若者がUターンや移住しないのは、仕事がないからじゃなく、居場所がないからだと思う話
社会人になり、転勤で愛媛から上京し、一年が経ちました、ヤマモトです。
よく「地方は仕事がないから若者がいない」とか「地方の仕事は安いから若者が出て行く」とか言うじゃないですか。あれ、最近ウソなんじゃないかな、と思っています。
確かに若者は、よりお金の入る仕事を求めて都市部に行くと思うのですが、可処分所得の面から言うと、地元に残って家族と暮らしながら仕事をすることは、都市部で一人暮らしをすることよりもよっぽど、経済的に豊かだと思います。
なのになぜ、若者は都市部に出て行き、地元や地方に戻らないのか。
それは多分、彼らにとって地元や地方には居場所が無いんだと思います。
まず、大前提として、全ての若者が地元を離れる訳ではないと思います。
例えば、県外の大学に進んだ人を例に挙げると、大学に比べ、高校時代の方がものすごく楽しかった場合、きっとその人は、居心地の良い地元に戻るのでは、と思います。
逆に、地元高校よりも県外の大学が楽しく、そこでたくさん友達ができた場合、きっとその人はその友達に囲まれて生活できる、大学近く、あるいは大学の友達多いところに進むのではと思います。また、そのどちらでもなくとも、少なくとも地元に帰る、という選択はされにくいのではないでしょうか。
地元に残る人は、下記2パターンの人がいるのでは、と考えています。
「1 中学・高校時代に目立っていた人」
中学・高校時代に目立っていた人は、少なからず地元に自分の居場所を感じており、地元に戻ればそこに居場所があると感じています。
「2 やむを得ない事情で地元に残らざるを得なかった人」
やむを得ない事情で地元に残らざるを得なかった人は、例えば稼業を継ぐ必要があった、県外で一人暮らしをするだけの経済力がなかった、など本人の選択とは無関係のところで、地元に残ることを選択した人が多いのではないかと思います。
例えば地元では、「あいつは、小学生の時、泣き虫だった。」「彼は、小さいときよく弱いものをいじめをしていた。」「いつも教室の隅で、じっとしている暗いやつだった。」など、幼い頃や昔の話が忘れられる事無く、相手の中もしくは自分の中に残っています。(僕も、高校時代が全く楽しくなかったかというと、ウソですが、今ほどは楽しくなかったなと思います。)
そうなるとどうなるか、というと、高校の時目立っていた場合、そのままのキャラで過ごせますが、高校の時、ちやほやされる事もなく、また(いわゆる)デビューする事も無ければ、地元で同年代に関わりながら生きて行く事はなかなか苦痛なのかなと感じます。そのため、自分をちやほやしてくれる環境を求め、都市部や県外に飛び出し、挑戦するのではと思います。
また、大学という環境も、地元への戻りにくさの要因の一つです。
大学という環境は社会と学生の狭間に位置し、好きなコミュニティーを選びやすい環境にあるなと感じます。そのため、自分と似た人や共通の趣味を持つ人が集まりやすく、居心地の良い空間や認められやすい雰囲気が自然とできているように感じます。
そのため、一度その雰囲気に適合してしまうと、高校のときにちやほやされた経験があるか、地元に戻らないと行けない理由が無ければ、地元に戻る理由も無いように思います。
次いで要因となる、社会人というコミュニティーの作りにくさもあります。
東京に転勤になって一年経ち、最近思う事は、社会人になって会社以外に居場所を作るのは、簡単じゃないな、ということです。特に私の場合は、平日休みの仕事だったため、数少ない友達に会う事もなかなかままならなかったです。私の場合は、幸いな事に都市部への転勤でしたが、地方へ転勤した人は、会社以外での人脈を作りにくく、土日も1人で過ごす事が多いと聞きます。
だからこそ、地方に若い人がいない、という状況は若い人のやりたい仕事がない、ということよりも地域のコミュニティーに馴染みにくく、若者が居場所を感じにくい事に起因するのではないでしょうか。
だからこそ、地域活性化をするなら、地方転勤者やUターン者、移住者に居場所を作ってあげてほしいとかんじるヤマモトでした。