2030年インダストリアルメタバースの躍進か
こんにちは、リョウです。
さて、昨今「メタバース」を耳にしたことがある方も多いと思いますが、私が最近気になっている分野はその中でも「インダストリアル・メタバース」の分野。
どうやらコカコーラが工場をまるごとメタバース化して、コスト削減に役立てたとか、、。
基本概要を以下にまとめました。
■メタバースの市場規模
世界〕
bloomberg社によると、世界のメタバース市場規模は2022年時点で67兆円、2024年には約110兆円にまで成長すると言われています。
国内〕
矢野経済研究所によると、日本のメタバース市場規模は2022年の時点で1825億円、2024年には約2.5倍の4997億円、2026年には約1兆円にまで成長すると予測されています。
■インダストリアルメタバースの主要活用例
工場を丸ごと仮想空間化し、生産ラインを確認したり、機械を動かすシミュレーションを行ったりする
工場全体の工程や設備の稼働状況などを仮想空間上でリアルタイムにモニタリング・操作する
MR技術などを併用することで、複数の拠点で同時に共同作業したり、専門家による遠隔サポートを受けたりする
■日系企業によるインダストリアルメタバースの事例
1.川崎重工 (工場をまるごとメタバース化を目指す)
2.リコー(メタバース空間制作サービス)
3.日産自動車 (メタバース上での新車発表や試乗会)
■海外企業によるインダストリアルメタバースの事例
1.コカコーラ
2.ルノー
3.香港
このように世界的な企業、都市がメタバースの活用に動き出しました。
■メタバース11の利用シーンのまとめ
■どれもアツいけど気になる分野 3選
個人的に気になる分野は、どれもホットなので1週間悩みに悩みましたが、
独断と偏見で3つ
バーチャルスタジオ
工場メタバース
避難シミュレーション
これらはアツい。
①バーチャルスタジオの導入による効率化と顧客体験向上
現在、南アジアにおける古着仕入れ業務のサポート事業では、主にビンテージ店のオーナーを対象としています。特に大量の古着から、数百枚に1枚の割合で選別を行う作業は、現地スタッフと顧客がリモートでやり取りをする過程で品質確認の課題が頻繁に発生しています。
現在、ZoomやWhatsAppなどのビデオコールを利用しリアルタイムで選定を進めていますが、実際に日本到着後の検品で微妙な汚れや修理不能な破損が見つかるケースが散見されます。そこで、バーチャルスタジオの導入により、古着を多角的に高画質で確認できるシステムを構築することで、こうしたトラブルを大幅に軽減できると考えています。
また、パキスタンという地域特有のワクワク感や冒険心を感じさせる環境の中で、倉庫を通じた「お宝発掘」のような体験を顧客に提供できることは、マーケティング上の強みとして活用可能です。これにより、仕入れの効率化だけでなく、顧客体験の向上と差別化を図ることができると見込んでいます。
②工場メタバースの生産性向上への貢献
工場メタバースは、国家レベルで成長が期待される重要な技術分野のひとつです。バーチャル環境での生産工程や設備管理のデジタル化により、製造業全体の生産性が飛躍的に向上しています。特に、メタバース上でのデジタルツイン技術を活用することで、リアルタイムでの設備メンテナンスや生産ラインの最適化が可能となり、トラブルシューティングの迅速化やコスト削減に寄与しています。
将来的に、私たちの仕入れ業務にもこのメタバース技術を導入し、現地の物流や品質管理を仮想空間上で行うことで、さらなる業務効率化と信頼性の向上が期待されます。
工場メタバースの類似事例:日本での進展
日本では、NTTコミュニケーションズやトヨタが工場メタバースの先駆者として注目を集めています。例えば、NTTは工場や製造業の現場において、デジタルツイン技術を活用し、リアルタイムで工場の動作や生産ラインの最適化を図る「スマートファクトリー」の展開に取り組んでいます。これにより、故障の予測や生産効率の向上が可能となり、デジタル空間での工場運営がリアルタイムで管理される形が実現されています。
また、トヨタ自動車は、未来の自動車製造を見据え、仮想空間での生産ライン設計を推進しています。これにより、現実のライン変更に伴うコストや時間の削減を可能にし、工場の運営を効率化する試みを行なっています。
将来の展望:向上メタバースの可能性
工場メタバースは、今後さらに製造業全体に影響を与えると考えられています。具体的には、以下のような分野での発展が期待されます。
リアルタイム監視とデータ解析:IOTセンサーとデジタルツイン技術を組み合わせることで、リアルタイムでの工場の稼働状況やトラブルを仮想空間上で把握し、迅速な対応が可能になると考えられます。
従業員のトレーニングと遠隔操作:従業員のトレーニングをVRを活用して仮想空間で行うことや、遠隔操作で工場の機械や生産ラインを管理することが現実味を帯びてきています。これにより、物理的な工場での事故リスクを低減し、効率を向上させることができます。
サプライチェーンの最適化:グローバルなサプライチェーンの中で、異なる国や地域にある工場をメタバース内で統合管理し、全体の生産効率を最適化することが可能です。これにより、物流や供給計画がリアルタイムで見直され、コスト削減が期待されます。
最後に避難シミュレーション分野です。
こちらも我が国にとって最も貢献度、重要度の高い分野です。
③避難シミュレーション分野の展開
避難シミュレーションは、災害時の安全性を向上させるために、様々なシナリオでの人の動きや行動を仮想環境で再現する技術です。これにより、建物内や都市全体での避難経路の最適化や、群衆の動きの予測が可能になります。
工場メタバースの技術を応用することで、避難シミュレーションがより現実的かつ効率的に実施されることが期待されています。
日本における類似事例
日本では、東京大学などの研究機関が避難シミュレーションに力を入れています。例えば地震や火災などの災害時における避難行動をシミュレートすることで、高密度都市部での群衆管理や避難経路の改善に取り組んでいます。また、大規模イベントでの群衆の流れを予測するために、仮想環境を使って人々の動きをシミュレーションする技術も進んでいます。
将来の展望
1.リアルタイムデータとの連携:IoTセンサーやカメラ技術と連携することで、避難シミュレーションがより現実的かつ動的に実施されます。これにより、避難訓練や危機管理計画が大幅に効率化されると予想されます。
2.AIによる群衆の動きの予測:人工知能(AI)を活用して、災害時の群衆の動きを分析・予測する技術も重要な役割を果たします。これにより、危機管理はより迅速かつ効果的な避難指示を出すことができ、被害を最小限に抑えることができます。
注目の投資先
1.Autodesk: 3Dシミュレーションツールを提供する企業であり、都市計画や建物の避難シミュレーションに応用されています。
2.Trimble: 建設、測量、避難シミュレーションの分野で活躍しており、工場や建物内での避難経路の設計に貢献する技術を持っています。
3.Unity Technologies: 工場メタバース同様に、Unityは避難シミュレーション用の仮想環境構築にも強力なツールを提供しています。避難計画のリアルタイムシミュレーションに使用されるよが増えてきています。
工場メタバースと避難シミュレーションの組み合わせは、今後さらに重要な分野となり、災害時の安全性向上や都市計画における重要なツールとなります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?