デヴィッド・クローネンバーグ監督『スキャナーズ』

 見ている途中で名作であると感じたが、見終わってその感覚が間違っていなかったと確認できた。本作を勧めている人物が誰かを忘れていたが、思い出したわけではなく確信した。小島秀夫監督だ。『MGS』には本作の血が流れている。『ガタカ』『ニューヨーク1997』そして『スキャナーズ』。リキッドの言葉が蘇る「まさか自分一人の力でここまでこられたとでも?」。
 作中のベンジャミン・ピアスの彫刻やそこで流れる曲にはどことなくブレードランナーっぽさを感じた。80年台SF作品の特徴なのであろうか。

 最後のシーケンス、ベイルとレボックの対峙には震えた。今までの違和感が形となり、一つの終わりとして収斂する。

 SFが好きなあなたなら、是非見る事をお勧めする。

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