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#8 お金のことで損してしまう理由を考えてみた

お金というのは不思議なものです。
少ないと思うと、楽しいことをしていても不安になりますし
多くの資産があったとしても、いつか無くなるのではないか…
と不安に思うものです。

貨幣というものが発明されてかなり長い時間が経つわけですが
未だに人間がお金を上手に使っている感じはしません。
むしろずっと人間がお金に振り回されているんじゃないでしょうか…

できれば早くお金に振り回されないようにしたい…
できればお金の不安から解放されたい!!
多くの人がそう思っています。

そんなお金の悩みが尽きない我々は、
一体どうすればいいのでしょうか…

お金と上手に付き合っていくためには、
我々人間の特性を知ること、特徴を理解することが必要だと思います。

人間って頭良さそうだけど、実は合理的に動いてないんじゃない?
そんな風にして発展していったのが、行動経済学といわれる分野です。
ちょうど経済学と心理学の間に位置しています。

行動経済学というと、少し難しそうと思われるでしょうか?
今日お伝えするのはこういったことです。
・人間ってこういう考え方をするから損しがちなんだ
・お金についてこういった見方をすると上手に付き合えるよ

今日はいつもと少し視点を変えて、
少し俗っぽい内容も含めた、
我々人間とお金の関係についてのお話です。

お金のことで損したくない!
という方にはおすすめの内容ではないかと思います。
ぜひ最後までご覧ください!

損をしたくない人間の脳

「損をしたくない!」ということで
記事の続きを読んでいただいた方、ありがとうございます笑

まずは人間の脳の仕組みから見ていきたいと思います。
人間の脳は不思議なもので、
損を極端に嫌うように作られているようです。

例えば
50%の確率で、10万円儲ける or 10万円損する
という投資商品があったとします。

そうすると「10万円の損」という方に判断が引っ張られやすい。
つまり損する可能性があるから投資をやめておくか、、
という判断になることが多いというのです。

損得の確率は50-50なのに
人間は「得する喜び」よりも「損する辛さ」を敏感に感じやすいんですね。

例えば、手術で成功する確率が95%と言われたときに、
5%の損失の方に目がいってしまうというのがこの例です。

プロスペクト理論における価値関数 (を手作りで頑張って作った図)

人間の脳を現したのがこの図です。
同じ量の損得では、喜びよりも悲しみを感じやすい作りなんですね。

ちなみにこれは諸説ありますが、
進化の過程で、人間が快楽の追及よりも危機管理に比重を置いたため
ではないかという考え方もあります。

名著サピエンス全史には、
致命的なミス1つでゲームオーバーになる世界で長く生きてきた人間が
どのような心理・脳の進化を遂げてきたかが描かれています。

話は戻しますが、
資産運用についても同じことで、
「リスクとリターン」について適切に認識しにくいのが
人間の特性であるということを理解しておくことが重要です。

「目の前の安全」という謳い文句を信用するあまり
適切な運用ができていないというパターンもあります。
その辺りも今後解説していきたいと思います。

100万円の重みってどのくらい?

そうはいっても人はお金に色を付けがち

お金に色を付けてはいけない、
というところも経済的な視点でよく取り上げられます。

例えば、働いて手にした100万円も
ボーナスで貰った100万円も、競馬で手にした100万円も
価値としては同じ金額です。
ところが、手に入れるコストが小さいお金(この場合だと競馬)
の100万円を軽視してしまいがちです。

「ボーナスが入ったり宝くじが当たったりすると気が大きくなる」
というのがこの例です。
勿論全く悪いことではないと思います。

家族サービスなり、推しのライブに使うなり
使っていいんだと思います。

ただこう言った無意識の心の動き、
(メンタルアカウンティングといいます)
これを理解しておくことで、
不必要な支出を削減したり
家計全体のバランスを考えた上での行動ができると思います。

無意識のうちに、人間はお金に色を付けてしまう
と分かっているならば、
給与であってもボーナスであっても、競輪で 勝っても
一律で20%は貯蓄に回すといったルールを作るなども有効です。

資産形成層にとっては
ルールで自分を律することも一つの手段と言えるでしょう。

企業の戦略に騙されがちなポイントのお話

〇〇payが導入されて数年、あっという間に広まりましたよね。
今や生活の中で必須の会計サービスになっています。
〇〇ポイント、というポイント経済圏も
随分豊富にありますよね。

このポイント戦略についても話したいと思います。
初期の顧客獲得時に何億円キャンペーン、
というようなことをしていたのを覚えていますか?
テレビCMでもよく見ましたよね。
そんなお話です。

例えば家電量販店で10万円のパソコンを買ったとします。
後から10%が貰えるので嬉しくなりました。
これは10万円を10%引きで買ったのでちょっと得した!と思いますよね。

でもよくよく考えると
10万円の購入+10%分の1万円→11万円を10万円で買った、と言えるのですね。

つまり、11万円を10万円で買ったとすると、(計算式は1÷11)
値引きは9.1%となります。

あれ、10%値引きかと思いきや9.1%しか値引きされてないじゃないか!
ということは実はあまり知られていないです。

整理すると、、
仮に値引きが正しいのならば
・10万円ー9,100円=9万900円で買えたPCを
・10万円と後から1万円何かを買う

という取引に変更して行った!ということなんですね。
このように色々と人間の脳は都合よく錯覚してしまうことが良くあります。
巷でよく見る企業の戦略はこういったものが多いわけです、

ちなみにこれと全く同じことを、
先日ドン・キホーテが実施していました。
10万円のチャージで20%還元、というサービスでした。
なるほど、得しているようで損しているのかもしれない…
そんな気持ちになってくるんじゃないでしょうか。

ちなみにお賽銭もpaypay使えるところが増えていますが
あれってどうなんでしょう。。
最近増えていますよね。

以前尾道の千光寺に行った際に、
お賽銭もおみくじもpaypayで少し微妙な気持ちになりました笑

おみくじpaypayだとしっくりこないです…

費やした時間と費用は損切りできない

最後に人間の脳とコストの関係についてお話して終わろうと思います。

「損切り」という言葉があります。
文字通り、損失が生じたときに損をしていても売却する
という意味の株式の用語です。

私はお客様に資産運用やライフプランニングのアドバイスをしていますが、
その際に、既に持っている保険商品や金融商品の分析を行います。

分析を行った結果、
貯蓄性の保険が運用に適していなかったり、
金融商品が運用として好ましくなかったりするケースがあります。

そうしたときに、
頭で理解できていても実際に行動に移すことはなかなか難しいです。

「保険や金融商品を解約する」となると、
過去に払ったコストが頭にちらつくわけです。
支払ったコストより損失が出ていることを人間の脳は嫌います。

このようなコストのことを行動経済学ではサンクコストと言います
Sunk=費やす

自分の過去の行動を否定するというのは、
なかなか労力のいることだと思います。

人は常に支払ったものの対価を考えざるを得ない

まとめ

人間の脳って面白いですよね。
こういった人間の特性、考え方の癖について考えてみると
借金商売がなぜ消えないのか。
お金を巻き上げられてしまう社会構図。
企業のマーケティング戦略などが見えてきて
なかなか興味深いと思います。

いずれにせよ、
やはり世の中、情報を正しく認識していくことが大切だと思いました。

冒頭に述べたように
お金はあっても無くても、なかなか不安は無くなりません。
ただ、適切に知識をつけていき情報を取捨選択して行動できるようになれば、
少しずつ人は変わっていくのではないかなと思います。

少しいつもと違った内容にしてみました。
行動経済学の初歩の初歩、
今日はこんな形で結びとさせていただきます!

最後までご覧いただきありがとうございました!

※こちらの記事は株式会社マネーライフプランニングにて私が執筆した記事を掲載しています


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