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【壮絶離婚劇 11】

父はもうすぐ入院して丸2年になる
2回お正月を病院で迎えた頃、食事を取らなくなったと連絡があった
「食べたくない」と言うそうだ
元々あんまり食べたがらなかったようで、プリンでもチョコレートでも何でもいいから持って来てみてくださいと言われた
栄養は点滴になった
個包装のチョコレートを1〜2個ならお見舞いの時に食べてくれる
もう諦めちゃったのが伝わってくる
ずっと家に帰りたがっていたけど最近は「もう帰れねえかもしれねえな」と言うのだ…

連絡のつかなくなった相手の、財産をどうすればいいのだろう
「不在者財産管理人」はどうなんですか?と弁護士先生に聞いたことがあるが、「そこまで必要がどうか…」と言われてしまった
判決の財産分与分は強制執行できる権利はあるが、それはどうやってやるのか?
聞く人も頼る人もいない…

住宅ローンのリスケ、私と娘での借り換え、任意売却、リースバック…
とりあえず査定が出来るかどうかさえ、断られてしまう不動産会社もあった
判決に不動産が含まれていないと、これらが全く出来ないのだ

1社だけ、割と親身にしてくれる不動産会社の担当さんと出会った
出来る出来ないはともかく、一度お部屋を拝見できますか?と言ってくれたので見てもらった
事情がこうなので、出来るかは分からないし、出来ればリースバックにしてでも住み続けたいんですが、と言った
相手の所に行ってくれると言う
委任状を取れば、出来るかもしれないと…
彼は本当に相手の所に行ってくれた
その時は居なかったけど、手紙を入れて来ました、また行ってみますと言ってくれた
リースバックが出来そうなら色々探してくれると…
そしてまた行ってくれた…不在だったらしい

名義が相手のままだと、相手の債務の為にマンションが差し押さえられる可能性はある
早く何とかしたかった

こんなに連絡が取れないって、裁判にも来ないって、もしや…という考えがよぎったのはこの頃だ
一人で引きこもっているのなら、誰も気づかないかもしれない…

相手の住所で調べてみると、管理会社らしい会社がヒットした
不動産会社のNさんに聞いてみた
「あの、最悪の事態ってことはありえませんか?」
「可能性はないとは言えないですね…大丈夫とは思いますが、その管理会社さんに連絡してみるというのは一つの手ではあります。弁護士さんがまだついているわけですから、聞いてからにされては?」
弁護士事務所に連絡をした
「そうですね…もうその時期に来ているかもしれません。ただ、もう離婚されているので、お嬢様でないと、ご家族にならないので…」
私には権利がないのだ…愕然とした
娘を連れていかなければならない
娘はその時期「夜勤」だったのに…

管理会社に連絡を入れた
「そのアパートの〇〇号室の住人の親族の者です。ずっと連絡が取れないので、最悪の事態ってことは….と思いまして」
不動産管理会社にとっては「経験のある事」なのだろう
「お電話してみましたが、出ませんね。警察に連絡をして、私どもで鍵を開けて立会、警察が安否確認をするということはできます。早い方がよろしいかと」と言われてしまった
娘と一緒に、相手の住所に車を飛ばした…

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