プレゼンテーション1

⑬ババア論 その6 ~最後のババア論~

さて、最後です。

ここまでババアの事を色々と書いてきました。これを書いている今も、どこかでババアは猛威を振るっていることでしょう。

「ババアは嫌いだ」僕は誤解を恐れず、最後までそう叫びたい。

だけど、いつからなのだろう?僕の前にババアが現れはじめたのは?先にも書いた通り、ババアってのは年齢ではない。

あれは僕が小学生の頃、近所のスーパーで買い物をしていた時だ。時が夜に片足を入れたあたり。僕は、適当にアイスをひとつ選びレジへ向かった。そこには、夕食の準備であろう、カゴいっぱいに食材を詰めたオバチャンが いくつかあるレジに、数人ずつ並んでいた。僕は1番空いているレジはどこか?と見回す。会計をしているオバチャンの後ろに1人のオバチャンが並んでいる。ここが1番空いている。僕はそこに並ぶ。すると前に並んでいたオバチャン「アイス1つだけかい?じゃあ、先に買いなさい」と、順を入れ替えてくれた。

僕が子供の頃、こういう優しさが町に沢山あったと思う。地元は北海道の釧路市。この町に住んでいた時はババアを感じなかった。口うるさいオバチャンは数人いたが、今考えると10:0で僕らが悪い事をしていただけだ。自分が幼かったから、ババアを感じなかっただけなのか?20歳~23、24歳頃まで札幌に住んでもいたが、この町でもババアを感じなかったように思う。やはり(①にも書いたが)ハッキリと自分の目の前にババアが現れたのは、ここ東京に来てからだ。

なぜか?を考えてみる。それは、やはり

“狭い”

この一言に尽きるのではないだろうか?

狭い町、人口密度。

どこでもいい、東京の町の道を想像する。この道が倍の広さで、人口が10分の1と考える。そうすると、ババアの割合が10分の1かつ、ババアとの距離もとれる。こうなると、自分は “ババアの間合い” に入らない。単純に地元にいる頃はこれだったのだ。

この町が生む抑圧感は

“心理的に距離が遠い人が、物理的に近くにいる”

ということだ。

誰もが、愛する人に触れていたいと思うでしょう。そして、触れている時の安らぎ。しかし、知らない人に触れるほど近い環境というのは、心の中に苛立ちを生んでしまう。満員電車、カフェの狭い席、イベント会場・・・。この抑圧感は人の心をむしばむ。心に開いた傷口からババアが忍びこみ、取り憑く。やはり、広い場所に暮らしている人のほうが性格は穏やかだと思う。北海道から東京に出てきた僕自身、心がすり減っているのを感じている。

だからといって、よくあるような東京批判をするのか?と言われればそれは違う。この町のこの町にしかない刺激はとても好きだ。

では、ババアの間合いの中で自分はどう生きていけばいいのか?

それは

“許す”

ということではないのか。

“許す” これが1番難しい。敵はババアではなく、自分だから。

数々の惡名高きババアを作ったこの町の狭さ。

作った人は誰だか知らないが、この国には “規格” というものがある。1人分の座席は○○cm、この道の広さは最低○○cm必要、ここに建てる建築物は○○m以下でなくてはなりません。

「1cmってどのくらい?」と聞かれれば、だいたいの日本人は「これくらい?」と同じくらいの長さを示せるでしょう。海外ならインチか?

もともと決められた長さなんて、自然には無かったものだ。でも、僕らはその中で生きていく。

自分が住んでいる町を出て、日本、世界を見てみる。もともと無かった国境。線を引いたヤツ、それは誰なのか知らない。でも、僕らはその中で生きていく。その中で生きるしかない。

この決められたサイズの世界にある多くの悲しい出来事。そこに平和を祈ることは簡単だ。平和ではないところはこちらから見えないところだから。「世界が平和でありますように」と神社あたりで唱えていればよい。

しかし、最近、目にできる、近くにある、多くの ”自分にとっての” 過ちを許せない自分が、簡単にそんなことを祈っていいのだろうか?と思う。

ババアごときを許せない自分が。

なんかねぇ~、著名なアーティストがYouTubeにMVをアップしてるじゃないすか、そのコメント欄に何も生み出していないクソ無能なヤツが作品に否定的なコメントをしてるじゃないすか。見ようと思って見てはないんですが、アレが目に入るとねぇ、例えババアに対してだけども、他人を否定してる自分が、ふと、イヤになる時があるんですよね。コイツと俺は同じ角度の線上にいるんじゃないかって。この角度を保ったまま、さらに線を伸ばした先が世界の悲しみなんじゃないのかって。

でもさー

商店街に駐めたチャリをさー、後ろを全く見ずに引くじゃんババア。何回もスネもってかれてんだよなー。

歩いててさー、ババア正面からくるじゃん。日本なんだからさー、左側によけるじゃん。ババアから見てババア右側によけんだよー。

ババアとババア、道のド真ん中でしゃべってんだよー。

許せっかなー

許せねぇよなー

いつかババアに殺されるんじゃないかなー

死因「ババア」じゃないかなー

イヤんなるね、やっぱババアってのはさー

最後の最後、結局 自分が未熟ということが浮き彫りになっただけかもしれない。

とまあ、ここまでは僕が 今 思うババア論なわけで、また色んな話を聞いたり、経験をしたりで進化すると思います。そしたらまた書いてみますので、どうぞお付き合いください。最後まで読んでくれたアナタ!サンキューベリーマッチ!

では、みなさま健康で 長生きしてください。(ババア以外)

一旦、おわり

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