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ラップドローについて Wrap outs
PLO(ポットリミットオマハ)におけるストレートドローの中でも、特に複雑で強力な「ラップドロー」について紹介します。
ラップドローは、その構造の複雑さから、一見するとアウトの数がわかりにくいという特徴がありますが、アウト数やナッツポテンシャルを理解することで、ポストフロップでのプレイを大きく有利にすることができます。
ここでは、ラップドローをアウツ数の小さい順に分類し、それぞれの構造や具体的な例を掘り下げて解説します。
1. ラップドローの基本構造
ラップドローとは、自分のハンドとボードに存在するカードが、特定の順番で並ぶことでストレートを完成させるドローのことです。この「特定の順番で並ぶ」という点に着目すると、ラップドローには様々な構造があることが分かります。ここでは、アウツ数の少ないものから順に見ていきましょう。
2. アウツ数と構造の分類
ラップドローは、アウツ数と構造の違いから、以下のカテゴリーに分類できます。
表の解説(アウツの少ない順)
※日本語表記:ナッツアウツ
※英語表記:ラップの種類
9アウトストレートドロー(9 out straight draw)
アウツ数: 9
手札の枚数: 3枚
ボードの枚数: 2枚
ボードへの当たり方: 全てのカードがボードカードの間に挟まる形。
構造 例: BHHHB(B=ボード、H=手札)
具体例: 876 (ボード95x)
説明: 手札がボードの間にはまっていて、その両端の数字が揃えばストレートが完成するパターンです。このタイプはストレートドローの中で最もアウツ数が少ないため、ストレートが完成しにくいです。
11アウトストレートドロー(17 out straight draw)
アウツ数: 11
手札の枚数: 3枚
ボードの枚数: 2枚
ボードへの当たり方: カードがボードカードの両側を覆うように存在する形。
構造 例: HHBBH, HBHBH
具体例: 985x (ボード76x), 975x (ボード86x)
説明: 手札がボードの両端に重なり、かつストレートになる可能性があるパターンです。9アウトに比べて、ストレートを完成させられる可能性は少し高くなります。
13アウトストレートドロー(13 out straight draw)
アウツ数: 13
手札の枚数: 3枚
ボードの枚数: 2枚
ボードへの当たり方: カードがボードカードの上か下のどちらか一方を覆うように存在する形。
構造 例: HHHBB, HHBHB, HBHHB
具体例: 987x (ボード65x), 986x (ボード75x), 976x (ボード85x)
説明: 手札がボードカードの片側だけを覆う形です。こちらも11アウト同様、ストレートを完成させられる可能性がそこそこあります。
14アウトストレートドロー(20 out straight draw)
アウツ数: 14
手札の枚数: 4枚
ボードの枚数: 3枚
ボードへの当たり方: 手札のカードがボードの上と下の両方に存在し、両端の4枚のカードが2Hと2Bの構成。
構造 例: BHHBHHB, BHHBHBH, B[any]HHBHBH
具体例: 9865(ボードT74), 9864(ボードT75), 9864(ボードJ75)
説明: 4枚の手札と3枚のボードでストレートを作るパターンです。手札の構成に条件があり、少し特殊な形です。
アウツ数: 14
手札の枚数: 4枚
ボードの枚数: 2枚
ボードへの当たり方: カードがボードカードの両側を覆うように存在し、両端に2枚のカードがある。
構造 例: HHBBHH
具体例: 9854(ボード76x)
説明: 手札がボードの両端を覆い、ストレートになりうる形。この形もアウツ数が多めで、ストレート完成の可能性が高めです。
16アウトストレートドロー(16 out straight draw)
アウツ数: 16
手札の枚数: 4枚
ボードの枚数: 3枚
ボードへの当たり方: 手札のカードがボードの上または下にあり、その4枚が3Hと1Bの構成。
構造 例: HBHHBHB, BHHHBHB
具体例: 9764 (ボード853), 9875 (ボードT64)
説明: 4枚の手札と3枚のボードでストレートを作るパターンです。手札の構成に条件があり、少し特殊な形です。
アウツ数: 16
手札の枚数: 4枚
ボードの枚数: 2枚
ボードへの当たり方: カードがボードカードの両側を覆うように存在し、片側に1枚、もう片側に2~3枚のカードがある。
構造 例: HHHBBH, HHBHBH
具体例: 9874 (ボード65x), 9864 (ボード75x)
説明: 手札がボードの両端を覆い、かつ両端のカードの枚数に偏りがある形。このタイプはアウツ数が多く、ストレートが完成しやすいです。
補足
H は「ヒットカード」、つまりストレートを完成させるために必要なカードを表します。
B は「ボードカード」、つまり既に公開されているカードを表します。
例の欄の「x」は任意の数字を表します。
表中の「構造」の欄の例は、ストレートが成立した際にどのような並びになるのかを表しています。
3. ラップドローのプレイ戦略
ラップドローは、そのアウツ数の多さから、非常に強力なドローであり、ポストフロップで積極的にプレイすべきハンドです。しかし、ラップドローは、その構造の複雑さから、フロップの状況や相手のレンジに合わせてプレイを調整する必要があります。
以下に、ラップドローのプレイ戦略をまとめます。
ローSPR(SPR < 4): ローSPRの状況では、フロップで積極的にポットを大きくし、コミットメントを目指しましょう。アウツ数が多いため、多くの場合で相手を降ろすことができます。
ミディアムSPR (SPR 4-13): ミディアムSPRの状況では、フロップで一部ベットを行い、ターンやリバーでどのようにプレイするかを慎重に判断する必要があります。特に、マルチウェイポットでは、不用意にポットを育てないように注意しましょう。
ハイSPR (SPR > 13): ハイSPRの状況では、フロップでチェックを選択することも有効です。リバーまでポットをコントロールすることで、ブラフのチャンスを増やすことができます。
ポジション: ポジションがある場合には、積極的にベットやレイズを仕掛け、ポットをコントロールしましょう。ポジションがない場合には、チェックバックで相手の行動を見てから、次のプレイを判断しましょう。
相手のレンジ: 相手のレンジを考慮し、ハンドの強さや、ナッツポテンシャルを調整する必要があります。特に、タイトなプレイヤーには積極的にブラフを仕掛け、ルーズなプレイヤーにはバリューベットを多用しましょう。
4. 注意点
ナッツポテンシャルの確認: ラップドローは、アウツ数が多くても、必ずしもナッツになるわけではありません。特に、ワンギャップラップやダブルギャップラップでは、ナッツにならないアウトが含まれている場合もあるため、注意が必要です。
ストレートの可能性: ボードにストレートの可能性が高い場合には、むやみにアグレッシブなプレイをすることは危険です。ストレートの可能性を考慮し、慎重にプレイしましょう。
アウトの重複: 複数のドローを引いている場合、アウトが重複する可能性があります。例えば、ストレートドローとフラッシュドローの両方を引いている場合には、フラッシュのアウトがストレートのアウトを兼ねている場合があり、実際の総アウト数は、単純に足し合わせた数より少なくなることがあります。
5. まとめ
ラップドローは、PLOにおける強力な武器であり、ポストフロップでの利益を最大化するために欠かせません。この記事で解説した内容を参考に、様々な状況下でラップドローを効果的にプレイし、PLOの腕を磨いてください。
特に、アウツ数やナッツポテンシャルの見極めや、状況に応じた柔軟なプレイ戦略を身につけることが重要です。