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【プロトタイプ版】老害列伝③ 松下 正治
本ページにおける老害の定義:
社会的に高い地位に上りながらその地位に相応しい言動ができず、立場を退くのが公の利益になるのに、自ら退くことができない人・振舞のこと
つまり自浄作用がなく、地位にしがみついた人物のこと
松下 正治の略歴
松下 正治(まつした まさはる、英語:Masaharu Matsushita, 1912年9月17日[2] - 2012年7月16日[1])は、日本の実業家。パナソニック(旧・松下電器産業)の代表取締役社長、代表取締役会長、取締役相談役名誉会長を歴任した。位階は従三位。松下幸之助の娘婿。東京府出身。2018年現在、同社の歴代社長8人の中で唯一、関西以外の出身者(他は全て最終学歴まで関西育ち)である。
大雑把に言うと 1961-2000 でパナソニック(旧・松下電器産業)のトップだった人(社長: 1961-1977、会長: 1977-2000)。
松下 正治は老害だったか
老害判定のための主な論点は以下の3つである。
経営能力を不安視される社長
会長職に23年とどまる…🤔
99歳で亡くなる直前まで、相談役名誉会長!
経営能力を不安視?
幸之助さんは、山下さんに、ポケットマネーで50億円用意するから、これを正治さんに渡し、引退させたうえ、以後、経営にはいっさい口出ししないよう約束させてくれ、とまで言うとるんですな。この話、私、山下さんから直接聞きました
世襲で社長になるケースは少なくないが、前任者(つまり(義理含む)親)からの評価が著しく低いケースは稀ではないか。
かなりボロカス言われてる…🥺
正治さんは、頭はいいが、物づくりの経験や商売の苦労をしていない。人使いも下手。何か問題が発生すると、ただ怒るだけで、しかも居たたまれんぐらい理詰めでやりますからね、重役陣からも事業部長からもいまひとつ信用がなかった。
そこまで言うなら社長にしなけりゃ良さそうなもんだが、それはそれで難しいらしい🤔
「わかってる。わかってるけど、君、そう簡単にいくもんじゃない。あれ、わしの娘婿やで。うちは女が強いんや。女房のむめのも、娘の幸子もなかなか賛成してくれんのや……」
松下電器の創業者として、また、不世出の経営者として、日本の経済界に絶大な影響力を発揮してきた幸之助だったが、家庭での発言権は必ずしも強くなかった。それもまた、理由があってのことである。
結局、家庭の事情で企業のトップを決めてる。。🙄
世襲だから悪い!…と一概に言うものではないが、前回の出井同様、波乱含みの船出だったと言える
会長職に23年とどまる…🤔
松下が会長になったのは数え年で66歳のときだ(1977年)。そこから会長職になんと23年、とどまっている。会長を退任したのは2000年。松下は89歳になっている。
いったい、80代後半になって経営者というのは務まるものなのか。もちろん、世の中には様々な人がいるので、一概に無理だと決めつけることはできない。しかしながら、医療が発達し寿命が延びた近年でも、85歳以上は6割が要介護認定されている。
年代別の人口に占める要介護認定者の割合は、40~64歳では0.4%、65~69歳では2.9%ですが、加齢とともに急速に高まり、80~84歳では26.0%、85歳以上では59.5%となっています。
一方で、年老いても人事はできる。これは数多の政治家がそれを証明している。人事を操作して自らの権力を盤石たらしめることは可能だ。
しかしそういった人事しかできない老人を経営トップにし続けることで弊害は起きないのか?
なお、松下は数え年80歳のときに、役員一同から引退勧告を受けているが、これをはねつけている(おそらく1991年のこと)。
「創業者は、創業55周年を迎えた1991年、数え年で80歳になったのを機に、会長から相談役に降りられた。すでに正治さんも数え年で80歳になられたわけですから、そろそろ相談役にお下がりください、と谷井さんは申し出たわけです」
谷井の説得は数度に及んだが、正治は決してクビを縦に振ろうとはしなかった。
最後は、4副社長を引き連れての談判となった。これに対し、正治は、「会長外し、松下家外し」と憤り、「幸之助の経営理念を受け継ぐのは自分だ」と反発を強めたという。
はねつけるのは自由だが、その理由が創業家をないがしろにしてるというのは…これは会長という地位に相応しい振る舞いだろうか。
99歳で亡くなる直前まで、相談役名誉会長!
松下が亡くなるのは2012年7月である。その前月に相談役名誉会長を退任している。御年99歳。
松下が晩年、どうしていたのか詳細は不明だ。だから99歳のその瞬間においても経営者のよき相談相手になり、名誉会長として精力的に活動していた可能性はある。
しかし常識的には、99歳まで相談役名誉会長というのは、このページの老害の定義に該当すると思う。冒頭の話にあるように50億円(という金額はともかく)あげて早々に退任してもらい、経営にタッチさせないほうが良かったのではないか。
日本企業のトップの多くはサラリーマンを勝ち上がり、課長、部長、…と出世し続けて社長になる。そのルートから外れるものは落伍者であり、永遠に出世し続けることが成功であるという価値観がある。だから社長の次は会長で、死ぬまで相談役をやっていたい気持ちもわかる。
しかしそれは経営に対する自分の影響力を死ぬまで行使したい、ということにつながってしまう。年老いて既に経営能力がなくなっているのに、人事で影響力を行使すれば経営判断を誤るリスクは増大する。これこそ老害の典型ではないか。
この点において、松下は(退任勧告を受けた1991年から亡くなる2012年まで)老害だったと判定した。
結論
松下 正治は(退任勧告を受けた1991年から亡くなる2012年まで)老害だった。このページではそのように判断しましたが、皆様のご意見はいかがでしょうか。
ご意見・ご感想などコメントいただけますと誠に幸いです。