今日からまた専門学校に関する論文を読み進めていきます。本日は以前読んだ論文にも引用されていた、専門学校の歴史を考察した論文を読みます。
読んだ文献
公的職業資格制度と専門学校の歴史的考察(植上, 2003)
東京大学学術機関リポジトリ
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/.../KJ000046...
要約
この論文は、日本の職業資格制度と専門学校(およびその前身である各種学校)の歴史的関係を分析しています。
著者は、職業資格制度がどのように発展してきたかを調べ、その過程で専門学校がどのように重要な役割を果たしてきたかを明らかにしています。
特に、戦前には各種学校が公的職業資格の養成機関として重要な役割を果たし、戦後には専門学校がその役割を引き継いだことが示されています。
また、現代では専門学校資格教育が専門学校全体の過半数を占め、中等後教育機関として独自の位置を確立しつつあると指摘しています。さらに、公的職業資格制度の制度理念の欠如と、資格教育への公的な保障の不足が問題点として挙げられています。
特に関心を持った箇所
自分にとっての学び
職業資格制度と専門学校を複合的に分析するという視点は新鮮でした。確かによく考えると、専門学校と職業資格は切っても切り離せない関係にあると思います。
専門学校に進学する学生の視点でも、「職業資格を取得するために必ず進学しなくてはいけない専門学校」と認識している学生もいれば、「資格は不要な職業だが進学する専門学校」と考えている学生もいるかもしれません。各種調査についても、資格制度に基づく分類を意識して読み解かないと、誤った解釈をしてしまう恐れがあると感じました。
また、専門学校には効率的に資格取得を支援するという側面だけでなく、学習現場の実態を資格制度にフィードバックする役割もあると思います。教育機関、職業現場、資格運営機関が密に連携し、全体をデザインしていくことが重要であり、立場を超えた協働が求められると感じました。