馬への指示の出し方を学ぼう
人が馬の上から馬に行きたい方向やスピードなどいろいろなことを伝えるための指示である「扶助(ふじょ)」。今回はそんな扶助の種類と効果について見ていきましょう。
扶助の分類
扶助とは、馬に対して騎手(乗り手)が出す指示のことを指します。
扶助には脚による脚扶助や、手綱の操作また、鞭の使用などがあります。
ここでまず抑えておきたいのは
扶助には、
主扶助(しゅふじょ)と
副扶助(ふくふじょ)があると言う点です。
すべての扶助はこの2つに分類することができます。
主扶助は、主な扶助と書くとおり、馬に出す指示としてメインの操作を指します。
一方で、副扶助は主扶助が効果的でなかった場合や、馬が主扶助を無視する場合などの補助として使います。あくまで補助ですので、副扶助だけで馬をコントロールするということや、主扶助を使う前に副扶助による指示を出すということはありません。
どんな扶助が主扶助で、副扶助にはどんなものが該当するのか、また、それぞれの詳しいことについても確認しておきましょう。
主扶助について
まず主扶助について詳しく見ていきましょう。
主扶助には主に、
脚扶助(きゃくふじょ)と手綱操作(拳扶助)があげられます。
また、馬に乗りなれるにつれて、自身の体重や姿勢によっても馬にたいして指示を出せるようになります。このような騎手の姿勢や体重による扶助を座骨扶助(ざこつふじょ)ともいいます。
馬の基本的なコントロールは、主扶助によって行います。
上に上げた脚扶助は、騎手の足を使う扶助のことで、
馬体(馬の体)をギュッと挟み込む圧迫(あっぱく)や、
軽くけるなどがふくまれます。
脚扶助は主に、アクセルの役割を果たす扶助です。
もう一方、手綱操作はかんたんに言うと車で言うブレーキとハンドルを合わせたものになります。
手綱を引くと、手綱の先につながるハミが引かれ、それが馬の口にプレッシャーを与えることにより馬が減速・停止します。
他にも、騎手の姿勢や体重も馬に対する扶助になりえます。
たとえば、基本的にアクセルは脚扶助によって行いますが、騎手が上体を前傾すると馬は加速し、後傾すると減速します。また、騎手が右寄りに傾くと直進していた馬は少しずつ右によれていきます。
自分の姿勢が、運動に影響を与えるということも頭に入れておきましょう。
副扶助について
副扶助についても見ていきましょう。
副扶助には主に
・鞭(むち)
・拍車(はくしゃ)
・声・舌鼓(ぜっこ)です。
副扶助は、馬が主扶助に対して鈍いときなどに緊張感をもたせ、運動や人に集中させるために使うアクセントです。特に鞭・拍車は馬に対するプレッシャーが強く、過度の使用は馬を緊張させたり反抗の原因となります。
そんな副扶助を使う上で絶対に頭に入れておく必要があるのが、「あくまで副扶助は主扶助の補助として使う。」ということです。これを忘れて、副扶助をメインで使うと馬は次第に鞭や拍車の使用によるプレッシャーにも無視するようになったり、主扶助を受け付けない馬となってしまいます。
ですが、使い方に注意さえすれば馬が脚扶助を無視してるときなどに人が無駄にかかとで圧迫を続け、人馬ともにイライラするといった状況におちいらなくなったり、運動の手助けとなるのでぜひ適切な使い方を身につけるようにしましょう。
拍車に関する詳しい使い方や選び方は下の記事をチェック!!
まとめ
扶助には主扶助と副扶助があります。どの扶助をどのタイミングでだすかというのは、騎手の感覚と経験によるものが大きいです。とくに副扶助は良くも悪くも馬へのプレッシャーが大きいため、適切な使い方ができるように練習しましょう。
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