LE LABO LYS41
私が初めてLYS41と出会ったのは、彼女から頂いた一通の手紙からでした。その手紙を開けた時に、とても心地よいお花の香りがふわっと香った事を覚えています。そのような出来事から、彼女に手紙に施された香りについて伺うと、その香りこそLYS41だったのです。
そのような思い入れのある香り、LYS41を手掛けている調香師はダフネ・ブジェとなります。まるで光と影のように感じるこの作品について、私の主観を交えながら「独断と偏見」にて、Noteに書き綴りたいと思います。
LYS41(Daphné Bugey)
夜の誘惑から始まる優雅で官能的なフローラルの香りは、主にリリー(百合)、ジャスミン、チュベローズから表現されています。
清らかな女性を想い描く百合の香りは、甘く濃厚でフローラルな香りと共に、花を生ける時に匂い立つ、香草を思わせる事でしょう。
また、百合の花はキリスト教において聖母マリアに捧げられた花、「純潔の象徴」として語り継がれています。
そんな純潔の象徴も、「夜の女王」ジャスミンが放つ妖艶な香りに蝕まれ、獣を誘う色香を身に纏います。
そこへ「危険な快楽」とも呼ばれるチュベローズが花の蜜とアニマリックな香りを携え、むせかえるほど肉感的な毒の香りで包みこむのです。
純潔と不純が絡み合うこの香りは、穢れを知らぬ女性と、それを蝕む毒の香りなのです。
次第にフローラルな香りは落ち着くと共に、花の蜜は深まり、アニマリックな香りが訪れます。「まるで獲物を誘き寄せる」かのように、より肉感的な香りを帯びていくのです。
そんな花の蜜から漂う毒香に導かれた獣達により、純潔は穢れていくのです。
香りが落ち着く頃には、甘いバニラと、おしろいを思わせるムスクが現れます。花を生けた時に感じた香草の匂いは、「純潔を失うように薄れゆき」、フローラルで肉感的な香りと共に肌に沈んでゆきます。
女性が放つ妖艶な香りは、欲望を呼び覚ます賛美歌となり、薄紅と共に「危険な世界」へと足を踏み入れていくのでした。
私がこの香りに持つ印象は、清らかな女性を思い浮かべる百合の香りと、妖艶で肉感的な雰囲気から、映画で流れる夜のシーンを思い浮かべました。
そんな情景から、純潔の象徴である百合の花と、不純を表す官能性に、光と影のような相反するものを感じました。
そして時間が経つにつれ、肉感的な香りが出てくることにより、光が影に飲まれるような感覚を得たのです。
そのような清らかな女性がこの香りを身に纏う事により、美しさと共に、ミステリアスで影のある雰囲気を出せます。気になるあの人と遊ぶ時に身に着けたら、きっと良い方向に導いてくれるはずですよ。
私は男性ですが、デートの時に女性からこの香りがしたら間違いなく心を揺さぶられます。
また、デート以外のシーンでも使いやすく、朝に香りを纏うだけで夜まで続きます。肌馴染みも良く、真夏から真冬まで季節問わず使えるので、とても使いやすい香りとなっております。
ダフネ・ブジェが作り出したLYS41は、まるで芸術作品かのような完成度を誇るので、手に取る機会がありましたら、ぜひ試してみてください。
最後に、香りの表現と香料について説明したいと思います。
香りの表現と香料について
フローラル
花を思わせる香り。
バラやジャスミンなど。
妖艶、肉感的、官能性
ジャスミンやチュベローズに含まれるインドール、スカトールなどから、官能的な香りが感じられます。
インドール、スカトール
ジャスミンやチュベローズなど、魅惑的な花に含まれる動物臭。一般的に不快な香りがしますが、濃度を薄める事で、セクシーでアニマリックな香りになります。
アニマリック
インドール、スカトール、ムスクなどから香る動物臭の香り。肌馴染みが良く、魅惑的な香りを出します。
ムスク
ジャコウジカから採れる香料ですが、現在は合成香料から再現しています。パウダリーなムスクや、アニマリックなムスクなどがあります。
バニラ
甘くて落ち着きのある香り。
セクシーに感じる事もある。
パウダリー
白粉のようなふんわりと柔らかい香り。
ドライで粉っぽさを感じます。
以上となります。調香師「ダフネ・ブジェ」は別記事にて紹介しているので、気になる方は是非ご覧ください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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