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英検準1級合格法 正解は論点ブロックライティング

英検準1級合格法について書きました。


このNOTEでは、下の目次のうちの3分の1を無料で公開します。

3分の1で、合格のための勉強の仕方や考え方を学べるので、それでやれる人は購入する必要はないです。

読んでみて、「割と有益だな」と思ったら、フルバージョンの購入をご検討いただけたらと思います。

目次
はじめに 
英検準1級合格戦略 
序論編 
結論編 
本論編 
【暗記用例文とその使い方の問題演習】 
《暗記用例文1 Cost A》 
《暗記用例文2 Cost B》 
《暗記用例文3 Negative Effect》 
《暗記用例文4 Positive Effect》 
《暗記用例文5》 
《暗記用例文6》 
《暗記用例文7》 
《暗記用例文8》 
《暗記用例文9》 
《暗記用例文10》 
《暗記用例文11》 
《暗記用例文12》 
暗記用例文の完成形編 
問題編 
あとがき 

フルバージョンは800円です。一般に市販されている英検準一級用の問題集の半分以下の値段に設定しました。

個人的にはこれで準一級に合格できるなら安いと思うのですが、そこらへんの感じ方は人それぞれですので「ぜひとも買ってください」ということでは全然ありません。

裏技としては、Kindle Unlimitedなら無料(30日間)で読めます。


〇 はじめに

英検準1級を受験することになったとき、どんな勉強をしますか?

よくあるのが、英検準1級対策本という名のついた模擬問題とその解説が載っているものを購入し行う、というものですね。

それで合格する人は確かにいます。

しかし、それは一部で、多くの人は残念な結果になっています。

合格する人とそうでない人の違いは何なのでしょうか?

結論を言えば、合格する人はすでに合格できるだけの英語力を持っていたから、そのような勉強で合格できるのです。

そういう人にとって対策本をやることは試験前の問題傾向を知るための準備にすぎません。実力を英検にフィットした形でアウトプットするためにやっていることになります。

一方で、対策本をやっても合格できない人は、対策本をやる以前に必要な単語力、読解力、聴解力、作文力が足りていないのです。

実力が足りていないから対策本をやっているんだと思われるかもしれませんが、それを全部やったとしても合格できるわけではありません。

合格できるだけの知識や技能を習得することを目的として作られているわけではないからです。

対策本の効用は以下の二つです。

1.すでに実力がある人が問題に慣れる。
2.まだ合格する実力がない人が、自分に何が足りないのかを知る。

2の場合は、実力をつけられる勉強をそこからさらに行わなければなりません。

次によくあるのが、過去問や問題集をやってみて、自分に足りないものが単語力だったとわかったので、英検準1級用の単語集を買って勉強するというものです。

これは実力をつけられる勉強であり、自分は何が弱いのかを把握している点で、まだましですが、勉強の仕方としては、これでいいのかよく考えなければいけません。

市販されている英検準1級用の単語集に収録されている単語の数は1500~2500語です。

その単語や熟語を全部覚えるつもりなのでしょうか?

たとえ半分だとしても750語。

それを全部覚えるのにいったいどれくらいの時間がかかるのか考えているのでしょうか?

そして、全部とは言わなくても、仮に半分の750語を覚えたとして、それによって本番の試験で何問正解できるのでしょうか?

こういう人は大体、単語集のはじめの方の数語を覚えるだけで試験当日を迎えてしまいます。

数か月前から計画的にやれる人ならいいのですが、普通の人はそんなことできません。

じゃあ、いったいどうすればいいのでしょうか?

結論を言うと、ある条件を満たせば、語彙4択の問題の正解数が何問だろうと、ほぼ適当に解答しても合格点に達することができます。

ですので、データと数値に加えて、その条件を満たすためのノウハウをこの本でみなさんに提供します。

話を元に戻しますと、残念ながらとても多くの人が合格から遠い勉強をしています。

そもそも英検という資格試験を受ける目的は何なのかということを考えてみましょう。

1.試験そのものに合格することが目的である場合。

2.試験を通して、英語の実力を伸ばしていきたいという場合。

他にもあるかもしれませんが、このふたつに分けられるのではないかと思います。

1の場合は目的が明確です。

大学受験でも、英語の外部検定試験がなくなったとはいえ、国公立大、私立大ともに推薦入試やAO入試では英検が重要であることは間違いありません。

こういった明確な目的意識がある場合は伸びも早く、結果として英語の力もついていくのが早いです。

問題は2のような場合です。

英語の実力をつけるためといったあいまいな目標を持つと、先に述べた残念な2つの勉強法をとりがちです。

そして、合格するだけの実力がついてから受験しようと考え、ずるずると受験を先延ばしにして、結果として英語全体の力もなかなかついていきません。

自分では意識してそう思ってはいなくても、4つの技能全体の英語の実力をまんべんなくつけて合格するという方法をとっている人も同じですね。

一般的に、できるようになるための過程は次の通りです。

1 英語ができない(英語が嫌い)

2 嫌だけど、仕方ないから勉強する(つらい)

3 試験に合格する(うれしい)

4 だんだん勉強が嫌でなくなってくる(慣れる)

5 英語ができるようになってくる

多くの人は順番を間違えています。

少々説教臭くなって恐縮ですが、英語が好きになる→勉強する→できるようになる、などといったルートは幻想です。

はじめは誰だってつらいのです。自分にとって心地よい言葉に騙されてはいけません。つらいものはつらいです。

でも、つらいのは少ない方がいいですよね。できれば効率的に勉強したいですよね。

効率的に勉強し、実力を高めるには順番を変えた発想が必要です。

その発想とは、単語や文法などインプットを行った後でアウトプットをするのではなく、自分のアウトプット能力を高めることをまずは優先するのです。そうすれば様々なものが質の高いインプットになるのです。

つまり、アウトプットが先にあり、それを高めようとするから質の高いインプットができるのです。

そのアウトプットは、この場合、合格のための答案づくりです。「英語の実力を高めるための勉強」ではありません。

合格のためのアウトプット、そして先ほど述べた「ある条件」とは実は同じもので、具体的にそれが何かというと、ライティングで満点を取ることです。

この本をやっていけば、それがどのようなものかわかるようになります。

では、つぎから合格のための最短の勉強法とはどのようなものなのかデータを示しながら説明していきます。


 〇 英検準1級合格戦略

1次試験で出題される問題の満点は2250点です。

1次試験はリーディング、リスニング、ライティングの3つのパートからなっていて、1つのパートの満点が750点です。

合格点は2250点満点のうち、1792点となっています。

1792点を3つのパートで割ると、597.33…点、すなわち、各パートで平均598点をとることで合格点を超える計算になります。

次に、各パートで598点をとるためにはどのくらいの数の問題に正解すればよいかを示します。正解数と得点は受験回ごとに変わるので、おおよそどれくらいかということになります。


● リーディング(全41問)
27~29問(正解率 約66%~約71%)

● リスニング(全29問)
19~21問(正解率 約66%~約72%)

● ライティング(16ポイント)
13ポイント(81%)

(ライティングは「内容」「構成」「語彙」「文法」のそれぞれが4ポイント満点の合計16ポイントで評価されます)

これを見るとリーディングとリスニングで7割前後の正解率が必要で、なかなかきついように見えます。

ライティングにいたっては81%で、かなり良くできないと合格は難しそうです。

やはり3技能をまんべんなく勉強しなければ合格は難しいのでしょうか?

そうではありません。

結論から言うと、ライティングで満点をとればいいのです。

ライティングで満点をとることができると、リーディングとライティングは運に任せてマークをしても確率的には合格できるぐらいになってきます。

そのことを説明します。

ライティングで満点の16ポイントを取ると650点得られます。

合格点1792点から750点を引くと

1792-750=1042点

ですので、1042点をリーディングとリスニングでとればよいことになります。

1042点を2で割ると、

1042÷2=521点

521点をリーディングとリスニングでとるにはどれくらい正解すればよいか見てみましょう。

● リーディング(全41問)
10~12問(正解率 約24%~約29%)

試験は4択問題なので、適当に解答しても25%の確率になります。

41問の25%は10.25なので、確率的には10問は正解するということです。


では次に、リスニングで521点をとるには何問の正解が必要でしょうか?

● リスニング(全29問)
8~10問正解(正解率 約28%~約34%)

29問の4択問題だと、0.25を29にかけることによって7.25、すなわち、適当にマークしても7問は取れるという計算になります。

3問だけ実力でとれれば、合格点にのる計算です。

すなわち、ライティングが満点を取ることができれば、ほぼ合格できたと言っても言い過ぎではないでしょう。

実際に私が教えてきた生徒の中で、ライティングが16ポイントの満点で不合格になった人はいません。


しかし、気を付けなければならないことがあります。

ライティングで高得点を取れれば合格に近づくわけですが、ライティングで高得点を取れなくても合格できるのでしょうか?

結論は“NO!”です。

次の表をご覧ください。

画像1

これはある回の6人の受験者A~Fの試験結果です。

このなかで合格したのはAだけです。

Aは語い・リーディングパートでは12問しか正解しておらず、一番できているCの半分以下です。

リスニングも14問と、6人の受験者の中ではいちばん低い正答数です。

BからFは、語い・リーディングとリスニングではAを上回っているにもかかわらず、不合格となっています。

その原因は明らかで、ライティング(作文)の点数が低いためです。

まとめると、ライティングが満点を取れれば合格に限りなく近づくが、逆にライティングで点数が取れないと他のパートでよくできても合格できないということ、すなわち、合否はライティングにかかっているということです。

問題は、ライティングで満点なんてとれるのかというところだと思います。

大丈夫。

信じて、この本を最後までやってください。

もう一度言いますが、はじめの方は簡単で、単調なので少し退屈ですが、この本の真価が発揮されているのは「本論編」ですので、必ずそこまで読んでください。


〇 序論編

● 構成
英検準1級のライティングでは、TOPICに対して、以下の4つの部分からなる段落を組み合わせて書いていきます。

1 序論
TOPICに対して、賛成・反対など自分の意見を述べます。その際、TOIPCで使われている英語をそのまま繰り返して使うのではなく、同義語を使ったり、異なる構文を使ったりするようにします。

2 本論1
理由の一つ目を書きます。その際、理由を書く際の参考となる観点を示したものであるPOINTSが4つ示されていますので、それを必ず踏まえなければなりません。この点は、英検2級と異なるところなので注意してください。

3 本論2
理由の二つ目を書きます。

4 結論
「以上の理由から~に賛成(反対)です」というような結論を書きます。結論でも、序論同様にTOIPCで使われている英語をそのまま繰り返して使うのではなく、同義語を使ったり、異なる構文を使ったりするようにしてください。


● 語数
120~150語です。120語より少ないのはダメです。150語より多少多くなるのは構いません。4つの段落がそれぞれ30~37語ぐらいの語数になります(ただし、後にわかりますが、本書のやり方に従ってやれば語数は気にする必要はありません)。


とりあえず、これぐらい知っていれば十分です。

それでは序論から始めていきましょう。

英検準一級になると、TOPICが社会に関連するものとなるのが特徴です。そして、質問が2つの問い方に分かれます。

ひとつは社会の将来を予測するものと、もうひとつは社会的な問題に対して取り組むべきかどうか、改善すべきかどうかを問う問題です。それにともなって序論の書き方も2種類用意します。

1 将来未来どうなるか型(「将来型」)

2 すべき必要だ型(「すべき型」)


1の「将来型」の例としては、次のようなものがあります。

Agree or disagree: Small, independent shops and businesses can survive in modern society.
(公式サンプル問題)
(賛成or反対:小さくて独立したお店や企業は現代社会の中で生き残ることができる)

Agree or disagree: The number of young people who live with their parents after they finish their education will increase in the future.
(2016年第一回)
(賛成or反対:教育を終えた後でも両親と一緒に生活する若い人の数は将来増えるだろう)

Will humans live on other planets someday?
(2017年第三回)
(人類はいつか他の星に住むだろうか?)


2の「すべき型」の例としては、

Agree or disagree: More people should become vegetarians in the future.
(2020年第三回)
(賛成or反対:将来もっと多くの人が菜食主義者になるべきだ)

Do companies need to improve the way they treat their workers?
(2019年第三回)
(企業は労働者への待遇を改善する必要があるか?)

Is it a good idea for local governments to build tourist sites, such as theme parks and museums?
(2020年第一回)
(地方自治体がテーマパークや博物館のような観光地を作るのはよい考えだと思いますか?)

これは「よい考え(good idea)」かどうかを問うているわけですが、「べき論」にして書くことが可能ですので、こういったものも「すべき型」に含まれることになります。


数としては「すべき型」の方が圧倒的に多いです。2016年第一回(ライティングが今の形式になった初めての回)から2020年第三回まででは、公式サンプル問題も含めると「将来型」が4、「すべき型」が12です。

もちろん、ライティングを満点目指す我々としては両方に対応できるようにしなければなりません。そしてそれはそれほど大変なことではありませんので、まずは「将来型」の序論から始めていきましょう。


● 将来型

下のTOPICを例として考えていきましょう。

TOPIC 
Do you think that Japanese consumers will buy more imported products in the future?
(2019年第一回)
(将来日本の消費者はもっと多くの輸入製品を買うようになると思いますか?)

POINTS 
・Globalization
・Government policies
・Price
・Quality


以下の【暗記用例文 序論1】を見てください。

【暗記用例文 序論1】
The number of Japanese people who buy imported products is increasing. This trend will continue in the future because of the growing emphasis on [ quality ] and [ price ] in modern society.

輸入製品を買う日本人の数は増えていっている。現代社会において[品質]と[価格]がますます重視されようになってきているので、この傾向は将来も続いていくだろう


太字下線部分がそのまま使えるところです。[ ]の中は選択したPOINTSを入れます。

【暗記用例文 序論1】で替える可能性があるところとしては、number ofの後ろに数えられない名詞が来た場合はamount「量」にしたり、increasingをdecreasingにしたりすることもあるでしょう。その他の場合は否定文にするなどすれば対応できるでしょう。

本書ではこのような暗記用例文を必要最小限覚えていって、どんなTOPICにも対応できる応用力を付けていきます。

出題されたTOPICに合わせて暗記用例文を書き換えるとき、その書き換えは必要最小限度のものにとどめます。書き換える部分が多くなればなるほど、ミスが多くなるからです。

【暗記用例文 序論1】を暗記したと仮定して、次の練習問題をやってみましょう。

【問題】
次のTOPICに序論を書きなさい。

TOPIC
Agree or disagree: The number of young people who live with their parents after they finish their education will increase in the future.
(2016年第一回)

POINTS
・Convenience
・Cost of living
・Personal freedom
・Safety

この問題では【暗記用例文 序論1】を暗記したと仮定して進めるので、ここでは【暗記用例文 序論1】を見ながらやって構いません。

【解答例】
The number of people who live with their parents after completing their education is increasing. This trend will continue in the future because of the growing emphasis on [convenience] and [safety] in modern society.

教育を終えた後で両親と一緒に住む人々の数は増えていっている。現代社会において利便性と安全性がますます重視されようになってきているので、この傾向は将来も続いていくだろう。

【解説】
テンプレートに沿って書き換えたのに加えて、after以下も別の語句を使って表しました。ただし、after以下の書き換えはしなくても大丈夫です。[ ]内はconvenienceとsafetyを入れましたが、もちろんcost of livingやpersonal freedomでも構いません。ただし、[ ]内にPOINTSを書く順番は、2つの本論に書く順番と合わせてください。細かいことのように思われるかもしれませんが、大切です。


もう一問やりましょう。

【以下一部省略 本冊をご覧ください】


● すべき型

つぎのTOPICを例として考えていきましょう。

TOPIC
Do you think that Japanese companies need to improve their treatment of female workers?
(2016年第二回)

POINTS
・Child raising
・Job opportunities
・Salary
・Success of the company


暗記用例文は以下のものです

【暗記用例文 序論2】
In my opinion, companies need to improve their treatment of female workers. In particular, they should put more emphasis on [salary] and [job opportunities].

私の意見では、企業は女性労働者の待遇を改善する必要があります。特に、企業は[給与]や[雇用機会]にもっと重点を置くべきです。


【解説】
先ほどと同じように[  ]内には選んだPOINTSを入れます。

反対意見で書きたい場合は、needの前にdo(does) notを入れるだけです。

また、先ほどと同様に【暗記用例文 序論2】を暗記したという前提で、太字下線部を活かしながら練習問題を解いていきましょう。


【問題】
次のTOPICに序論を書きなさい。

TOPIC
Agree or disagree: More needs to be done to improve public safety.
(2020年第二回)

POINTS
・Accidents
・Crime
・Food
・Technology


【解答例】
In my opinion, more needs to be done to improve public safety. In particular, we should put more emphasis on [accidents] and [crime].

私の意見では公共の安全を改善するためにもっと多くのことがなされる必要がある。特に、事故や犯罪にもっと重点を置くべきです。

【解説】
In my opinionの後はTOPICの表現をそのまま使っています。過去の英検の解答を見ると、模範解答でもそのまま使っているものがあるので、大丈夫だと思いますが、書き換えてもいいでしょう。

[書き換え例]
In my opinion, we need to do more to improve public safety.

In my opinion, more needs to be done to make public safety better.


問題を頭の中で解くだけではなくて、実際に紙に書いてみてください。そうすれば、暗記用例文が自然と頭に入っていくと思います。


【以下一部省略 本冊をご覧ください】


〇 結論編

結論も序論と同様に、TOPICの英文をそのまま使うのではなく、別の語句や構文を使って書き換える必要があります。

暗記用例文を使えば簡単です。汎用性の高いものを教えますので、必ず覚えるようにしてください。

「将来型」からいきましょう。


● 将来型

以下のトピックを見てください。

TOPIC
Do you think that Japanese consumers will buy more imported products in the future?
(2019年第一回)

POINTS
・Globalization
・Government policies
・Price
・Quality


【暗記用例文 結論1】
Although there may be some issues with [quality], [price] and [government policies] are highly valued in today’s society. For this reason, the number of Japanese consumers who buy more imported products will continue to increase.

品質にかかわるいくつかの問題はあるかもしれないが、今日の社会では価格と政府の政策が高く重視されている。こういった理由で、もっとたくさんの輸入製品を買う日本の消費者の数は増え続けるだろう。


[  ]内はPOINTSを入れますが、二つ目と三つ目の[  ]では本論で使用したものを順番に入れます。一つ目の[  ]には使用していないものを入れます。

では、練習していきましょう。

【以下一部省略 本冊をご覧ください】



●  すべき型

つぎのTOPICを例として考えていきましょう。

TOPIC
Do you think that the government should provide more support for unemployed people?
(2016年第三回)

POINTS
・Cost
・Job training
・Motivation to work
・Poverty


【暗記用例文 結論2】
Although there may be some issues with [a budget], [job training] and [poverty] are highly valued in today’s society. For this reason, it is essential that the government should provide more support for unemployed people.

[予算]にかかわるいくつかの問題があるかもしれないけれども、今日の社会では[職業訓練]と[貧困]が高く重視されている。こういった理由で、政府が失業者に対してもっと多くの援助を提供することは不可欠である。


最初の[ ]にはPOINTSのどれかを必ず入れなければならないということではありません。今回はTOPICから考えて、[a budget](予算)とすると意味の通りがいいかなと思ってそうしてみました。いいものが思い浮かばなければPOINTSのどれかを使うといいでしょう。それなりに意味が通りそうなものが大概の場合あります。

「should provide」の部分は原形の「provide」でも構いません(「仮定法現在」)。shouldを使わないで原形を用いる場合、be動詞なら当然原形であるbeにするのですが、間違える確率が高くなるので、shouldを付けておく方が無難だと思います。

では、これを踏まえて、実際に問題をやってみましょう。

大事なことは目で追うだけではなくて、必ず書いてみることです。

はじめのうちは【暗記用例文 結論2】を見ながらで構いません。そして、問題をこなしていくうちに暗記用例文を自然と覚えていくと思います。


【以下一部省略 本冊をご覧ください】


〇 本論編

最後は本論編です。

本論では理由を2つ書かなければなりません。

理由を2つ書くのは2級と同じですが、異なるのは、2級ではPOINTSが3つ提示されて、それを使うかどうかは任意であるのに対して、準一級ではPOINTSが4つ提示され、そのうちの2つに必ず言及しなければならないということです。

どんな理由を書こうか考えるときに、提示されるPOINTSによって理由が思いつきやすくなればいいのですが、逆に自分が書きたい理由がPOINTSの中にない場合は足かせとなることもあります。

大体は理由が思いつきやすくなるようなものがPOINTSとして挙げられていますが、思いつきやすそうというだけで、実際に筋道だった理由が思い浮かぶかどうかはレベルの違う話です。

どんなTOPICに対してもPOINTSに沿って理由を二つ考えて、実際に書かなければならないのは至難の業です。

例えば、英検のHPで「公式サンプル問題」として以下のようなTOPICとPOINTSが載っています。

TOPIC
Agree or disagree: Small, independent shops and businesses can survive in modern society.
(賛成か反対か:小規模な独立した商店や企業は現代社会で生き残ることができる)

POINTS
・Cost (費用)
・Customer service (顧客サービス)
・The economy (経済)
・Traditional skills (伝統的な技術)

こういった社会的な問題に対して、はばひろく興味関心を持っていれば理由が思い浮かぶのかもしれませんが、なかなかできるものではありません。

さらに時間内という制限が加わります。準一級でライティングにまわせる時間は最大で25分と考えておきましょう。

「2つの理由」「POINTSに言及」「25分以内」といった制限の中で確実に満点に近い高得点をとるためにどうすればよいでしょうか?

それがこの本の真骨頂です。本書では、司法試験で使われている勉強法を採用します。

司法試験の論文式試験では与えられたテーマ課題に対して、必要な内容を過不足なく書くことを求められます。

そのため、司法試験の勉強では与えられた問題に対して質の高い論述ができるように、書かなければならない内容の文章をあらかじめ何百と用意しておきます。

それを覚えて、与えられた問題に合うように書き換えていくのです。

本書ではこの方法を英検に用いることで、早い人なら10分以内、遅くても20分以内でできるようになります。

余った時間はリーディング、特に長文問題に費やすことができます。

本書での具体的な勉強方法は次のような感じです。

まず、本論編では全部で12の例文を暗記してもらいます。

この12の暗記用例文の一部を変えることで、TOPICに合うように英語を書き換えます。

12の暗記用例文はどんなTOPICがでても対応できる汎用性の広いものを集めてあります。
(何年もかけて集めて、何度も入れ替えを繰り返して残った精選されたものです)

例えば、下の例のようなTOPICがあったとします。


TOPIC例
Agree or disagree: The number of young people who live with their parents after they finish their education will increase in the future.
(賛成か反対か:教育を終えた後でも自分たちの両親と一緒に住む若者の数は将来増えていくだろう)

POINTS
・Convenience (便利さ)
・Cost of living (生活費)
・Personal freedom (個人の自由)
・Safety (安全)

これの本論になるように覚えた12の暗記用例文のうち、どれが使えるかを検討します。

暗記用例文のうちの1つに以下のものがあります。

《暗記用例文1 Cost A》
The [ first / second ] reason is cost. These days, the cost of living is very high, and many people are already struggling to pay for necessities. They do not have extra money to pay for the environment.

*first/secondは1つ目の本論に書く場合にはfirstから始め、2つ目の本論に書く場合にはsecondで始める。 

【日本語訳】
[最初の/二番目の]理由は費用である。最近、生活の費用はとても高く、多くの人々はすでに生活必需品への支払いでもがいている。彼らは環境のために払う余分なお金など持っていないのだ。


これを使って、やってみましょう。

The [ first / second ] reason is cost. These days, the cost of living is very high, and many ( people ) are already struggling to pay for necessities. They do not have extra money to pay for ( the environment ).

( )でくくった、peopleとthe environmentの部分をyoung peopleとliving aloneに替えてみます。

  ↓

《変化後》
The [ first / second ] reason is cost. These days, the cost of living is very high, and many ( young people ) are already struggling to pay for necessities. They do not have extra money to pay for ( living alone ).

[最初の/二番目の]理由は費用である。最近、生活の費用はとても高く、多くの(若い人々)はすでに生活必需品への支払いでもがいている。彼らは(一人で生活する)のために払う余分なお金など持っていないのだ。

こんな感じです(厳密にはぎこちない部分もありますが十分です)。

序論と結論をつけると次のようになります。

The number of Japanese people who buy imported products is increasing. This trend will continue in the future because of the growing emphasis on cost of living and safety in modern society. The first reason is cost. These days, the cost of living is very high, and many young people are already struggling to pay for necessities. They do not have extra money to pay for living alone.

簡単ですね。

内容の妥当性はそれほど厳密に考える必要はありません。

もちろん、TOPICからずれた内容や、倫理的に許容されない内容は論外です。

あらかじめお伝えしておきますが、12の暗記用例文を覚えることは大変は大変ですが、それを使って与えられたTOPICに合った内容に書き換えられるようになる技術を身につける方がはるかに大変です。

まずは例文を暗記しなくてよいので、最後まで読み切って、どんなふうに書き換えていけばよいのかその感覚をつかむようにしてください。

では、次のページから実際に演習していきましょう。

【暗記用例文とその使い方の問題演習】
暗記用例文を1から12まで、日本語訳とスラッシュがついたもの、そしてスラッシュごとの訳を提示します。

暗記用例文の1つごとにそれを使った問題演習をつけてありますので、まずはじめは自分で答えを作らなくてよいので、解答例を見て、どこをどのように書き換えているのか確認してみてください。

読んでいくうちに、だんだんと感覚がつかめてくるので、自分でもやれそうだという感じができたら答えを書いてみましょう。



《暗記用例文1 Cost A》
The [ first / second ] reason is cost. These days, the cost of living is very high, and many people are already struggling to pay for necessities. They do not have extra money to pay for the environment.

【日本語訳】
[最初の/二番目の]理由は費用である。最近、生活の費用はとても高く、多くの人々はすでに生活必需品への支払いでもがいている。彼らは環境のために払う余分なお金など持っていないのだ。

【スラッシュ有(意味のまとまりごとに区切ったもの)】
The [ first / second ] reason is cost. These days, the cost / of living / is very high, and many people are already struggling / to pay / for necessities. They do not have / extra money / to pay / for the environment.

【チャンク訳(意味のまとまりごとに区切った訳)】
[最初の/二番目の]理由は費用である。最近、費用/生活の/はとても高い、そして多くの人たちはすでにもがいている/払うために/生活必需品のために。彼らは持っていない/余分なお金を/払うための/環境のために


【問題】
以下のTOPICに合うように、下に書いてある《暗記用例文1 Cost A》を変えます。今回は、この暗記用例文1をもうすでに覚えたという前提から始めます。すなわち、《暗記用例文1 Cost A》を見ながらで構いませんので、どこを変えればよいか考えてみてください。

TOPIC
Should Japan do more to protect its historic sites?

POINTS
・Cost
・Development
・Education
・Tourism

《暗記用例文1 Cost A》
The [ first / second ] reason is cost. These days, the cost of living is very high, and many people are already struggling to pay for necessities. They do not have extra money to pay for the environment.

【以下暗記用例文2~12まで省略 本冊をご覧ください】


【重要!必読!】
ここから重要なことを言いますので、よく読んでください。

12の暗記用例文をどれくらいまで覚えればいいかですが、1つの暗記用例文を手が止まることなしに、一言一句間違えることなく、すべてを紙に書きだすことができるようになるまで覚えてください。

頭の中で確認するだけではダメです。必ず書き出してください。

それくらいまで覚えないと決して使えるレベルにはなりません。

スポーツをイメージしてもらうといいと思います。試合中にどのように対応するかや、体の動かし方を頭の中で考えているようでは勝負にならないと思います。

反射的に最良の判断ができるようになら中ればいけないし、そのために練習するのだと思います。

イメージとしてはそれと同じです。


次のページからは、序論・本論1・本論2・結論をすべて書いてみましょう。


問題
TOPIC
Do you think that Japanese companies need to improve their treatment of female workers?

POINTS
・Child raising
・Job opportunities
・Salary
・Success of the company

【解答例】
In my opinion, companies need to improve their treatment of female workers. In particular, they should put more emphasis on job opportunities and child raising.
First, these days, the treatment of female workers has become a big problem in Japan. Many people want to do something, and they know that one way to help is for companies to give female workers the same job opportunities as male workers. This will make our life richer and raise birth rate and people’s standard of living.
Second, child raising is so demanding that many female workers are stressed physically and mentally. After taking care of their children, they have little energy or time left to work. So Japanese companies should support female workers more, which leads to the success of the company.
Although there may be some issues with their treatment of female workers, job opportunities and child raising are highly valued in today’s society. For this reason, it is essential that Japanese companies improve their treatment of female workers.

【日本語訳】
私の意見では、企業は女性労働者の待遇を改善する必要があります。特に、企業は雇用の機会や子育てにもっと重点を置くべきです。
第一に、最近では、女性労働者の待遇は日本で大きな問題になってきている。多くの日本人は何かをしたいと思っており、手助けする一つの方法は女性労働者に男性労働者と同じ就職の機会を与えることだということを知っている。これによって我々の生活は豊かになり、出生率と人々の生活水準を向上させる。
第二に、子育てはとてもきついので、多くの女性労働者は身体的にも精神的にもストレスを受ける。自分たちの子供の世話をした後、彼女たちには働くためのエネルギーも時間もほとんど残っていない。だから日本の企業は女性労働者をもっと支援すべきであり、そしてそれが会社の成功へとつながるのだ。
女性労働者の待遇にかかわるいくつかの問題があるかもしれないけれども、今日の社会では雇用の機会と子育てが高く重視されている。こういった理由で、日本の企業が女性労働者の待遇を改善することは不可欠である。

【解説】
150語を超えていますが(167語)、語数の超過は減点対象にはなっていません。ただし、解答用紙の枠からはみ出るのは論外ですので注意してください。



問題
TOPIC
Agree or disagree: Japan should become a completely cashless society.

POINTS
・Crime
・Effect on businesses
・Effect on consumers
・Privacy

【解答例】
In my opinion, Japan needs to become a completely cashless society. In particular, Japan should put more emphasis on crime and effect on businesses.
The first reason is improvements in technology. In the past, lack of technology was a big cause of various crime for a cashless society. However, thanks to breakthroughs in programming technology, a lot of trouble can now be removed.
The second reason is that cashless society can have positive effects on consumers. For example, people can have easy access to overseas EC sites, which send their products to our home speedily. As a result, cashless society can stimulate world economy.
Although there may be some issues with privacy, safety and effect on businesses are highly valued in today’s society. For this reason, it is essential that Japan should become a completely cashless society.

【日本語訳】
私の意見では、日本は完全にキャッシュレスな社会になる必要がある。特に、日本は犯罪とビジネスへの影響にもっと重点を置くべきです。
第一の理由は技術の進歩である。過去において、技術の不足はキャッシュレス社会にとって様々な犯罪の原因であった。しかしながら、プログラミング技術の飛躍的進歩のおかげで、多くのトラブルや危険が今では取り除かれることができる。
第二の理由は、キャッシュレス社会は消費者に対してプラスの影響を与えることができるということである。例えば、人々は海外のECサイトに容易にアクセスでき、そしてそれは我々の家に迅速に商品を送ってくれる。結果として、キャッシュレス社会は世界経済を刺激することができるのだ。
プライバシーにかかわるいくつかの問題があるかもしれないけれども、今日の社会では安全性とビジネスへの影響が高く重視されている。こういった理由で、日本がキャッシュレス社会になることは不可欠である。

【以下省略 本冊をご覧ください】


ここまで、長々とご覧いただきまして、ありがとうございます。

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