【プロトタイプ版】老害列伝③ 松下 正治
本ページにおける老害の定義:
つまり自浄作用がなく、地位にしがみついた人物のこと
松下 正治の略歴
大雑把に言うと 1961-2000 でパナソニック(旧・松下電器産業)のトップだった人(社長: 1961-1977、会長: 1977-2000)。
松下 正治は老害だったか
老害判定のための主な論点は以下の3つである。
経営能力を不安視される社長
会長職に23年とどまる…🤔
99歳で亡くなる直前まで、相談役名誉会長!
経営能力を不安視?
世襲で社長になるケースは少なくないが、前任者(つまり(義理含む)親)からの評価が著しく低いケースは稀ではないか。
かなりボロカス言われてる…🥺
そこまで言うなら社長にしなけりゃ良さそうなもんだが、それはそれで難しいらしい🤔
結局、家庭の事情で企業のトップを決めてる。。🙄
世襲だから悪い!…と一概に言うものではないが、前回の出井同様、波乱含みの船出だったと言える
会長職に23年とどまる…🤔
松下が会長になったのは数え年で66歳のときだ(1977年)。そこから会長職になんと23年、とどまっている。会長を退任したのは2000年。松下は89歳になっている。
いったい、80代後半になって経営者というのは務まるものなのか。もちろん、世の中には様々な人がいるので、一概に無理だと決めつけることはできない。しかしながら、医療が発達し寿命が延びた近年でも、85歳以上は6割が要介護認定されている。
一方で、年老いても人事はできる。これは数多の政治家がそれを証明している。人事を操作して自らの権力を盤石たらしめることは可能だ。
しかしそういった人事しかできない老人を経営トップにし続けることで弊害は起きないのか?
なお、松下は数え年80歳のときに、役員一同から引退勧告を受けているが、これをはねつけている(おそらく1991年のこと)。
はねつけるのは自由だが、その理由が創業家をないがしろにしてるというのは…これは会長という地位に相応しい振る舞いだろうか。
99歳で亡くなる直前まで、相談役名誉会長!
松下が亡くなるのは2012年7月である。その前月に相談役名誉会長を退任している。御年99歳。
松下が晩年、どうしていたのか詳細は不明だ。だから99歳のその瞬間においても経営者のよき相談相手になり、名誉会長として精力的に活動していた可能性はある。
しかし常識的には、99歳まで相談役名誉会長というのは、このページの老害の定義に該当すると思う。冒頭の話にあるように50億円(という金額はともかく)あげて早々に退任してもらい、経営にタッチさせないほうが良かったのではないか。
日本企業のトップの多くはサラリーマンを勝ち上がり、課長、部長、…と出世し続けて社長になる。そのルートから外れるものは落伍者であり、永遠に出世し続けることが成功であるという価値観がある。だから社長の次は会長で、死ぬまで相談役をやっていたい気持ちもわかる。
しかしそれは経営に対する自分の影響力を死ぬまで行使したい、ということにつながってしまう。年老いて既に経営能力がなくなっているのに、人事で影響力を行使すれば経営判断を誤るリスクは増大する。これこそ老害の典型ではないか。
この点において、松下は(退任勧告を受けた1991年から亡くなる2012年まで)老害だったと判定した。
結論
松下 正治は(退任勧告を受けた1991年から亡くなる2012年まで)老害だった。このページではそのように判断しましたが、皆様のご意見はいかがでしょうか。
ご意見・ご感想などコメントいただけますと誠に幸いです。