本ページにおける老害の定義:
つまり自浄作用がなく、地位にしがみついた人物のこと
出井 伸之の略歴
大雑把に言うと 1995-2005 でソニーのトップだった人(社長: 1995-、CEO(兼任): 1999-2005、会長: 2000-2005)。
出井 伸之は老害だったか
老害判定のための主な論点は以下の3つである。
そもそもなぜ社長に…🤔
ソニーショックと『プロフェッショナル経営者』
後継者指名
そもそもなぜ社長に…🤔
こんな紹介のされ方をしたらやりにくいことこの上ないと思うが、、そもそも大賀社長が納得してないように思える。
しかしいったいなぜ、大賀社長はこんな紹介をしたのか?
このあたりの事実関係は永遠にわからないと思うが、興味深い記事があったので引用する。
この記事だと、出井が社長になったのは良子夫人の意向であり、その理由は創業家に近い存在だったから。そしてその決定に大賀社長含むソニー社内は納得がいっていなかったのではないか。
いかにもありそうな話である。真実はわからないが、もしそうだとしたら問題があるだろう。この良子氏はソニーの取締役ではない。大株主ではあったが、特定の大株主が現役社長を呼びつけて次の社長を事実上、指名するようなことがあっていいのか。
もっとも出井は、自分が抜擢された理由をプロフェッショナル経営者だからと言っている。
一般的にプロ経営者(この表現もちょっと変だが)というと、社長として会社を渡り歩く人のようなイメージがある。出井はソニーの生え抜きで、一般的な意味で考えると変な感じがするが、しかし創業者と経営者では必要なスキルが異なるというのはわかる。
それでは、出井は本当にプロフェッショナル経営者だったのか。
ソニーショックと『プロフェッショナル経営者』
経営者時代の出井の動向は様々で(たとえばラスベガスでのイベントについては批判的に語られている)賛否両論はあるようだが、いずれも老害というには微妙な話だ。
では何が重要なのか?それはソニーショックとその対応である。これこそが老害判定に重要である。
決算で期待値(専門家のコンセンサス)を下回ることは、経営者にとって最も避けるべき事態である。経営者の評価というのは、突き詰めてしまえば決算と株価しかないわけだからだ。
だから経営者は決算を何とかしようとする。時には勢いがつきすぎて、前回の西田のケースのように不正が行われてしまう。不正はもちろんダメだが、利益を出すためにみんな必死なのだ。
その決算で大コケし、株価が大暴落したというのに…出井の振り返りはあっさりしすぎじゃないだろうか?説明が不十分だったとか、そういうレベルの話じゃない。プロフェッショナル経営者がそれでいいのか?
しかし同時に考えたことは、出井はそもそも投資家の期待や決算、株価というものが、自身を評価する唯一の物差しだとは考えていなかったのではないか?…という仮説である。
つまり彼は創業家の後押しで旧経営陣の反発を押し切って社長になった。だから彼が常に意識するのは創業家からの評価である。創業家=大株主と言いたいところだが、盛田家の長男・英夫氏が手掛けた事業の失敗で、ソニーショックが起きた2003年時点では、盛田家は大株主ではなくなっていた可能性が高い。彼はすでに株価について大きな注意を払っていなかったのではないか?だからソニーショックもあっさりと起こせたのではないだろうか?
後継者指名
ソニーショックを受けて、出井は責任をとって退陣!…せずに、後継者選びに2年かけている。この点において、出井は(少なくともソニーショックが起きた2003年から退陣する2005年まで)老害だったと判定した。
責任を取るべき時にとれず、ダラダラと時間をかけてしまっては立場に相応しいとは到底、言えない。この点については議論の余地がない。
選ばれた後継者については、いろいろな議論が可能であるようだが、、それはまた、別のお話。
結論
出井 伸之は(少なくともソニーショックが起きた2003年から退陣する2005年まで)老害だった。このページではそのように判断しましたが、皆様のご意見はいかがでしょうか。
ご意見・ご感想などコメントいただけますと誠に幸いです。