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「面白さ」より「面白味」

最近読んでいる小説がある。

いつかすべて読み終わったらご紹介したいのだが、ずっと気になっていた本だった。なかなか本屋で見つけられなかったから、しびれを切らしてkindleで買った。

その小説のある一節が印象に残った。それが、

「面白さより面白味が生活には大事なんだと思います。」

たまにフレーズに一目惚れすることってあるんだけど、このフレーズにも一目惚れした。すごく腑に落ちるセリフ。

そんなフレーズの後ろには、以下のように続く。

「嚙んで味が染みて来るかどうか、ずっと口に入れていたいな、溶けないでいてほしいな、って食べ物あるじゃないですか。ラムネとか、ホルモンとか。面白さは、綺麗な瞬間を 絢爛 に見せてくれる花火のようなもので、面白味は、ずっと口の中にいてくれるような、秘密にしながら舌で転がしていたいなと思わせるようなものな気がしてます。」

なんてオシャレな文章なんだろう。

それでいて映像がはっきりと浮かぶ。確かにな、と思う。

「人としての魅力」と考えた時、我々はついつい”面白さ”の方に目がいく。これは個人の見解だが、面白さって”爆発力”だと思う。瞬間的な最大エネルギーは他をも寄せ付けない。外から見てもわかりやすい。

絶対面白さってあった方が良くて、一発で空気をかえることが出来るし、周囲を惹きつける力がある。私も”面白さ”に憧れる。だけど自分の性格上、そこが得意な分野かというとそうじゃないと思っていて。むしろ苦手で。

だけど”面白さ”を持ちたいから葛藤があって。そこのやるせなさみたいなものはずっとあった。

そんな中で、今回の本で”面白味”という視点を知った。

「これだ」

すぐにそう思った。

自分の特徴を出すのって瞬間的な爆発力よりも、気づいたら虜になっている、させている、継続力だったり方向修正力だったりじゃないかって分析している。

自分って結局やると決めたことを継続することしか取り柄がなくて。
でも継続していく中でついてきてくれている人たちは絶対に後悔させたくないという想いは持っていて。

自分という人間を少しずつ知っていく中で、興味を持ってもらえる。そのためには中身の充実度が大事になってくるのを理解しているから、その中身にこだわる。言語化にこだわる。

そんな自分のスタイルを最初は”面白さ”を生み出すのが苦手だからたどり着いたやり方だと思っていたけど、それは”面白味”を生み出す列記としたやり方だったとなんだか肯定されている気分だった。



「噛めば噛むほど味が出る」

そんな面白味に溢れた人間を目指したい。

なんなら見た瞬間から口にしたくなる、食べた瞬間の爆発力もすごい”面白さ”も持ち合わせたい。

だって僕は贅沢だから。





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塩浦良太
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