転職について〜精神病予備軍に向けて
精神疾患と無縁のうちに転職を繰り返すことは、将来のリスクを高める可能性がある。特に、厚生年金の未加入期間中に精神疾患を発症し、初めて精神科を受診する人があまりにも多い。その結果、障害年金を申請する際に国民年金のみが適用されることになり、厚生年金との差額によって受給額が大きく変わってしまう。
厚生年金と国民年金の違いは非常に大きく、受給額が倍以上になることも珍しくない。たとえば、厚生年金に20年以上加入していれば、障害年金を受給する際に加算措置が適用され、年収300万円相当の手厚い保障を得ることができる。しかし、国民年金しか納めていない場合、受給額は大幅に減り、生活に大きな支障をきたす可能性がある。
精神疾患は予測が難しく、いつ発症するかは誰にもわからない。したがって、健康なうちに安易な転職を繰り返すのではなく、長期的な視点でキャリアを考え、厚生年金の加入期間をしっかりと確保することが重要である。45歳までに最低20年間は厚生年金を納めることで、万が一の際にも生活の安定を保つことができる。
転職を考える際には、単なる給与や仕事内容の変化だけでなく、社会保障の面でも慎重に判断することが求められる。精神疾患は誰にでも起こり得る問題であり、そのリスクに備えるためにも、厚生年金への加入を継続することが、将来の安心につながるのである。
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精神障害六百万人の時代
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