小はあれど脚光を浴びる。
そんなヒーローはすごくカッコいい。憧れの的だ。
そんなヒーローになれるに越したことはない。
だけどそんな場面は滅多にこない。
でも正直言えばピンチなんてやってこない方がいい。
世の中にはピンチにならないようにするために、
いろんなものを守っている人がいる。
問題が起こらないように、整えている人がいる。
問題が大きくなる前に、解決をしている人たちがいる。
これってめちゃくちゃ大事なことだ。
だけどこういうのって脚光は浴びにくい。
なぜなら「当たり前」のことだから。
公共交通機関が時間通りに来るのは日本では当たり前になっているし、落し物が交番だったり近くの施設に届けられたりすることが多いのも当たり前になっている。道路に点字ブロックがあるのだって当たり前だ。
他にも巷には当たり前がいっぱいある。
だけどそれらは日本を離れればたちまち当たり前じゃなくなるものだったりもする。違いを感じて初めて「当たり前」が特別であることを知る。
今で言うと、日本は災害大国である。
特に地震に関しては今年に入ってから数多くの大きな地震が日本各地で発生している。地震が起こったとき、災害ボランティアとして活躍されている方たちの動きはとても素敵だ。その方のおかげで救われる人がいる。
実際私も子供の頃、新潟で2度の大きな地震を経験したが、炊き出しをしてくれる自衛隊の方やボランティアの方から支給される物品の数々によって救われたことは言うまでもない。
と同時に、災害が起きても家が崩れないように耐震構造を考えてくれている人がいる。電気ガスが止まっても食に困らないようにするために、非常食を考え、つくってくれている人がいる。
こういった「何かが起きないように」活躍してくれている方がたくさんたくさんいる。
そう考えた時、当たり前なんてないんだなということを強く思う。
何事もないってすごく特別なことなんだなとも強く思う。
何の変哲もない日常に、退屈さを感じる日もあるかもしれない。
でもそれって自分の捉え方次第で。
そんなことを考えられるくらい余裕があるのも恵まれていることなんだなって。そう思うと日常のいろんなものやいろんな出来事がキラキラして見えてくる気がするんだよなぁ。
何事もないことに、特別さを感じていきたい。