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U15クラブユース選手権 関西大会ブロック決勝 大阪市ジュネッスFCvsヴィッセル神戸

試合結果

大阪市ジュネッスFC
○0-0PK4-2●
ヴィッセル神戸

【ブロック優勝 全国大会出場‼️】

前置き

前日の準決勝でインテルとの激闘を終えた翌日に、更なる試練は待っていました。
抽選会の時に、サンライズリーグの暫定1位と2位が同じブロックになるとは誰も想像もできなかったと思います。

この学年が6年生の時、全日の中央大会初戦でセレッソ大阪と対戦した事を思い出しました。前年度セレッソが全国優勝を果たしたので、2チーム出場できる年に、なぜ初戦でセレッソと当たるのか。。。その当時もくじ運が無いと嘆いていたのを思い出します。
しかし、その試合もギリギリの闘いを勝利し、そのままの勢いで全国出場、全国準優勝を達成しました。

いつのタイミングで、どの相手と闘うのか?
これは、神のみぞ知る事ではありますが、その状況をどう捉えて準備するかは、監督の手腕にかかっています。

関西大会に向けての、ジュニアユース監督(アキコーチ)のインタビューは、後ほど掲載するとして、今回は僕が感じた事を書いていこうと思います。

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スタッフが前日のフレスカvsヴィッセルのスカウトに行ってくれていたので、その動画をチェックします。
選手全員にも動画を共有していたので、全員が試合を見た上で、集合しました。
※見ていない選手もいたかもですが・・・。

試合前ミーティング


アキコーチより、先発メンバー、前半の戦術、後半の準備、闘う上での考え方、モチベーション、様々な面で選手に言葉が贈られます。

勝てば全国、負ければ終了。

この緊張感ある試合を兄はどのようにコントロールするのか??
兄弟ですがサッカー指導者として、とても尊敬しています。
僕よりも頭が良いので、いつも勉強させられる事が多いです。キングダム風に言うと、アキコーチは知略型、僕は本能型という感じでしょうか・・・。


アキコーチは選手にわかりやすくシンプルな言葉を用いて話を進めます。

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準決勝の先発メンバーから、2名変更します。
外れたメンバーは悔しかったでしょう。抜擢されたメンバーは奮起したでしょう。
先発メンバーに対しても、ベンチメンバーに対しても、バックアップメンバーになった選手に対しても、丁寧に言葉をかけていきます。

事前の分析により試合プランは決まりますが、試合が始まるとピッチで闘う選手の臨機応変な動きが必要になります。
少し不安が残る顔つきをしていた選手が、入場する時には闘う男のオーラを全員が纏っているように思えました。アキコーチの言葉によってピッチに立つ準備は整いました。

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前半開始


ヴィッセル神戸は相手のGK、センターバック2枚と、10番の4人で丁寧にビルドアップをしてきます。前がかりにプレスをかけたいところですが、サイドバックとウィングがサイドに2枚張ってポジションを取ります。
更に、中央には2トップ気味に位置取る選手もいます。中央を開けるのは怖いですが、サイドバックが前がかりにプレスをかけて積極的にボールを奪いに行こうとした時に、相手GKから一気にサイドバックの背後を取るナイスボールが供給されました。
この一発のプレーで、ジュネッス守備陣は前に出る事が怖くなってしまった感があります。その影響と、中央を閉め過ぎる中盤の守備方法により、サイドに起点を作られる事が多くなりました。
速攻という感じはないのですが、良い位置で前を向かれた時の、全員がスイッチを入れてくる脅威を何度も受ける事となりました。

前半クーリングブレイク

相手の攻撃をいかに止めるか?修正点を3分間で伝えます。
修正ポイントは2つ
ジュネッスの3トップがGKとサイドバックに圧力をかけます。中盤の3人は中央に寄り過ぎず、3人が間も閉めながら相手サイドハーフへもプレスがかけれるような距離感を作ります。
サイドバックはボールを持っている選手の【ボールを置く位置】【体制】【目線】【味方のプレス状況】などを見ながら、前に行くべきなのか背後を警戒するべきなのかを判断します。
バイタルエリアで前を向かれることを防ぎたいジュネッスは、引いて守備を固めるのではなく前からプレスをかけ積極的にショートカウンターを狙いに行く作戦を取りました。
クーリングブレイク後は、何度か相手のビルドアップを前線でインターセプトすることができ、少しは状況を変えることができました。
それでも相手のビルドアップからの攻撃を完全に抑えられていたわけではありません。ボールを【止める】【蹴る】の基本的な技術の高さが、様々なシーンでジュネッスを苦しめます。攻撃・守備の両面で相手10番の存在が非常に大きく、この選手をジュネッスCP(たいよう)がどのように対応するのか?
非常に面白い闘いが繰り広げられていました。

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後半開始


ハーフタイムにアキコーチより選手に、後半どうしたいか?の質問が投げかけられました。前半の戦い方を続けていても、失点の可能性は低いが、得点の可能性は更に低いことは全員がわかっていました。
選手たちは、この受け身な状況を積極的に打破したいと言う思いが強かったので、思い切ってフォーメーションを変えました。
普段のフォーメーションからスリーバックにして、更に前からプレスをかけていきます。
0対0の状況でこの思い切ったシステム変更が吉と出るのか?凶と出るのか?
誰もわかりませんでした。。。

3バックとし、相手の2トップを3枚で見て、相手のサイド2枚にはウィングバックがぼやかしながら対応します。
2トップがGK及びセンターバックにプレッシャーをかけることで、前半のような余裕は無くなりました。
実際、このフォーメーション変更が吉と出て、ショートカウンターを多く作り出すことができました。
後半15分頃に、前線でボールをカットしてからショートカウンターが発動します。右サイドの折り返しに右ポストギリギリで受けたりゅうのすけが素晴らしいターンからシュートを打ちます。ポストに当たり跳ね返ってきたボールを、相手選手と交錯しながらゴールにボールをねじ込みました。
ゴール!と思われましたが、ハンドの判定となりました。
しかし、確実に相手ゴールへと迫っていましたので、ジュネッスのメンバー達は強気でプレーできていました。

後半クーリングブレイク

明らかにみんなの顔つきが変わり、「いける!」「勝てるぞ!」というセリフが聞こえてきました。スタッフもこの調子で行きたいと考えていました。。
しかし、関西大会前にセレッソ大阪西とTMをした時、前プレスがハマり攻勢を維持していましたが、ハーフタイム後に相手がプランを変えてきた時に、バタついたのを思い出しました。
Jアカデミーのチームですので、当然指導者のレベルも高いです。休憩後にプランを的確に変えてくることは想定できました。
この試合でもクーリングブレイク後に、相手は3トップにシステムを変更し、できるだけ早く前線にボールを配給してきました。この変更に対して、ジュネッスは後手を踏んでしまいます。相手の素早いカウンターを2〜3回受けてしまいます。
試合残り10分頃から、お互いが殴り合いのようなゲーム展開となりました。
ジュネッスも3バックから元のフォーメーションに戻し、相手の良さを消しにかかりました。
その後は膠着した状態が続き、後半終了のホイッスルが鳴りました。

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PK戦

0−0からPK戦へと突入した決勝戦・・・ジュニア時代、全国の決勝戦で川崎フロンターレとPK戦の末、敗戦しました。その時のGKだった【なびき】が今回も決戦に挑みます。あの時も、触ってはいたが入ってしまう。というシーンがありました。その話を、準備している【なびき】にしました。
なびきからは「今日はいけます!絶対止めます!」と予言に近いような返答がありました。前日のインテル戦でもスーパーセーブを連発していたので、大きな自信を持っていたのでしょう。また、数々の大舞台を経験してきたので、この大事な局面でも自分の身体が動くことを実感していたのだと思います。

全員で円陣を組んで最終決戦へと向かう選手達。
本当に大きく逞しくなったなと感動しました。

そしてPK戦が始まります。

一人目
先攻 ヴィッセル神戸 ◯ うまかった 
後攻 ジュネッス なつき ◯危なかった

二人目
先攻 ヴィッセル神戸 ×  なびきスーパーセーブ
後攻 ジュネッス ふうが ◯うまい!ナイスゴール!

三人目
先攻 ヴィッセル神戸 ◯ これまたナイスゴール
後攻 ジュネッス げんき ◯この蹴り方、俺はしない方がいいと思うが、キックの質は高い!

四人目
先攻 ヴィッセル神戸 ×  神が舞い降りたかのようなセーブ
後攻 ジュネッス しゅん ◯ちびったシュートだったけど、相手の逆を突き勝利

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勝利

歓喜の瞬間が訪れました。
この代は、ジュニアで結果を出した代です。その重圧や、相手チームからの警戒などで苦しいことが多かったのではないでしょうか。コロナ禍により公式戦や、練習時間も減ってしまい、100%の状態ではありませんでした。
そんな状況でも、2試合を戦い抜きチームを全国の舞台へ連れて行ってくれました選手達を誇りに思います。
しゅんのキックの時は、声も手も足も震えていたので、まともに見れなかったです。。。

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4年ぶり2回目のクラブユース選手権全国大会出場です。

本当におめでとう。そして、ありがとう。

全国でもジュネッスのサッカー全開で楽しもう!

サンライズリーグも頑張って、高円宮杯でも全国に行けるようにやるぞ!

今回は、ここまでにしておきます。
また、アキコーチの話を掲載してみたいと思います。

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