私は経済学部が向いていない

私は経済学部に向いてない。なぜ入ったのだろう。
そもそもの理由は、お金が好きだから、モノが売れる仕組みなどの話にとても興味があったから。
あとお金持ちになりたかったし。
入学当時、経済は「結局は人によって決められる学問」と学んだ。自然科学はAという事象に対して、Bという反応が大抵発生する。それは意思なく自動的にそういう反応が起こっているような感覚を私は覚える。しかし、経済は人が動かすもの。人が最後は判断するため、イレギュラーが発生しやすい。そのため、経済予測は当たりにくい、と私は学んだ。
当時は腑に落ちていた。なんとなく魅力的だった。
でも学んでいくうちに、違和感を覚えた。ずっと数字と睨み合い、分析をこなす。人間の意思決定の部分にスポットライトが当たることはほとんどなかった。
でも気づかなかった。ずっと違和感として私の中で渦巻いていた。
それがついに判明したのだ。
今日の授業で、教授は「経済学における人・企業は要素でしかなく、主役ではない」確かに。
気づいてしまった。経済学における人は理性100%で動いている。タイムパフォーマンス、コストパフォーマンスを追い求めた、最適な社会の実現を目指していると。
現実ではあり得ない。全員が安いモノを買うわけではない。そのブランドが好き、高くてもいいから長く使えるモノが欲しい、など考えは様々だ。私はその個人個人が考える判断基準に興味があった。なぜそう判断するのか、なにがそう判断させるのか、それによってどうなるのか。私の興味はここにあった。
しかし、経済学部に感情は存在しない。こんな考えをすることは想定されていない。
今日の授業でモヤモヤがカチッとハマる音がした。なぜ向いてないのかを理解できた気がした。
私は経済学を諦めた。無駄を愛し、不毛な考えを楽しむ私に経済学は厳しいようだ。

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