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アメリカ大学陸上記⑥アウトドアトラックシーズン

こんにちは。樋口諒です。
アメリカ、カンザス大学の陸上部に所属し、中長距離をしています。

3月下旬から5月上旬にかけて6試合10レースを走りました。
800mで1:50.09でベスト、1500mでは3:46.31 (アメリカでの試合では3:50.94)の自己ベストを出すことができました。800mで日本選手権と全米学生選手権の西地区予選に出場するという目標を達成することはできませんでしたが、充実のシーズンとなりました。


U20 日本選手権優勝

まずはじめに帰国後の6月28日、U20 日本選手権 1500mで優勝することができました!3:46.31の自己ベスト。名だたる日本の高校生、大学生たちに競り勝つことができました。U20はまた別のnoteで書こうと思います。

U20 1500m 🥇

Battle on the Bayou @Louisiana 🛫

ルイジアナ州立大学(LSU)での試合でシーズンインです。
インドアシーズンの最終戦が2/24だったので、約1ヶ月ぶりのレースとなりました。インドアからアウトドアに移行する1ヶ月は有酸素中心のトレーニングになりました。

3/29 1500m 3:50.94 PB

今回は1500mが初日にありました。有酸素のトレーニングをしっかり積めていたので、良いタイムが出せるだろうという自信はありました。
レースは2~4番手をキープし、集団の前方で終始走ることができました。2,3周目は少しペースダウンもありましたが、ラスト1周は60を切っていけました。この試合に向けて調整をしていませんでしたが、高校時代のベスト3:53.24を2秒半更新しました。このレースでU20日本選手権の標準記録を突破しました。

ラップタイム

3/30 800m 1:51.76

2日目は800m。800mに向けたスピード的なトレーニングを全く行っていなかったので不安もありましたが、なんとか1:51でまとめられました。ラスト200mから先頭にたち、ラスト100mでスパートをかけましたが、ゴールまで10mのところで差され2着でゴール。
僕は4組でレースを走りましたが、1組ではTexasA&M のSam Whitmarshが1:44をマーク。日本記録以上のパフォーマンスを目の前で見て衝撃を受けました。

800mラップタイム

ルイジアナ州立大学 (Louisiana State University)

LSUもKansas大のような総合大学で、学問、スポーツともにすごく大きな規模があります。この春浜松市立高校を卒業した澤田選手の進学先として注目を集めている大学です。海の近くにあるため、日本のような温暖湿潤の気候をもち、比較的過ごしやすい場所だと思います。

今回の遠征でびっくりすることが2つありました。
1つ目はトラックがモンド社製の高反発トラックだということです。日本だと国立くらいしかモンド社製を使ってるところはないんじゃないかなと思います。大学の施設にこのようなトラックがあるなんで驚きですよね。

モンド社のトラック

もう1つびっくりしたことは、キャンパスにトラがいるということです。!?
LSUのチーム名がTigersなのでそれにちなんでだと思いますが、陸上競技場の裏に普通にトラがいました。日本の大学では考えられないことだと思います。

トラは寝てました。見にくいですが、後ろの方にトラックも見えますね。

Jim Click Shoot Out Invite @Arizona 🛫🌵

前回のLSUでの試合の翌週、アリゾナ大学に遠征しました。アリゾナは砂漠地帯でめちゃくちゃ乾燥しています。至る所にサボテンがいました。

アリゾナ大学のキャンパスにて (左からGarrett, Hobbs, Me)

4/6 1500m 3:56.20 5位

1週間前の試合で3:50のベストが出たのでその勢いのまま3:50切りをしたいと意気込んで臨みました。1100mを2'50"で通過し、ベスト更新のチャンスもありましたが、ラスト1周で垂れてしまい、5位でゴール。タイムを意識しすぎて必要ないところで前に出て引っ張ってしまったことが反省点です。また標高700mの準高地のような場所だったので、それも影響したかもしれません。

アメリカンスタイル

800m 1:51.86 

1500mの約1時間後、800mに出場しました。先頭が1:45.86でゴールするというハイレベルなレースの中、最後まで諦めず良いレースができました。ラスト300mからのペースアップのところで接触があり大きく弾かれ、海外レースの厳しさを痛感しました。

Result

4×400mR 3:15.88

チーム事情もあり、マイルリレーを走る機会をもらえました。800mの約1時間45分後、1日3本目ということで相当きつかったですが、3走でラップ49.9で走りきりました。正直もう少しスピードが欲しいところです。ですがマイルリレーはやはり楽しいですね。また来年もどこかで走れたらいいなと思います。

1600mR

Kansas Relays @Kansas 🏟

カンザス大主催のホームゲーム。KansasRelaysという歴史のある大会を走ることができました。

4/19 4×800mR 7:41.71 🥇(2走 1:52.80)

日本ではあまり聞かない4×800mリレー。文字通りひとり800m、4人でバトンを繋ぎます。聞くだけできついですね。
僕は2走を走りました。僅差の1位でバトンをもらい、そのまま首位を譲ることなくバトンをつなぐことができました。バトンを持つとやはり気合いが入るもので、はじめを飛ばしすぎてしまいがちですが、はじめ200mはセーブして、53.3-59.5のラップを刻みました。
チームはそのまま優勝。優勝の記念品として、メダルと腕時計をもらいました。

Big Win!!
時計とメダル🥇

4/20 800m 1:51.45 5位

記録を狙いにいきましたがとにかく寒かった。気温は15度ほどだったと思います。冷たい北風が吹く中でのレースと思いました。1周目は52.8での通過、去年、今年のレースの中では自己最速での通過です。4番手につき落ち着いて走れていましたが、ラスト300mから乳酸がたまり、ラスト200mでポケットされてしまったことも影響し、ラスト大幅に失速してしまいました。悔しいレースでしたが、コンスタントに1:51で走れていることはプラスに感じました。大学での知り合い、お友達もレースを見に来てくれていて、走っている姿を見せることができてよかったと思います。

Kansas Relays 800m

カンザス大 OB Bryce Hoppel 選手

大学陸上部OBのBryce Hoppel 選手もこのKansas Relaysに参加しました。彼は1500mを走ったので同じレースを走ることはできませんでした。ですが、試合の前後の数日間、大学の練習にも参加してくれました。Jogを一緒にしましたが、すごくスムーズで力感が全くなく、すごいなと思いました。
彼の実績は2024 インドア世界選手権 800m優勝、また今年の全米選手権の800mを1:42.77で制し、見事パリオリンピック出場を決めました。
OBにこのような選手がいるということで、今大学でやってる練習も間違った方向にはいっていないんだと自信を持って取り組めています。

Bryce Hoppel選手と。家宝!!!

Rock Chalk Classic @Kansas 🏟

4/27 800m 1:53.26 2位

1週間前にあったKansas Relaysの後に風邪をひきました。発熱はないものの、頭痛、咳、鼻水を喰らいました。火曜日のポイント練習はパスし、なんとかコンディションを戻しレースを走ることができました。心身ボロボロ、また強風だったので、レースを走る必要があったかは分かりませんが、、。。
レースは400m58秒の究極のスローペース。引っ張る元気もなかったので集団の中でレースを進めました。上手く順位を上げていき、ラストもしっかり動かすことができ2着でゴールできました。

伝統のBlue×Red

Arkansas Twilight @Arkansas 🚌

5/3 800m 1:50.61

2年ぶり2回目の1:50!高3の時に出したベスト1:50.27はこえられなかったものの、1:50を出せて嬉しかった。ただ、トップは1:49でゴールしたので、勝てなかったことや1:50を切れなかったことは相当悔しかったです。ちなみに、アーカンソー大学もモンド社製のトラックでした!

Big 12 Outdoor Championships @Texas 🛫

今シーズンの大一番。1:49切りだけを考えてました。
今回のTexasへの移動は5泊6日。飛行機移動でしたが、飛行機がチャーター便ということで、カンザス大のトラックチームのために飛行機が飛びました。

アメリカ大学スポーツ。規模が違いすぎる。。。

5/11 800m 1:50.09 PB

レースは5/10の予定だったのですが、雷雨の影響で5/11に延期。予選決勝の予定でしたがタイムレース決勝になりました。レースは400m 52.9といいペースで進んでいきました。600mを1:20で通過し1:49切りも狙えるペースでしたが、ラスト150mから体が動かず、力んでしまい失速してしまいました。ラスト120mから3,4人に一気に抜かれたのは相当悔しいです。これで1年目のシーズンのアメリカでのレースは終了です。

今までで1番悔しいPB。

1年目のシーズンを終えて

先日のU20日本選手権で2024年トラックシーズンはひとまず終了です。12月にインドアトラックレースでシーズンインしてから6ヶ月以上シーズンが続いていたので、長い間よく頑張ったと思います。まずは昨年渡米してから、怪我で練習を離脱することは一度もなく、順調にトレーニングできていることが800m,1500mの2種目PBに繋がったと思います。U20では力が付いていることが実感できました。
見てもらうとわかるように、アメリカでは試合数はあまり多くありません。1レース1レースの重みが大きく、少ないチャンスで記録を狙っていかなければいけません。日本とは違い、一度シーズンインするとほぼ毎週試合があり、大事な試合もすぐ来てしまうので、一度身体を仕上げたら最後まで調子を維持して走りきる意識が大事だと感じました。移動も多くタイトなスケジュールで進んでいくトラックシーズンはタフですが、一年間やりきることができたので、来年は今年の経験を活かしてもっと強い選手たちと勝負していきたいです。
今シーズンは1:50、また1:49を切れず、日本選手権や全米学生選手権の西地区予選出場を逃してしまったので、来年こそは達成したいと思います。
来シーズンの目標はまたしっかり考えて、1年後に向けて走り始めようと思います。

さいごに

長い文章になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
不定期ではありますがアメリカの大学の陸上競技について書いているので今後ともよろしくお願いします。

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