論文紹介:専修学校卒業者の就業実態(濱中 淳子, 2009)
昨日に引き続き専修学校に関する論文を読んでいきます。本日取り上げるのは、専修学校卒業者の就業実態についてまとめた論文です。今から10年以上前の論文ですが、問題意識や分析軸など参考になりそうなので読んでみました。
読んだ文献
専修学校卒業者の就業実態(濱中 淳子, 2009)
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2009/07/pdf/034-043.pdf
要約
この論文は、専門学校卒業生の就業実態を分析し、専門学校教育の効果を検証することを目的としています。特に、専門学校卒業生が従事している職業を「要資格職」と「非資格職」に分け、それぞれのケースにおける所得効果と就業意識高揚効果を比較分析しています。
その結果、要資格職に就く専門学校卒業生は、非資格職に就く卒業生と比べて、所得効果と就業意識高揚効果が顕著に高いことが明らかになりました。論文では、専門学校教育の効果は資格取得に関連した領域に限定される可能性を指摘し、職業教育の強化を求める声に対して、資格に結びつかない職業教育の評価をどのように高めていくのかという課題を提起しています。
特に関心を持った箇所
自分にとっての学び
分析軸として、要資格職と非資格職という切り口を採用している点が非常に興味深いと感じました。本研究では、所得効果と就業意識の高揚効果について分析を行っていますが、要資格職と非資格職の違いが、どのようなメカニズムでこれらの効果に影響を与えるのか、私自身も仮説を立てて考えてみたいと思いました。
私は学部生時代に教員免許を取得したものの、結局教職に就くことはなく、資格を活用する機会はありませんでした。しかし、当時は教員になるための勉強に多くの時間と労力を費やし、その過程や資格取得時の達成感が就業意識に関連しているようにも思います。
教員免許以外には資格を取得する機会があまりなかった私ですが、これを機にキャリアと資格制度についてもさらに調べ、理解を深めたいと考えています。
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