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100回目かのように振る舞い、1回の人生を生きること 【#69】

LAXで果てる

ラスベガスから帰国目前にしてfluに罹患。一向に熱が下がらず寝込んで、結局最後までカジノに行けなかった。悔しい。仕方がないので、様子をみてゆるゆると家で原稿作業。

12月に仕込んでいたNOT A HOTEL 2024 特設採用メッセージサイトがOPEN。コンテンツ制作をガッツリお手伝いさせていただいた。

継続してコンテンツ発信に関わることで、NOT A HOTELのビジネスモデルの立体感とビジョン理解の解像度がぐんぐん上がってきた。NOT A 社員化している。

日本への帰国の途も体調は優れぬままであったが、機内で読書。

長らく積読にしていたリチャード・P・ルメルトの『良い戦略、悪い戦略』を読んだ。文体と構成から筆者の真面目すぎる性格がうかがえる。戦略論はHowとしての知識を得るためより、物語の組み方、物事の眺め方にこそ滋味が詰まっている、というのが個人的な見解。時間に余裕があったら続編(?)の『戦略の要諦』も読もうと思う。

良い戦略とは「何をやるか」を示すだけでなく、「なぜやるのか」「どうやるのか」を示すものであるべきだ。 良い基本方針は、埋もれていた強みを引き出し、あるいは新たな優位性の源泉を開発して難局を打開する。いやむしろ、こうした優位性を見つけることこそが戦略の要諦と言えよう。テコを使えば力を何倍にもできるように、戦略的優位があれば、リソースや行動の効果を何倍にも大きくすることができる。優位と言うとすぐに競争優位を思い浮かべる人が少なくないが、非営利組織や公的機関も、良い戦略によってリソースや行動の効果を高めることができる。  現代の企業戦略では、とかく競争に勝つことが最優先され、基本方針なしにいきなりこまかい戦術に移ってしまう例が多い。コスト削減、ブランド力の強化、開発サイクルの短縮、顧客情報の収集……。たしかにこれらはどれも、競争優位にはつながるだろう。だがそれよりも大切なのは、より広い視野から自社の戦略的優位性を探すことである。

一向に食欲が湧かないのだけれど、何かしら胃に収めないと、体調も回復しない気がする。“選ぶ”センサーが死んでいたので、適当な売店で、適当なチキンラップを手に取る。コーラと合わせて3,000円。その味は30円。LAXで果てそうになる。悲しい。幸いトランジットは2時間だけだったので、機内で気絶している間に、日本に着く。

2024 1発目のGO出社

三浦さんからどデカい構想を聞く。結局は周囲の人々の思考と気迫にリアルに触れることでしか自分の視座は上がらない。

そういえばちょうど、三浦さんから勧めてもらった京極夏彦『鉄鼠の檻』も読了した。物語・文体の奇特さと精密さ、一ページごとのページデザインにも神経が張り巡らされた、その本づくりは京極ならではなのだろう。久々に感じた「一人の作家の頭の中で、こんなに緻密な物語が構築できるのか」という感歎。10代の頃に村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を読んで以来、とまではいかないまでも、近しい、それでいてまったく異なる文学体験を味わえた。

続けて、アメリカに立つ前に書店で購入しておいた京極夏彦『魍魎の匣』に手を伸ばす。

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