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人生とは日常だ

NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組を
ご覧になったことがある方は多いと思います。
私は脚本家の坂元裕二さんの回がとても印象に残っています。

坂元さんは23歳の時にあの「東京ラブストーリー」を手掛けた方で、
その後数々のヒット作を書かれています。
子どもを虐待する母親を描いた「mother」は坂元さんのオリジナル作品です。
坂元さんの脚本では「日常」をとても大事にしており、「物語は日常の細部に宿る」と言っています。

恒例の質問「あなたにとってプロフェッショナルとは」に対し、坂元さんはこう言いました。
「才能とかそんなのってあんまり当てにならないし、
何かひらめくっていうことも当てにならないし。
そういう時に本当に書かせてくれるのは、その人が普段生活してる中から出てくる美意識とか。
自分がちゃんと世界と触れ合っていないと生まれないから。」

ハーバード大学の教授、マイケル・ピュエット氏は
『ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義』(マイケル・ピュエット、クリスティーン・グロス=ロー 著/早川書房)で論語に触れ、こう言っています。
「わたしたちは、世界を変えるには大きなことを考えなければならないと思いがちだ。
(中略)人々が行動を改めることなしに、変化は起こらない。
そして、人々が行動を改めるには、小さいことからはじめなければならない。
(中略)人生は日常にはじまり、日常にとどまる」

どんなジャンルでもそうですが、「日常」に着目している人の作品は面白いです。
それは、自分の「日常」を新しい角度で見させてくれるからです。
だから坂元さんの作品は面白い(胸が痛くもなりますが)。
改めて、自分の「日常」を見つめてみようと思う、そんな放送でした。

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