山田亮ニュースレター005号『ハーグの森のほとりの家へピアノを弾きに行った話』
山田亮ニュースレター005号『ハーグの森のほとりの家へピアノを弾きに行った話』
2024年11月8日(金)
このニュースレターの002号で、ハーグ芸術協会のディナーに行った話を書きました。
ディナーのテーブルで隣に座っていた方は作家でバイオリニストの方でした。ディナーの時、家に素晴らしいピアノがあるから弾きに来なさい、と言われたので弾きに行ってきました。
ところで、ハーグには「ハーグセボス」と呼ばれる美しい森があります。この森の中にはオランダの王のための宮殿があります。その宮殿はパレスハウステンボスと呼ばれていて、長崎にある「ハウステンボス」といううテーマパークの名前の元にもなっています。
僕が家からハーグに出かける時はその森の横を自転車で走ります。オランダは自転車に対して非常に情熱を燃やす国なので、自転車道がとても快適に整備されています。家からハーグセボスの横を通ってハーグの市街地まで20分ぐらい自転車に乗りますが、その間信号で止まるのは1回だけ。あとは自転車専用道路をノンストップで走ります。
ピアノを弾きにくるよう招待してくれた作家の方は、そのハーグセボスという森を抜けてハーグの市街地に入ったすぐのところに住んでいました。玄関を開けるとすぐ音楽室があって、グランドピアノとアップライトと、無数の年代ものの楽譜が置いてある棚がありました。
皆さんはピアノのメーカーについてご存知でしょうか?世界的に有名なメーカーの一つに、ニューヨークのスタインウェイというメーカーがあります。そのニューヨークのスタインウェイの創業者はドイツからの移民なのですが、彼がドイツにいた頃に作っていたというピアノがその家にありました。弾いてみると、スタインウェイよりもかなり温かい音がします。スタインウェイは華やかな音色で有名ですが、それよりも家庭的な温かな雰囲気を感じました。
ピアノを弾いたあとは、中庭を通ってまた別の建物に移動。そこにはチェンバロや、無数の本が置いてある棚がありました。さすが作家です。オランダらしい大きな窓もあって、そこからはすぐ裏手にあるハーグセボスの森の小路が見えます。
日が暮れつつある森を眺めつつ、いろいろなお話をうかがいました。元々はオランダとベルギーの国境の森に住んでいて、オランダやベルギーのさまざまなコンサートに行っていたこと。学校に行きたくない日は家で音楽をしたり本を読んでいたりしたこと。音楽学校を出て名門のオーケストラに入ったけど自由が好きだから結局室内楽を中心にやるようになったこと。
自由を愛するアーティストらしい方でした。面白かったです。頻繁に会うのはめんどくさいけどお互いまた気が向いたら会おうと言われ、別れました。今度会う時は子どものためにオランダ語を学ぶ本をくれるそうです。
ではまた!
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