日課
私はウミネ、彼女はミネコ、私たちは姉妹。二人で生活を共にしている。けどさみしいことはなかった。周りにはたくさんの仲間がいたし、食べ物にも困らなかった。
ある晴れた日の朝ミネコが
「今日風が気持ちいいから、ちょっと出かけない?」
と話しかけてきた。
「まだこんな時間よ。だれも起きてないじゃん」
「ウミネは起きてるでしょ?」
「あんたに起こされたの」
そう言うと私はまた眠りにつく。するとミネコが口バチで私の体をつついてきた。
「痛い」
「ほら、起きた。早く行こう」
「分かったわよ」
あくびをしながら羽をのばし、飛び立った。
「ほら気持ちいい風」
「ほんとそうね」
「今日もあそこに行ってみる?」
「ミネコあそこ好きだもんね、けど無茶しちゃだめよ」
「分かってるって」
そう言うとミネコは翼を思いっきり広げて風を感じていた。
しばらく飛んでいると目的の場所に到着した。
赤い大きな木、そして丘の上にはへんてこなものが置いてある。人間っていう生き物が言ってたけど「神社」っていうんだって。へんなの。
「到着」
「ふー、疲れた。意外に遠くてねここ」
神社の前の石で羽を休める。
「今日も来たんだね、おはよう元気してた?」
白と赤の格好をした人間?がそこにいて話しかけてきた。これは毎日私たちが来た時に声をかけてくれる。ミネコのお気に入りだ。
「じゃあまたね」
そう言うと人間は去っていった。
「あれ面白いね、毎日私たちに話しかけれくれるね、人間ってのは優しい生き物なんだね」
「ほんとミネコはあれが好きね」
「うん」
「そろそろみんな起きるころだから行くよ」
「ウミネ待って」
そしてまた大空へ羽ばたいていった。