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【子育て】児童虐待は本当に増えているのか、について

先日、私が所属するゼミで「卒業論文」の構想発表があった。
私は「子育て支援」について書こうとしているのだが、そこへの接続のための問題意識として「児童虐待相談対応件数の増加」というものをあげた。

上記の厚生労働省が調査したものによると、年々相談件数は増えていることが見てとれた。

この「児童虐待相談対応件数の増加」という書き方について先生は「必ずしもそういえるとは限らないのではないか」と言っていた。

先生が言うに、数値としては増えているのかもしれない。ただニュースでも取り上げられるようになり、児童相談所に相談することへのハードルが低くなったのではないか。昔も、問題になっていないだけで児童虐待はあったかもしれない、と。

ものすごく腑に落ちた。実際体罰問題に関しても同様のことが言えると思う。

昔は厳しい指導、今でいう「体罰」が当たり前だった。強豪校の練習なんかは特に今やったら必ず問題になる。その一方で、今は些細なことですぐ問題になる。

かつてあった、先生と生徒の暗黙の了解(これが良いのか悪いのかはわからないが)がなくなり、何かあるとすぐニュースになる時代になっている。

虐待問題に話を戻そう。
こんな記事を見つけた。

ここでは児童虐待相談対応件数から原因をまとめている。


➤児童虐待防止法の制定により、虐待の範囲が拡大
虐待児童数が増えているのに、児童死亡数が現状しているのことに注目してある。そこでは、児童虐待防止法の制定によって、虐待の範囲が大幅に拡大され、警察が虐待の捜査や検挙に積極的に取り組むようになった。そのことが死亡事件以外の虐待検挙人員や被害児童を大幅に増やしたとしている。

数値と資料を見る限り、虐待死の範囲をこれほど広げても、死亡児童数が増えているわけではない。むしろ、減少傾向にある。虐待は増加・深刻化しているどころか、死に至らしめるような虐待は、きわめて少なくなっている。

私たちはニュースで見る悲惨さから現状を悲観的に捉え、虐待を行った親に対するバッシングの声というものが大きくなっている。

自分自身の持つ「正義」を考えるとすれば、もしかしたらバッシングをしてしまうのかもしれない。ただバッシングばから増えてしまうと、周りの目というものが気になって相談しづらくなるケースも増えるのではないだろうか、と思う。

必要なのはバッシングによる正論の展開ではなく、親や子どもにとっての「駆け込み寺」のような居場所をつくってあげて、受け入れることなのかもしれない。


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塩浦良太
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