⑥ババア論 番外編1 ~SUMMER~
見上げる空は青く高い
そこにある縁取りをしたかのように
輪郭をくっきりさせた白い雲
ゆっくりと視線を下した先
子供たちが様々な色のかき氷を手にはしゃいでいる
そんな眩しい光景に不釣り合いな
漆黒のサンバイザー
顔を覆い尽くすそれの向こうには
僕が目にしている踊るように鮮やかな色たちは
決して届かない
頭上から全身を打ち抜く太陽
この季節の象徴と己とを隔てるその日傘は
すれ違う人たちの瞳を切り裂く高さにある
溢れる人ごみの中でも避けようとはしてくれないその刃は
自分だけでなく
この季節を楽しむ人々からも光を奪い去ろうというのか
逃れたい
この季節からもっと逃れたい
半袖から伸びる腕を覆い隠すアームカバーに
更なる想いを
袖口とアームカバー
そこにできた5cm程の隙間から除く二の腕は気にならないのか
夏だ
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