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Thank you for waiting.(←旅行中に覚えた)
2023年12月8日から14日まで、イギリスに行ってきた。10月から、娘が留学中なのだ。
帰宅後、インフルエンザで一週間寝込む。
記憶がだいぶ薄れてしまった。
12月7日は木曜日。平日なので、職場は通常営業。18時閉店で19時出発、というのは、無理のない予定だ。が、こんな日に限って、閉店が19時にずれ込む。少し慌てるけれど、それでもかなり余裕を持った計画ではある。
本当に慌てることになるのは、中央自動車道を運転中。「通行止め」の表示。夜間通行止めが本日まで、とのこと。知らなかった。知らないICで下ろされて、渋滞した一般道をノロノロと進む。羽田に着く頃には、すでにグッタリ。まあ、到着時間的にはちょうど良かったけれど。
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羽田発ヒースロー行きJL41便は、午前1時に出発し、14時間半のフライトで、午前6時半に到着する。14時間半飛行機に乗るのに5時間半後に到着する、というのが、何度聞いても不思議に思う。
ロシアとウクライナの戦争のせいで、最短ルートが回避され、北極圏を飛ぶことに。オーロラが見えるとも聞いていたが、残念ながら見られず。代わりに、真っ赤な太陽が昇るが明るくならない、という出来事に遭遇し驚愕する。帰って調べたところ、(極地では)珍しくはないのだとか。
予定通り、午前6時半にイギリスに到着。暗い。午前6時半でなぜこんなに暗いんだ、と思ったが、日の出までまだ2時間もある。ちなみに日の入りは15時半過ぎ。ゆっくり昇ってあっという間に沈んでしまう。そこに「日の沈まぬ国」と呼ばれたかつての面影はない。
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今回の旅行で、現金は一度も使わず。すべてクレジットカードで支払い。娘が一度だけレストランで無理矢理現金で支払った。
キャッシュは使い道がない、と聞いていたので、結局渡英前に両替もせず。
「なんとかpay」はどうなのかな?駅の券売機にGoogleのマークは表示されていたけれども。
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移動は基本的に電車で。
ヒースローエクスプレスという成田エクスプレス的な電車や地下鉄では、日本との違いを感じなかったが、ロンドン-ダラム間、ダラム-スコットランド間で利用したLNER(London North Eastern Railway)という新幹線的な電車(AZUMAという日立製の車輌)で驚いたのは、多くの人がひっきりなしに電話していること。日本では、車内での通話はマナー違反とされているし、そもそも音声通話自体が大きく減少しているように思う。文化的な違いだろうか。
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犬が(かごに入れられるわけでもなく)普通に乗ってきたのにも驚く。利口な犬で、静かに乗っているが、飼い主のおばあさんが(トイレで?)離席したらずっと吠えている。戻ってきたらまた静かに。
券売機の前でぐずぐすしていたら、「手伝おうか?」と青年が声をかけてくれた。一日周遊券を勧めてくれた。買わなかったけど。
地下鉄車内で路線図指さしてごちゃごちゃ言っていたら、労働者風のおっさんが「どこに行くんだ?」と声をかけてきた「パディントン」と言ったら親指を立ててうなずいてくれた。
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キングストン駅のホームで、若者がゴミを手に持ち、ゴミ箱に入れるのかと思ったらゴミ箱の蓋が閉まっており、それに腹を立てたのか、ゴミを地面に投げつけた。周りの人の反応は特になし。
地下鉄に、若い大柄なカップル。男が女のアタマを叩いた。DVかな。
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ダラムの街を歩く。
人口4万ちょっとくらいらしいが、そうとは思えないほど活気がある。(オックスフォードやケンブリッジと同様に)大学都市(ダラム大学はイギリスで3番目に古いとのこと)なので、平均年齢が若いということなのだろうか。
私の歩いた範囲だと、(別の場所にはあるらしいが)ショッピングモール的なものはなく、個店が連なっており、それが機能しているように見えた。空き店舗も散見されたし、不動産屋が多いのも気にはなったが、日本の商店街とはまったく様子が異なる。そもそも、人が大勢歩いている。
目の前を歩いていた女性2人組が、いきなりキスしてびっくりした。
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夜明け前に朝食。食べ終えて部屋に戻ると「朝焼けだよ」と娘からメッセージ。そのまま一人で散歩へ。川沿いを歩く。
娘が「ランニングしているか犬を連れているか」と言っていたが、まさにそんなカンジ。多くの人が「good morning」と声をかけてくる。私に声をかけた夫婦が、直後にすれ違った地元民(と思われる)若者には声をかけなかったので、声をかけることにはなにがしかの意味があるのだろう。よそ者への警戒ないしは、自分は無害であるとのアピールとか。
「合気道」と刺繍されたボストンバッグを持った若者とすれ違ったので、「合気道!」と声をかけてみた。若者は話をしてくれたが、何を言っているのかは分からなかった。ただ、すごく嬉しそうに話してくれていたので、良かった。
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ロンドンとエディンバラの街も歩いたが、都会なので疲れる。ダラムは、規模的には理想的。イギリスで最初に世界遺産に登録された街(ダラム大聖堂とダラム城)でもあるそうで、その意味でもすごく良い街に思えた。お天気と日の短さはちょっと考え物だけど。
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黒、白、青の3色で尻尾の長いカケスに似た鳥が代表的な鳥だろうか(マグパイという鳥とのこと。日本で言うカササギ。カササギを日本で見たことがないので、なんとも)。コマドリがたくさんいて嬉しくなる。ただし、日本に渡ってくるコマドリとは別種(ヨーロッパコマドリ)。カラスが小ぶり(ニシコクマルガラス)。デカいハトはあまり可愛くない(モリバト)。
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クロウタドリをちょいちょい見かける。シジュウカラとエナガは、日本と同じ。ちょっと毛色の違うシジュウカラもいた(アオガラ)。カワセミを一瞬見かけたが、たぶん、日本と同じ。ハクチョウやカモがいたが、どうも水鳥には興味がわかない。
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大きいリスがたくさんいる。正直、あまり可愛くはない。ウサギもいるそうだが、目撃できず、残念。
エディンバラの空港で、カメラを首から提げた人を3名ほど見かける。ふと思ったが、この一週間で、カメラを持っている人をほとんど見かけなかった。
エディンバラ-ヒースローは飛行機で移動。BA。
帰りの飛行機。JL42便。14時間のフライトで、23時間後に到着。今回は北極圏ではなく、黒海とかの上空を通過。不毛の大地を眺めて、居住に適した場所って少ないんだな、と思った。
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隣の席は、イギリス在住の日本人の若い(30代?)女性。
本当は妻と並びで席を取ったはずなのに、妻とは前後で。隣の女性に「替わって」と頼んだら「トイレが近くて通路側じゃないと困るから」と断られる。
そこから、少しおしゃべり。イギリスには6年住んでいること。渡英のきっかけはイギリスにいた友人に「仕事あるよ」と誘われたこと。3年前にイギリス人と結婚したこと。コロナのせいで4年ぶりの帰国だということ。ビザの取得が(主として経済的に)大変だったこと(総額100万くらいはかかった、とか)。
「好きなんだけど食べられなくなっちゃって」とのことで、ヨーグルトを貰う。
かたすぎるペットボトルの蓋を開けてくれと頼まれる。
最後の別れの挨拶で「娘さんの留学の成功をお祈りしています」と言われ、なんか外国っぽいなって思った。「お祈りしています」みたいなこと、日本であまり言わない気がする。
映画を観た。「バービー」。機内で字幕追いかけるのはキツいので、日本語吹き替え。おもしろかったけれど、観る前の予想通りの感想だった。すなわち、ジェンダーは切り口のひとつではあってもそれ以上のものではなく、思想的には周回遅れなんじゃないかな。
CAにいきなり声をかけられる。なんか怒られるのかと思ったら、「お誕生日ですね」と言われ(実際の誕生日は一昨日だったが)、飛行機の模型を貰った。あまりに唐突だったので、洒落た受け答えができず、あとでこっそり落ち込んだ。
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