いらない盾
子供の頃にはこわいものなんてなかった。
何も知らないから。
少しずつ大きくなり、ある時こんな質問をされた。
「将来の夢は?」
よくある質問だ。
こう答えた。
「サッカー選手」
もちろん、サッカー選手になれるのは一握りだし、相当な努力をしないとなれないのはわかっていた。でも、少しの可能性くらいかもしれないし、とりあえずそう答えた。
相手からの返事は
「無理だよ。」
この時僕は盾を持った。
それ以降、成長していく過程の中で、いろんな人と話したり、いろんな人から学んだりするたびに盾を増やし、自分を守っていった。
すると、いつの間にか盾を持ちすぎて動けなくなっていた。
何年も、盾が重たくて止まっていた。
そのことにすぐには気がつくことができなかった。
ある人との出会いで人生の見方が変わった時、そのことに気がついた。
盾をこんなに持っていることに気がつくことができてよかった。
盾を『捨てる』という選択をできるから。
盾を捨てて、軽くなれば動き出せる。
希望が湧いてきた。明日が楽しみになってきた。
まだ、いらない盾はいっぱい持っているはず。
子供の頃のように盾を全部捨てて、無敵になりたい!