【壮絶離婚劇 8】
次は「裁判」になるという
「離婚」と「財産分与」と「慰謝料」だ
「年金分割」は前回の調停の時も用意していたし、今回50:50になるのは間違いないだろう
調停に一度も来なかった相手だが、定年退職をしたとしても、日常生活を送るためには、何か仕事をしているんだろう、それで平日の昼間に来れなかったのか?と思っていた
裁判に移行する前にずっと疑問だったことを弁護士先生に聞いた
「大した財産は残ってないのではないかと思います。調停にすら来なかったわけですし、離婚成立して財産分与や慰謝料が仮に認められたとして、現金で払えないと言われたらどうなりますか?」
「不動産で支払う事になると思われます」との返答だった
このマンションには私は愛着がある
私の実家に近く、元々の地元だ
ずっと維持する為に努力してきた
リフォームや修理もしてきた
娘の仕事は時間も不規則なので、実家に戻るより、娘の通勤にはまだ便が良い
手放したくないと思っていた
住宅ローンの返済計画書や、支払の明細が分かる通帳のコピーなど様々な資料を準備した
陳述書は弁護士先生が、私から聞き取った今までの経緯をまとめてくれ、チェックを入れてくださいと送ってくださる
これらを相手の居住地の「家庭裁判所」に「訴状」添付資料として提訴する
私は「原告」相手は「被告」となった
私は弁護士先生が代理人なので、出廷しなかったが、やはり相手は出廷してこないそうだ
代理人弁護士もついていないとのことだ
裁判所から「一度被告が本当に居住しているのか確かめて欲しい」と言われたそうで、弁護士先生が相手の住所を尋ねてくれたという
「え…?どうだったんですか?」
「居ました。名前を確認すると、そうですと言われました。
鬱病のようになって、仕事も辞めたそうです。今まで届いている書類や手紙類も、長い文章が読めないから見ていないと言われました」
「見た目は…どうだったのでしょうか?痩せこけているとか?
歳はとっているでしょうけれど、元々体格はいい(太った)人でしたが」
「そうですね、げっそりしているとかではなく、見た目は恰幅のいい様子です」
「なら、遠慮する事はないですね」
私は冷酷で残酷か?
構うもんか、許せない、とことんやってやると心に決めた
何度か裁判は行われたが、相手は一度も出廷しなかった
弁護士先生は
「ここまでになると、流石にまずいと思って何かリアクションをおこすのが普通なんですが…ちょっと…珍しいタイプというか…」と言葉を濁した
前代未聞の被告だったようだ…