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「話してくれてありがとう」

「話してくれてありがとう」


何かを相談してくれた相手には、
いつしか最初にそう伝えるようになっていた。

自分がそれを言われて、すごく気持ちが楽になった経験があるから。


人に相談をすることが苦手な子供だった。
人に弱さを見せるのが苦手な子供だった。

それは強い自分でいたいからなのか、
可哀そうと思われたくないからなのか、
相談してもきっと解決しないというあきらめなのか、

なんというかプライドとか、
ひねくれたかいろいろが混じり合ってた気がする。

自分の感覚的に一番あてはまるのは、

「自分の悩みに誰かを巻き込むのは申し訳ない」
+
「強がることで正気を保っていた」

のミックスだと思う。

自分のこのネガティブな感情やよくない環境を巻き込むことで、
大切な友達たちに迷惑をかけるんじゃないか、
余計なことを考えさせてしまうんじゃないかって。

それに何とか「弱さ」が溢れないように蓋をして強がっているのに、
その蓋を一度でも開けてしまったらもうダダ洩れになってしまうんじゃないかって。

そんな自分が初めて人に「相談」というものができたのは大学時代。
これは何度も記事にしているものだ。

話の途中で横やりを入れることなく、電話越しで「うんうん」と話を聞いてくれて、悩みを打ち明けた自分の言葉を肯定するわけでも否定するわけでもなく、

「もっと自分のために生きていいんだよ」

と言ってくれた。そんなことを記事には書いている。

だけど記事には書いていなかった、もう1つ言われて救われた言葉があった。それが、タイトルにもあるように

「話してくれてありがとう」

という言葉。

すべてを打ち明けたあと、最初にそう言ってくれた。
こっちが悩みを打ち明けたのに、「ありがとう」って。

それだけでもすっごく楽になったのを覚えてる。

「ありがとう」はすごく温かい。
すごく包まれた感じがする。

自分もかつてそうやって包まれたように、
誰かが悩みを打ち明けてくれた時、包んであげたいなって。


そういう想いがあって今に至る。

自分の弱さを誰かに話すって、
すごい勇気のいることだ。

だから伝えたい。

「話してくれてありがとう」

と。


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塩浦良太
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