#4 アジア圏、ロックの帝王を知らない日本人。
日本で「伍佰&China Blue(ウーパイ・アンド・チャイナ・ブルー)」というバンドを聴いている人が、どれだけいるのか非常に興味深いところではありますが、「伍佰」のハッシュタグで辿り着かれた方。なんだか勝手にお友達になりたい気分でございます。
「你們是朋友嗎?」
「錯誤的」
日本で…と書きましたのは、韓国(たぶん)と日本を除いて積極的なプロモを、のっけから行なっておらず。でも、その他のアジア諸国では、誰もが知っている大物中の大物であるロックグループです。勿論、お膝元の台湾では誰でも知っております。
ちなみに、北米、オーストラリアなんかでも公演を行なっていますね。なぜかラスベガスでも。世界各地で1千回を超えるコンサートを敢行、観客動員数を何度も塗り替えていることから「King Of Live」と呼ばれておりますよ。そんなにも凄いロックミュージシャンが近隣の台湾にいることを日本人は知らない間抜けさ……。ここで、彼たちの詳細な説明をしても仕方ないので、こちらに任せます。
因みに、私は勝手にライブのバックステージに挨拶(なんの?)に行ってサインと記念撮影をにこやかに。凄く本当にいい人で顔も大きくてですね…。サラサラと応じて頂きましたが、スタッフの方には酷く怒られましたね。何しろステージに上がる「演奏直前」でしたからね……。
彼は大の親日家でありましてね。しれっと年に何回か買い物や温泉堪能のために訪日しております。これが台北だったら大騒ぎでございますからね。もみくちゃに決まってます。
現地でのライブのMCでは村上春樹(ノルウェーの森という曲まで作りましたから)の小説の良さを語る始末。なんといっても大好きなプロレス観戦に堂々とこれるように、「あー、日本で活動しなくって良かったぁ」と思っているとかいないとか。あの武藤元レスラーとは、お友達で大金持ちな伍佰さんは、武藤敬司のいいヒモかよ!って状態な時期も見受けられました……。
とはいえ、グレート・ムタも大概、アメリカでは超絶大スターですから、別にフェラーリに乗っているかどうかで人間の価値は決まりませんからね。ひとつ言えることは、二人とも「天才」だってことなんですね。そして、同じく大物ですね。そういう人達って他の天才を惹きつけるものがありますよね?彼自身は多くの楽曲を大物アーティストなんかに提供しまくっていますし、日本でレコーディングしにお越しになられた時には、あの平井堅さんが、わざわざ見学に来たっていうですからね。メイウェザーの練習風景を見て勉強させて頂きますっ!って感じですかね。
伍佰&China Blueは、一時期、アルバムのグルーブ感というかライブ感をデジタルに落とし込むたために、「White Doveー白鳩」というアルバムを全曲一発録りという、かなり無茶なことをしております。メンバーが、元々がガチな映画音楽制作のプロの方々だからこそできるというですね。それでも、何度も何度も納得のできるテイクに辿り着くまでは、かなりしんどかったそうですね。頑張っただけあって本当に捨て曲なしの一枚になっております。大ヒットありがとうございますと。
伍佰黄金期って分かりにくい(日本人は)んですけれども、仮に「White Doveー白鳩」あたりを黄金期として、それまでは台湾特有の泥臭さに拘ったロック(それはそれで玄人には大人気です)だったのが、もっと大衆的に向けて聴きやすくなったって感じですかね。ついでに、ステージもストーンズよりド派手になっていきまして……。ビックリですよ。
唐突ですが、伍佰は、1968年生まれ。エレカシの宮本浩次さんは1966年生まれの2歳差なんですね。両者、一時期までは黒ずくめのルックスへのこだわり。音楽性の紆余曲折さ具合。デジタルサウンドでやらかしたり…。若い頃のイケメン度の高さ。とりわけ似通ったところは、「ライブパフォーマンスの異様な高さ」と拘りですね。たまさか、伍佰&China Blueとエレカシを並行して聴いていましたからね。その似通っている部分が重なったりして自分なりに楽しかったですね。どちらも歌の歌詞が情緒的ですしね。エレカシファンには忖度しませんが、歌詞については自画自賛している彼らより随分と優れているように思えます。あんなの書けないですよ。
まるで似ていないのは、残念なことに宮本先生は英語ができませんっ泣。「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」って曲ありますよね。あの曲自体は凄く好きなんですよね。一時期はヘビロテしていましたから。でも、「リッスン・トゥ・ザ・ミュ〜ジック」って、ベターって感じの、あんまりな残念感の漂うカタカタ英語。あんな発音がヘタどころではないからですね。お忙しいでしょうが、頼みますから英会話教室にでも通ってくださいっ。それまでは、歌詞中に英単語、熟語は入れないでくださいね。本当にガッカリしますから。そういうところを放っておくと、若い層からは「ださっ!」なんて声が、そのうち出てきますからね。実際に若い層は、もはや、そう思っているんじゃないですか?一方で伍佰は英語ペラペラですから、NYでレコーディングしても泣き言なんていいませんね笑。
まぁ、しかし、信じ難いでしょうけれども。昨今の台湾の音楽のレベルの高さは本当に凄いですから。なんとなく聴いていると、たまに「洋楽なの?」って曲も多いしですね。オシャレ系もレベル高いです。でも、日本の音楽好きは知らないとこまで探さないといけないですけどね。せめてカネコアヤノぐらいな人(レベル高めな人って意味です)は普通にいますからね。
ここらのミュージシャンか日本上陸できないのは伍佰老師の悪しき前例を作ったからか?音楽評論家が寝ぼけていらっしゃるのか?似たり寄ったりのK-POPミュージックなんかに若者が、うっかひハマってしまったのか?
「冗談だろ?」だと思われたらApple musicの台湾コーナーに行かれてくださいね。そこから、少しでも気にいった人がいたらディープな方に潜っていきましょうね。
さて、さて、せっかくですのですね。もはや「台湾老師」と呼ばれ、すっかりと台湾音楽界の重鎮となっております伍佰&China Blueの楽曲を、よろしければ聴いて頂きたいのですが、例えば、あなたがエレカシファンとしてと考えると難しいでしょう?分かりやすい「今宵の月のように」を提案されますか?
あまり迷っても仕方がありませんので、私は、人生でたまさか耳にして「何だこりゃ!すげぇ!!!」と思った曲を紹介させて頂きます。万人受けはしないのを承知でです。
第二次世界大戦での台湾へのアメリカからの爆撃の惨状を、あまりにもリアルに歌った曲です。でも、さすが台湾。そんな、どえらいな内容の歌詞なんですけれども思いっきりド・ロックノリ全開でございます。
のっけから、まさに「空襲警報」が鳴っております。あれ本物の音ですよ。ぜひ以下の歌詞(凄い内容です)を、なぞりながら聴かれてみてください。彼らは、てんで政治的タブーにもひるまずです。その昔、勝手に台湾では、ほぼ喋れなくなっていた「台湾語オンリー」のアルバムなどもリリースしていますからね。
ちょっと、「空襲警報」の曲調がやかましくて苦手だった方笑。シングル曲ではないと思いますが、北京語がわからなくとも、すーごく癒されソングをもう一つ貼り付けました。「突然的自我」というタイトルです。騙されたと思って聴いてみてくださいね。
どうでしょう。これをきっかけに、ちょっと台湾音楽も聴いてみようかと。そう1人でも興味を持ってくださった方がいらっしゃれば嬉しい限りでございます。
現在も精力中に活動中の宮本さんとは違って、伍佰は、最近ちょっと小太りしちゃっているような……。急になんですから。まだまだ黒い服を着て好き勝手に泥臭い曲を歌って欲しいものです。
はい勝手に点数をつけますか?いや、本当に怒られそうなのでやめておきます。ただ、伍佰の歌詞のレベルって、恋愛系にしても恐ろしく美しいですし表現力が異様に高いんですよね。そこは、やはり村上春樹の影響が見受けられます。たぶん。
それと、やはりリードヴォーカルとリードギターを同時に卒なく余裕でこなす彼。もし、ストーンズ台湾公演などがあれば、ゲストはこの人以外にあり得ないでしょう。仕事をサボってでも観に行きますね。チケットは取れないでしょうけど。。。
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