【Part4】フュージョンギターが必ず弾けるようになる 10のステップ【アナライズ】
■はじめに
今回はコード進行のアナライズ(分析)について。楽曲のコード進行をアナライズすることにより適切なアプローチ、スケール選定を行うことが可能となります。
■アナライズの準備
・楽曲のコード進行を準備する
・Keyを判別する
・ダイアトニックコードを書き出す
アナライズを行いたいコード進行や楽曲を準備し、それらのキーを判別しダイアトニックコードを書き出しておきましょう。慣れてきたら書かずとも頭の中で理解出来ますが、慣れないうちは必ず書き出すように。キーの判別に関しては調号の暗記や五度圏を利用する方法などがありますが、ジャズやフュージョンの楽曲は頻繁に転調が行われるため、コード進行の流れから転調先のダイアトニックに照らし合わせて判断する事も大事です。
■進行1 "Fly me to the moon"
コード進行のアナライズ
Aセクション
ダイアトニック内の進行がほとんどですが、注意すべきはそれ以外のコードとなります。コードに合わない音程(アボイドノート)を鳴らさないために、これらのコードに気をつけましょう。
Aセクションで出てくるノンダイアトニックコードはC7、E7、A7の3つとなります。これらは全てセカンダリードミナント。C7→FM7 E7→Am7 A7→Dm7
またAセクションでは、メジャーのトゥーファイブとマイナーのトゥーファイブがそれぞれ出現します。これらの流れはとても大事な進行となりますので覚えておきましょう。
Bセクション
最初の4小節は定番進行でニーゴーイチロク(II-V-I-VI)なんて呼ばれます。VIは次のDm7へむけてドミナント化されており、A7へ変化しています。
BセクションのノンダイアトニックコードはA7とE7の2つ。どちらもセカンダリードミナントとなります。A7→Dm7 E7→Am7
Cセクション
最初の4小節はこれまた定番進行でニーゴーサンロク(II-V-III-VI)なんて呼ばれます。ノンダイアトニックコードはD#dim7、A7、E7の3つ。D#dim7はパッシングディミニッシュ(上行)ですが、次のコードEm7へ向かうセカンダリードミナント(B7)の代理として使用されています。
■進行2 "Feel like makin' love"
コード進行のアナライズ
Aセクション
定番進行でニーゴーイチロク(II-V-I-VI)の変形です。Db7はC7へ向かうセカンダリードミナント(G7)の裏コード、C7はFm9へ向かうセカンダリードミナントとなります。2段目のA7は次のコードAbM7へ向かうセカンダリードミナント(Eb7)の裏コード。
Bセクション
Db7はCm7へ向かうせカンダリードミナント(G7)の裏コード。最後の3つのコードはF7へ向かうダブルクロマチックアプローチ。F7(II7)は平行調(Cメロディックマイナー)からの借用です。
■進行3 "Isn't she lovely?"
コード進行のアナライズ
Aセクション
F#9(F#7)はA/B(B9sus4)へ向かうダブルドミナント。
E6(IM)へ向かうためにB7(V7)を使用するのではなく、IV/V(V9sus4)を使用することでドミナントモーション感が薄まり、少しモダンな響きとなります。よく出てくるアイデアなので覚えておきましょう。
Bセクション
G#7(b13)は次のコードC#m7へ向かうセカンダリードミナント。マイナーコードへ解決するV7にはオルタードテンションを使用する事ができます。
■まとめ
コード進行の分析が出来るようになることで、適切なアプローチが行えるようになるだけでなく、作曲や編曲にも活用する事ができます。課題曲や演奏曲を丁寧に1曲ずつアナライズしていくうちに、譜面を見るだけで進行が理解できたりアイデアがわいてきたりとメリットしかありません。
■教材ダウンロード(RTで無料)
今回使用した教材のオリジナル版(PDF)や追加のアイデアなど、まとめてダウンロードが出来ます。教材を印刷をして練習を行いたい方、筆者に「投げ銭をしてもいいよ」という方はページ下部よりダウンロード下さい。
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1.コード進行のアナライズ
2.Fly me to the moon 詳細アナライズとスケールアプローチ例
3.Feel like makin' love 詳細アナライズとスケールアプローチ例
4.Isn't she lovely? 詳細アナライズとスケールアプローチ例
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