読んだ文献
専門学校の教育とキャリア形成: 進学・学び・卒業後(植上 一希, 2011)
要約
この書籍は、専門学校が多くの若者を職業世界に送り出してきた一方で、その社会的評価が表面的である点に着目し、教員や学生への聞き取り調査を通じて、教育の実態と現代的な意義を探るものです。
専門学校の発展過程や教育内容、進学者の背景、学びと成長、卒業生のキャリア形成に対する影響が分析されています。特に、専門知識・技能、教員の指導、職業の「現実」が学生に与える影響を掘り下げ、専門学校の役割を再評価することを目的としています。
特に関心を持った箇所
自分にとっての学び
本書では、専門学校の教員や学生など、さまざまな立場の関係者に対して丁寧な質的調査が行われており、専門学校関係者が専門学校をどのように捉えているかを知ることができました。
私自身の専門学校に対する捉え方は、高校時代に進路指導の授業で聞いた説明から変わっておらず、今回の読書が実態や課題を改めて考えるきっかけとなりました。専門学校と資格との関係性を語る上で重要な「養成施設指定制度」にも触れられており、この制度の中で専門学校を運営することの難しさを知れたことは、専門学校を取り巻く環境を理解する上で重要だと感じました。
また、専門学校は学生に自分の興味や関心を学ぶ場を提供しており、他の教育機関にはない独自の価値を提供しているとも感じました。資格取得という外部からの需要と、個人の興味・関心という内部からの需要の両方を満たしている点は、専門学校の特徴的な側面だと思います。