NFTの価値はどこにあるのか
NFTの価値はイラストにあると思っている人が多すぎます。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
イラストがアートとして芸術的価値がある
↓
NFTが高く売れる
ーーーーーーーーーーーーーーーー
これまで数多くのNFTを見てきましたが、
この因果関係は基本的に成立しません!
もし本当にNFTの価値がイラストなら、
イラストが大衆受けする順番に人気になっていくことになります。
僕の持っているNFTで一番高価なものはこちらです
いや、このタカもかっこいいけど、
こっちの方が可愛いし素敵じゃないですか??
でも実際はのタカの方が10倍の値段(20万)でした。たかすぎです。
NFTを説明するとき、
「このイラストが10万で売れた!」
みたいな話がウケすぎてしまう。
現在の常識では考えられないことなので当然です。
「イラストになんでこんな値段がつくんだ、、」
「意味わかんない、、」
とみな思います。
「AIで絵を描いて売ったら、よくわかんないけど誰かが数万で買ってくれるんじゃね」
みたいな感想(暴論)を口にする方もいます。
しかし、NFTの本質的な価値はイラストにはないです。
どんなにイラストが可愛くても、華やかで素敵でも、それはNFTの要素の1つに過ぎません。
NFTの価値はどこにあるのか、
NFTの本質的な価値は何なのか
を考えていこうと思います
(まだ僕も完全に分かったわけではないです)
※
間違ってはいけないのは、
”NFTの価値はイラストにはない”
のであって、
”イラストに価値がない”
なんてことはあり得ません。
NFTの非常に重要な要素であることは間違いなく、NFTに限らず素敵なクリエイティブを発揮できる方を僕は心から尊敬しています。
1.投資性andブランド価値
まずはじめに、そもそも投資のために買われている、またはブランドをもちたいという欲求のためにNFTが買われているパターンです
まずNFTはふつうのお買い物と比較すると圧倒的に2次流通が活発です。
現実のお買い物(たとえば洋服やイヤホンなど)は2次流通よりも1次流通が大半であり、
例外を除けば、2次流通の価格が1次流通のそれを上回ることはまずありません。
しかしNFTの2次流通市場は1次流通市場(コレクションの最初の発売のこと)に負けず劣らずで、基本的に転売前提ともいえます。
またNFTはデジタルな存在であるため、劣化する、品質が落ちるなどの問題が起きませんし、
その上在庫の管理も非常に楽です。
需要さえ高まれば、3次流通でも、10次流通でもその相場は上昇していきます。
NFTは投資性を帯び、その結果、NFTの購入に使われる金額は跳ね上がります。
普段の買い物で100万なんて死んでも使わないけど、投資額としてみれば100万は出せるということです。
ブランド価値について、
NFTブームが起こり、NFTを手にする人が増える中で、”PFP”というワードが市場で大きく広まりました。
いったい何の略かというと、なんとプロフィールピクチャー(profile picture)
XのようなSNSで自分のアイコンにする写真のことです。
何でそんな言葉がわざわざ流行ってるんだと疑問に思うかもしれませんが、
理由はとてもシンプルで、アイコンに適したサイズと見やすさのNFTがPFPと呼ばれるようになったから。
言い換えるとアイコンにすることが、NFTの使い道としてかなり普及したということです。
投資性とも結びつきが強いですが、「あのNFTを所有していて凄い!」というブランド価値をもっているNFTは一定数存在します。
ーーーたとえばこんなの
2.高純度の推し活
推し活と言えど、NFT特有の推し活です。
はじめに具体例を話しておきます。
先日NFTの作品のブースが並ぶオフラインイベントで、とあるクリエイターさんに出会いました。
クリエイターさんの人間性や作品にとても魅了を感じ、翌週のNFT販売のオークションに参加してNFTを購入させていただきました。
そのNFTに投資性はそこまでないでしょうし、持っていることで得られる特典も特にありません。
買った理由は応援そのもの、推し活の一貫です。
ではここで、もしNFTがなかったら、を考えてみましょう。
好きなクリエイターさん(オリジナルのイラストを描いて、SNSで投稿している)がいたとしても
①イラストをスマホに保存する
②作品を拡散したり、リプライを送る
③キーホルダー,ステッカーなどの商品を購入する
このような行動までにとどまってしまうはずです。
ブロックチェーンの特徴の1つとして、インターネット上での価値のやり取りがより滑らかに行うことができるという点があります。
つまり、NFTとして作品を購入できることで、数百円のキーホルダーやステッカーとしてではなく、作品そのものにお金を払うことができるということです。
個人クリエイターの応援に限らず、プロジェクトに対しても同様のことが起きます。
「購入者が余計にお金を払うことになって損をしているじゃないか!」という意見に出会ったことがありますが、払った金額で購入者の損得を勘定する人に推し活は理解できなくて当然です。
ーーーたとえばこんなの
3.プロジェクトの連帯感
NFTコレクションは、「売ったらおしまい」よりも売った後に展開を続けていくコレクションが多いです。
以下のようなものを想像してください。
NFTコレクションのイラストを広めて、有名なキャラクターブランドをつくる!
NFT買った人で集まってこんなコミュニティを作る!
NFTの売り上げでゲームを開発する!
もちろんすべてうまくいくわけではありませんが、その後のプロジェクトが上手く展開を続けていくと
「自分もNFTを買ってそのコミュニティ、プロジェクトの一員になりたい!」
という需要が出てきます。
各NFTプロジェクトごとに独自性があるので、なぜ需要が増えるのかは一概に言い切れませんが、
コレクション運営側が、NFTを持っている人へ行う特別扱いが段々豪華なものになっていくことや、コミュニティが盛り上がり、マジョリティー感が演出されることなどが影響していると考えることができます。
このNFTを買うことで自分もそのコミュニティ、プロジェクトの一員になれる。
当事者になれる。逆に持っていないと疎外感さえ感じる。
大きく展開を続けられるNFTコレクションはこの感覚を消費者に持たせることができます。
ーーーたとえばこんなの
4.クリエイティブと独占欲
クリエイティブ(イラスト作品)は価値に含まれないって言ったじゃないか!
という反論があるかと思いますが、ここでのポイントは独占欲です。
ゲームしない人は分かりにくくてごめんなさいなんですが、
スマホゲームでガチャを回してレアなキャラクターが出た時や、ポケモンで色違いのポケモンを捕まえた時のことを想像してください。
強い喜びと高揚感を感じられると思います。
人はたとえオンライン上のものであったとしても、これは自分が所有しているんだ!と考えることができ、
独占欲を満たすことでその喜びを感じることができるということです。
ここから更にNFTが使われることで、
クリエイティブ,世界観に対してその独占欲を発揮することができるようになった
ということを説明していきます。
これまでクリエイティブ作品
(イラスト, アニメ, 音楽, キャラクター, 世界観, 文章, ボイスなどなど)
は独占欲が発揮される領域ではありませんでした。
理由は簡単で、それらが見られる・聞かれる・読まれるという行動によってのみ消費され、
そのクリエイティブ作品を所有するという概念そのものが成立しなかったからです。
しかしここでNFTが登場したことで、
「本物(オリジナル)とコピー」
「持つ消費者と持たない消費者」
という明確な区別がつくことになりました。
単なるイラストがNFTになることで
「本物(オリジナル)」を持っているのか、「コピー」を持っているのかがはっきりとわかるようになり、
音楽CDがNFTとして販売されることで、
買った消費者なのか、買っていない消費者なのかが明確になった。
イラストを例に事例を紹介していきます。
僕はこのYAKANHIKOU(夜間飛行)という作品のコンセプト、情緒、そしてイラスト作品に惹かれて、No.525のこの作品をみてすぐこう感じました。
「早くしないと誰かにとられてしまう!」
作りこまれた世界観、キャラクター、ブランドイメージを「キーホルダー」や「クリアファイル」としてではなく、「作品そのもの」として自分のものにできる。
NFTでしか得られない、不思議な高揚感です。
ーーーたとえばこんなの
5.サービス利用権になっている
これは説明するまでもなく、NFTを持っていることで特定のサービスを利用できたり、
特典を得られるから、NFTが価値を持っているパターンです。
専用のAIパートナーを使えるようになるサービスや、NFTに関する便利サイト(NFT管理など)などの例があります
実はNFTの特徴を上手く利用するとLTVを大きく高めることができて、
「誰でもいつでも使えるのでぜひこのwebサービス使って下さい」ではなく
「webサービス使えるのは500人限定」みたいな感じになります。
使える人は限られて、グロースはしないけど、「転売もできるし限定品なので、買っておこうか」となる人も多い印象です。
またNFT市場は相場の平均が高い(5000円くらいなら普通の買い物?)ので
その感覚で若干値段が高く見積もられる傾向もあります。
ーーーたとえばこんなの
6.記念品
USJ年間パスの購入者にプレゼントされたNFTの事例です。まさにこれです。
イベントの参加記念や、何かを購入した特典としてもらえるNFTが今後も増えていくと思います。
この手のNFTはそこまで転売されるものではないので、そんなものに価値はあるのか?
と思われるかもしれませんが、これはあくまで記念品です。
価値があるのかどうかでいえば人それぞれの感覚に過ぎませんね!
NFTを配る側としては、誰がNFTをいつから持っているかという情報を把握できるので、
新たな活用方法も今後生まれてくるはずです。
ここまでNFTの価値がどこにあるのかを深ぼって考えてきました。
まとめると、NFTの本質的価値は
投資性とブランド力かもしれないし
推し活かもしれないし
プロジェクトの連帯かもしれないし
独占欲かもしれないし
サービスの利用権だからかもしれないし
記念品かもしれない
ということです。
「イラストになんでそんなに価値がつくの?」
という疑問だけでも、なくなっていれば嬉しいです!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?